ADVERTISEMENT
ある出来事が起こるとわかっていても、そのことに驚かされることがある。ムーンスウォッチの最新作がまさにそうだ。スウォッチはここ数カ月のあいだ、スヌーピーをテーマにしたムーンスウォッチのバリエーションを予告していたが、本日それが現実となったのだ。その名も“ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ”である。
ホワイトダイヤルにホワイトケース、ホワイトのベルクロストラップという白一色のカラーリングが特徴的だ。右上のインダイヤルを覗き込むまでは、従来のムーンスウォッチと同じ仕様のように見えるだろう。だが、そこにはおなじみのスヌーピーとウッドストックが月の上に横たわっているさまが描かれている。
この姿は、2015年に発表された1970本限定モデルであるオメガ スピードマスター シルバー スヌーピーを彷彿とさせる。“What could you do in 14 seconds?(14秒で何ができた?)”というアポロ13号の有名な言葉とともに、ダイヤルには伏せた姿勢のスヌーピーが描かれていた。
白いダイヤルとインダイヤルに配置されたスヌーピーは、この新しいムーンスウォッチにも受け継がれている。しかし、ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズではスヌーピーははるかにアクティブで機能的な役割を担っている(2020年に発表されたシルバー スヌーピー スピーディのケースバックに描かれた月周回ロケットに匹敵する)。
2時位置のインダイヤルにあるムーンフェイズディスク上のスヌーピーは、月が1回の満ち欠けを終えるまでの29.5日を表している。しかしここには、ライトを消すことで見られる要素がもうひとつある。紫外線を当てると、スヌーピーのコミックから引用した隠しメッセージが浮かび上がるのだ。そこには、“I can't sleep without a night light!(ナイトライトなしでは眠れない!)”とある。このディテールは、“Failure is not an option(失敗という選択肢はない)”というコミックの引用があった2015年モデルを改めて想起させる。
ムーンスウォッチの引用は、ムーンウォッチのそれよりさらに洒落っ気がある。というのも、そう、ムーンウォッチは遊び心にあふれた時計であるべきだからだ。2015年のスピーディとは異なり、この時計はダイヤル、ケース……、そしてストラップにまでマッチするホワイトのベゼルインサートを有している。すべてをホワイトで統一するというとてもユニークな手法により、この時計はスピードマスターのホワイト サイド オブ ザ ムーンを(強く)想起させるものとなっている。
スウォッチは今日、自社のSNSプラットフォームでこの時計を発表した。だが、この時計はまだ販売されているわけではない。しかし、わずか6日後の3月26日(火)には発売される予定だ。さて、この日付にはどんな意味が込められているのだろう? そう、2022年に最初のムーンスウォッチがローンチされてから、この日はちょうど2年目にあたる。ムーンスウォッチの熱狂が始まったこの日を、私たちはきっと忘れることはないだろう。
2023年がムーンシャインゴールドの年であったことは明らかだ。しかし、カラーリングやスヌーピーというキャラクターとの融合、そしてムーンフェイズという新たな機能によって、ムーンスウォッチのラインに何か新鮮なものを見ることができたのは私たちにとって大きな喜びである。スウォッチのムーンフェイズクロノグラフは過去にも存在したが、このようにデイト表示がなく、ムーンフェイズがダイヤルのこの位置に配置されたものはなかった。それに加えて、この機能に描かれたイラスト自体も非常に独創的だ。
あなたが今何を考えているか私にはわかっている。確かにこの時計はクールだが、ムーンシャインモデルの数々と同様、1日限りの限定販売になるのではないかということだろう。しかし、どうやらそのようなことはなさそうで、この新しいミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズは、今年初めに発表されたスキューバ フィフティ、オーシャン・オブ・ストームのようにレギュラーモデルとしてコレクションに加えられることになりそうだ。もちろん機能が追加される分、価格も割高になり、この新しいムーンスウォッチのアメリカでの価格は310ドル(日本での価格は税込4万6200円)である。
つい数週間前にオメガから発表された話題のホワイトダイアル スピードマスター(ダニエル・クレイグによって事前に予告されていたモデルだ。彼はムーンスウォッチを愛用していることでも知られている)と、このモデルを結びつけずにはいられない。これはスウォッチ グループによるホワイトダイヤルのワンツーパンチであり、私はこれを心から待ち望んでいた。
ここ数年、ムーンスウォッチの物語を注視してきた者としては、これは本当によく練られた新作だと思う。軽妙な楽しさと技術的な革新性、そして古きよきデザインのバランスがとれている。私に言わせればこれらはまさに完璧な組み合わせであり、このシリーズの今後の展開にも明るい兆しを見せるものである。
ムーンスウォッチの新作であるミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズは、3月26日(火)からこれまで同様にスウォッチのブティックのみで販売される。価格は約310ドル(日本での価格は税込4万6200円)だ。
その他、時計の詳細はスウォッチの公式ウェブサイトをクリック。
Shop This Story
HODINKEE Shopはスウォッチの正規販売店です。
話題の記事
Bring a Loupe RAFの由来を持つロレックス エクスプローラー、スクロールラグのパテック カラトラバ、そして“ジーザー”なオーデマ ピゲなど
Four + One 俳優である作家であり、コメディアンでもあるランドール・パーク氏は70年代の時計を愛している
Hands-On グルーベル・フォルセイ史上、最も実用的かつ卓越した技術を備えたナノ・フドロワイアントEWTを実機レビュー