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ニューヨークで月曜日の午後遅く、WhatsApp経由で来るとは思ってもみなかったものを受け取った。 これは、私が12年以上時計に携わってきた中で見たことのないものだ。とあるフィリップ・デュフォーの公式声明である。 プレスリリースに似たようなものかもしれない。
2020年11月16日より、伝説的なコレクターでありジュエラーでもあるクロード・スフェール氏が、シンプリシティ誕生20周年を記念した20本限定のシンプリシティを皮切りに、フィリップ・デュフォー氏の今後の作品の商業的な全責任を追うことになったというのだ。デュフォー氏の妻であるエリザベス氏は、常に夫のそばにいて、コミュニケーションに関するあらゆる事項を担当していく。
デュフォー氏は、オーデマ ピゲのために制作した作品や、革新的なソヌリや、デュアリティ、シンプリシティといった皆さんにもおなじみの時計などの腕時計も手掛けており、これらの時計はハイエンドな独立時計を収集するコレクター達の間で人気を博している。彼の作品への評価は、ここ20年ほどの間に富裕層コレクターの気まぐれな要求に応えることに比較的関心が無くなったことでさらに高まっていった。何年もの間、彼は世界で最も裕福なコレクターから彼らのためのユニークピース制作依頼を莫大な資金にも関わらず断ってきた。その代わりに、デフォー氏にとって最愛の人のために奇妙な時計を作ることを選んだのだ。そうした例の一つは、彼の新しいパートナーの息子の結婚式のために制作されたシンプリシティで、我々もここでご紹介した。そしてもう一つは、長年の友人でもある日本の小売店のために作られたものである―ここでご覧いただける。
さらに言えば、200本のシンプリシティを完成させて以来、デュフォー氏の商業活動は謎に包まれていた。何千人もの人たちが、もしかしたら返信をもらえるかもしれないと淡い期待を抱いて、彼にメールを送りシンプリシティについて訪ねたが、ほとんど返事を受け取ることはなかった。しかし、それはデュフォーが世捨て人となったということではない。ニューヨークで開催された2015年のHODINKEEサミットへの参加、HODINKEE Radioのゲストとしての出演や、2013年に公開した私のお気に入りの動画にも出演してくれた。彼は時折、意外な時計を身に着けて現れることもあった(彼もウェイティングリストに名前を入れなければならなかったでしょう)。
彼の新しいパートナーについては? クロード・スフェール氏は、GPHGの審査員を数年務め、独立時計業界の最大のサポーターの一人であり、世界で最も重要なF.P.ジュルヌ、グルーベル・フォルセイ、パテック フィリップ、ロレックス、チューダーなどの時計を所有しており、ヘンリー・グレイブスのスーパーコンプリケーションの入札を行ったことでも有名だ。それ以上に彼はコレクターであり、目利きであることを第一に考え、時計業界の各方面から非常に高く評価されている。これは史上最高の時計職人の一人の遺産を保証する責任を追っている人物には必要なことだ。
フィリップ・デュフォー シンプリシティ20周年記念限定コレクションの詳細
スフィール氏就任のニュースとともに、20本限定モデルの詳細が明らかになった。プロトタイプの00番がオークションで100万ドル以上で落札されたのを見てきたが(記事「フィリップ・デュフォー シンプリシティがフィリップス オークションにて約1億5630万円で落札」参照)、残りのモデルがどのように作られるのかが明らかになったのだ。全モデルがケース径37mmで、ブレゲ針を備えている。プロトタイプに見られた12時位置の“PD”は、アラビア数字の“12”に置き換えられている。残りのスペックは以下の通り。
鏡面仕上げのローズゴールド製ケースで、ブラウン文字盤にピンクゴールドの印字、鏡面仕上げのインデックスを備えた7本。
鏡面仕上げのホワイトゴールド製ケースで、グレー文字盤にマット仕上げのインデックスを備えた7本。文字盤上の印字はブラック。
鏡面仕上げを施したマットプラチナにライトブルー文字盤とポリッシュ仕上げのインデックスを備えた7本。文字盤の印字は紺色。
ここで全部足しあげても20ではなく21になることにお気づきだろう。単純明快に言えば、デュフォー氏自身が1本自身のためとして制作するのだ。つまり00番を含めて、世界に22本存在することになる。大いに結構だ。
シンプリシティ20周年記念モデル購入のためにどうすればよいか?
そして、皆さんが待ち望んでいたもの。そう、スフェール氏が新たに加わったことで、この時計を購入について問い合わせすることができるようになったということだ。価格はまだ決定していないが、デュフォー氏とスフェール氏は、各国に時計を1本のみ販売することを決定した。この考え方は、友人や同様のコレクターのグループが割り当ての大部分を受け取っていた以前の時計の販売方法を打ち消すことである。
今から24ヵ月以内に20本全てが完成し、納品されると聞いているが、これはデュフォー氏の伝説的な「1年に10本の時計を作る」というやり方を物語っています。この時計に興味をおもちの方は、クロード・スフェール氏(cldsfr12@gmail.com)まで直接メールでご連絡ください。