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服やアクセサリーを身につけることに関して、バッドギャルのリリ(リアーナの愛称)にルールはない。彼女は自身のアプローチが大胆不敵だと思われようがアバンギャルドだと思われようが、あるいはあえていうなら注意を集めたいと思われようが(リアーナの衣装はいつも完璧だから、もしそう思っているのなら残念だがあなたは間違っている)、彼女は独自のルールに従って生きている。ミームに値する、グオ・ペイ(Guo Pei)デザインのメットガラドレスから、リル・キム(Lil Kim)をオマージュしたネイキッドクリスタルのドレス、それに合わせたクリスタルのドゥーラグまで、彼女はファッションの選択において常に話題を集める。また彼女のジェムセットウォッチの長い歴史と、最近ではダイヤモンドのトゥーリング(なぜいけないの!)も忘れてはならない。
昨夜のパリでのこと。パリ・ファッションウィーク(パリコレ)にて、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)がルイ・ヴィトンのメンズウェアのクリエイティブ・ディレクターとしてデビューコレクションを発表した。それは間違いなく今年最大のポップカルチャーのひとつだった。ジェイ・Z(Jay-Z)とビヨンセ(Beyonce)、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)、オフセット(Offset,Migos)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、そしてレブロン・ジェームズ(LeBron James)らが最前列に座っていたし、プシャ・T(Pusha T)は実際にランウェイを歩いた。しかもジェイ・Zとファレルがライブで共演! それは圧巻のステージだった。そんななかリアーナと夫のロッキー(Rocky)は、ファレルと同じLVの服を着て遅れて登場し、セレブリティゲストとして脚光を浴びた。Instagramでカップルのクローズアップ画像をスクロールしていると、私が騙されているのか、それともリアーナが本当にジェイコブ&コーのダイヤモンドウォッチを首に巻いていたのか? そんな写真が目に飛び込む。
私の最初の反応は“ああ信じられない、これを最初に思いつかなかったなんて”というようなものだった。そのあと嫉妬心は収まって、“リアーナは涙が出るほど完璧”という心情に落ち着いた。
リアーナが身につけていたのは、アリゲーターの型押しが施されたブラックカーフスキンストラップをセットした、30カラットのブリリアント フライングトゥールビヨンウォッチ。予想外だけれど、それでいて奇妙なほどに完璧な時計だった。決して、カルティエやピアジェのような繊細で優美なケースでないことは覚えておいてほしい。いや、直径47mmのホワイトゴールド製ケース、フライングトゥールビヨン、バゲットカットのホワイトダイヤモンド30カラットがセットされていたことも忘れないで(さらに338個のブリリアントカット・ダイヤモンドをムーブメントにセッティングしている)。もし興味をもったのであれば、67万ドル(日本円で約9577万5000円)で手に入れられる。
またダイアナ妃が、当時のサウジアラビア皇太子から贈られた指輪と時計をもとにチョーカーを作ったことを思いだした。彼女はそれをヘッドピースとしてつけていた。何にも恐れることなく大胆な服装をする彼女たちは多くのことを物語り、そしてそれは誰がどう感じようと気にしていない女性の象徴でもある。
リアーナのレッドカーペットでの最高の瞬間はすべて、今後何年にもわたって語り継がれるだろう。40年後のある日、スタイリストやデザイナーがインスピレーションを得るために本を読み漁るとき、1970年代の全盛期のときのシェール(Cher)や、90年代のヴォーグ、カルバン・クラインの広告に登場したケイト・モス(Kate Moss)のように、きっとリリも頭の片隅にいるのだ。昨夜のチョーカーがリアーナ(が自身で確立した)のベストヒットに入ることを期待したい。
Images courtesy of Jacob & Co.
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