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Business News ロレックスによる再びの値上げについて

昨年、多くの市場で2回の値上げを行ったロレックス、2023年は小幅な値上げによってスタート。

新しい一年が始まり、1月1日に軽い頭痛で目が覚めた人が続出。大晦日の二日酔いのことである。2023年も1月1日はロレックスの公式値上げの日であり、アメリカではブランドのラインナップ全体で平均3%強の値上げが購入者の懐に響いた。

The new Air King

2022年、ロレックスが発表した新作のひとつであるエアキング。Photo by Tiffany Wade.

 特定のモデルの値上げは、他のモデルよりも大きな打撃だ。ロレックスのホワイトゴールド製デイトナは5400ドル(17%)アップという驚異的な値上がり(注:日本では要問い合わせ)を見せた。一方、不動の人気を誇るSS製デイトナは250ドルアップと、1.72%の上昇(注:日本では3万7400円、2.17%)にとどまった。その他のSS製スポーツロレックスのうち、サブマリーナー Ref.124060と126610、エクスプローラー II Ref.226570はそれぞれ150ドルアップ(注:日本ではサブマリーナーが2万4200円、エクスプローラー Ⅱが2万5300円)で、平均約1.6%、ほぼ1万ドルの時計としてはかなり無視できる金額である。ロレックスの最も需要の高いSSモデルについては、バークレイズは米国では2.2%の上昇にとどまったと報告している。ゴールポストを動かすことは、正規販売店からの電話を期待して貯金していた人々にとっては不満かもしれないが、悪いニュースとばかりも言えないだろう。

 イライラするにもかかわらず、このような価格調整は普通の出来事であり、ひとつには、主にインフレと材料のコスト上昇に追いつくための努力として見られている。そう、ロレックスはパンデミック時に2年間価格を凍結したが、2022年1月に平均3%近い価格上昇にて調整を行った。アメリカの同じ2年間のインフレ率は平均2.95%程度だったので、調整後のロレックスの価格が少し我慢できないように感じたとしたら、それは間違っていない。しかし、昨年の米国のインフレ率は11月までの平均で約8.1%とさらに上昇をしたため、約3%の価格上昇でも控えめな印象ではある。

Rolex's new left hand GMT detail

 インフレ率の上昇は二次的な影響を及ぼし、2022年の為替相場は乱高下した。2022年2月、ドルは最安値をつけ、わずか0.8731ユーロの価値しかなかった。しかし、年が明けるとドルはどんどん等価に近づき、7月にはそれと同等になり、最終的には約20年ぶりにユーロを上回った。一方、ポンドは対ユーロで下落を続けた。

 2016年のブレグジット後にポンドがユーロに対して暴落したことの緊張を、まだ引きずっていたであろうロレックスは、再び袋叩きにあうことを望まなかったに違いない。当時、ほとんどの時計メーカーが価格調整に手間取り、英国は世界で最も安く時計を購入できる国のひとつになっていた。今回、ロレックスは迅速に行動し、9月に約5%の値上げを発表しイギリス市場に打って出た。その後、11月にヨーロッパの他の国でも5%の値上げを発表。結局、米国は3.4%の値上げにとどまったが、市場の変動が激しくなっていることから、2023年はこの年明けの調整だけが唯一のものではない可能性がある。

 しかし、いくつかの明るい兆しもある。ヨットマスターの4リファレンスは、なんと50ドルも価格が下がった(注:日本では変更なし)。しかし、おそらくほとんどの消費者にとって食指を動かすほどではない。プラチナデイトナ Ref. 116506は値上がりしなかったが、「プライス・オン・リクエスト」の時計を購入する人は、おそらく希望小売価格をあまり気にしていないことだろう。

The Platinum Daytona

Photo by Ben Clymer

 今回の値上がりはまた、いくつかのロレックスのモデル、主にSSのスポーツモデルに関しては、過去1年間で軟化してきた二次流通市場価格を希望小売価格に近いものにするだろう。私は、すぐにグレーマーケットの死を目撃するとは思わないが、彼らがそこに手間をかける価値がないと判断した場合、いくつかの転売屋をいさめる可能性が期待できる。ロレックスの新しい認定中古プログラムの時計に当初つけられた、特に厳しい価格設定(グレーマーケットをはるかに上回る価格だとソーシャルメディアで大批判を浴びた)は、わずかな価格上昇さえ相対的な取引ではないと主張しづらくしている。

Rolex Certified Pre-Owned Tags

 最後に、2023年はロレックスのスポーツモデルのなかで最も入手困難なモデルのひとつであるデイトナの60周年記念の年である。噂はまだ熱を帯びていないものの、デイトナの新モデルやディスコンの可能性は、再び二次流通価格を上昇させる可能性があり、おそらくロレックスとその正規店に付加された数パーセントは、もし時計を手にできるならば微々たる金額であることを証明している。