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Introducing アエラからC-1 クロノグラフが登場

ブランド独自のデザイン言語を、アエラは初の複雑機構に落とし込んだ。

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我々が知っていること

アエラはオロフ・ラルソン(Olof Larsson)氏とジャス・ミンハス(Jas Minhas)氏によって2018年初頭に設立されたマイクロブランドだ。ブランドはそのルーツとなるデザイン主導のウォッチメイキングに忠実であり、P-1 パイロットやD-1 ダイバーといった非常に独自性が高く(かつ視認性のいい)タイムオンリー(時刻表示のみの)ウォッチを少数展開してきた。これらのモデルは大胆でありながら独特の柔和さを感じさせるルックスを特徴としており、そのルックスに重きを置くブランドのようなデザイン言語(特にアイクポッドが確立したような)を反映していることは疑いようもない。アエラはいくつかの鍵となるコンセプトやトレードマーク的なディテールを時計に取り入れている。大振りでありながら柔らかな小石のように丸みのある形状のケース、曲線的なラグ、一体型(インテグレーテッド)ストラップ、そしてブランドが“ディッシュド(dished、皿状の)”ダイヤルと呼ぶワンピース構造のダイヤルだ。要するにアエラは視認性を重視するその他多くのマイクロブランドとは対照的に、シンプルさと柔らかさを追求した時計作りを試みているのだ。

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 そして先日、アエラはそのデザイン言語を維持しながらC-1 シャドウとC-1 クラウドという初の機械式クロノグラフを発表し、複雑機構の分野に進出した。アエラが初めて複雑機構を搭載したこのモデルには、すでに定評があり信頼性の高いバイコンパックスのセリタSW510自動巻きキャリバーが搭載されている。アエラは56時間のパワーリザーブを持ち、標準グレードよりも若干精度が向上、表面仕上げに改良を施したエラボレグレードのムーブメントを採用した。

 またアエラはほかのモデルで使用していた904Lステンレススティールをこれらのケースでも採用している。特にC-1 シャドウ クロノグラフではマットブラックのPVDコーティングがブランドとして初めて施されており、一方のクラウドモデルは従来通りの904Lケースを使用している。直径の大きいセリタムーブメントを搭載しているため、ケース径は42mm、厚さは15.75mmとなっている。ラグからラグまでの距離は49.55mmだが、一体型ストラップ(22mm幅)の構造上、実際には若干大きめに感じることだろう。

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 もちろんこのほかのアエラの時計と同様に、話題の中心はデザインにある。ここからはそのポイントについて詳しく見ていこう。C-1 シャドウ クロノグラフはコントラストを重視したデザインで、ケースのマットブラック仕上げはエングレービングされた数字にブラックラッカーを施した曲線的なベゼルにもおよぶ。ドーム型サファイアクリスタル風防の下にはアエラの象徴的なワンピース構造の“ディッシュド”ダイヤルがあり、白いマーカーが見返し部や凹型のクロノグラフサブダイヤルの外周にあしらわれている。そのダークな外観とは裏腹に、シャドウ クロノグラフには赤いラッカー仕上げのインダイヤルカウンターの先端とブラックフレームのソード針にスーパールミノバを施し、リューズ中央にも鮮やかな赤いラッカーが充填。さらに興味深い点として、12時位置の“AERA”ロゴは固体のグロボライト®から削り出されており、時計に立体感をもたらしている。シャドウモデルにはブラックラバーとオレンジレザーの2本の一体型ストラップが付属しており、どちらにもクイックリリース式のバネ棒が取り付けられた。

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 一方のC-1 クラウド クロノグラフは異なるアプローチでデザインされており、シャドウ クロノグラフに見られた黒と赤の視覚的な攻撃性とは対照的に、非常に柔らかく明るいトーンで仕上がっている。マットグレーとブルーのダイヤルと、それとは対照的な白いインダイヤルが特徴的だ。シャドウで見られた白いマーカーは本作ではダークグレーでプリントされ、ソード針と調和している。インダイヤルのクロノグラフ針とクロノグラフのセンター針はスカイブルーで、先端に白いルミノバを塗布。シャドウと同様、クラウドにもグロボライト製の立体的なロゴが12時位置に配置されているが、明るい文字盤に対してシャドウとは異なる効果を生んでいる。なおクラウドモデルには、ホワイトラバーとライトグレーのカーフスキンストラップが付属する。

 どちらのモデルもエングレーブが施されたねじ込み式ケースバックを備え、ハンドメイドのレザーポーチが付属する。C-1 シャドウは2100ユーロ(日本円で約34万円)、C-1 クラウドは1950ユーロ(日本円で約32万円)でどちらも300本限定で生産される。最初の100本は第1弾としてアエラのウェブサイト上で先行予約販売を行う予定だ。


我々の考え

アエラの新しいクロノグラフを実際に見る機会にはまだ恵まれていないが、これまでにP-1 パイロットやD-1 ダイバーのモデルとはかなりの時間を過ごしてきた。これらは僕の6.5インチ(約16.5cm)の手首にはやや大きかったが、もう少し太めの手首に乗せてみたところ非常に印象的に映った。これらの時計は極めて頑丈に作られており、デザインにはアイクポッドのようなブランドからの影響を感じる部分もある。しかし同価格帯のほかの時計と比較するのは難しいように思う。

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 このクロノグラフのデザインは非常に優れており、ふたつのモデルのうちではクラウドのほうがお気に入りだ。時計はソフトで優しい印象と、ツール的で男性的なデザインのあいだを巧みに行き来しているように見える。グレーとブルーのトーンが見事に融合しており、そのバランスは絶妙だ。大振りなケースにもかかわらず全体のプロポーションはうまくまとまっており、このモデルは人気が出るだろうと思う。

 以前のふたつのモデルがダイビングやアビエーションに関連していたことを考えると、今回のクロノグラフに自動車やアビエーションに関する要素がないのは少し意外であり、興味深かった。しかしその代わりに、ふたつのクロノグラフウォッチのデザインはデザインプロダクトとツールウォッチの中間に位置しながら、そのバランスをうまく保っている。アエラがデザイン言語に込めようとしている理念を踏まえて考えると、同じようなコンセプトを掲げるなかにはしばしば平凡でありきたりな時計を作ってしまうブランドもある。しかしC-1 クロノグラフのデザインは意図的にシンプル化されているものの、決して平凡とは言えない。すべての要素が考え抜かれており、グロボライト®で表現されたアエラのロゴのように細かなディテールがそれを裏付けている。

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 これらの時計は、何かほかとは異なるものを求める顧客にとって素晴らしい選択肢である。内部に搭載されているセリタSW510は別段驚くべきものではなく、このレベルのブランドでは非常に標準的なムーブメントだ。しかしその実用性を考えれば、十分な役割を果たしてくれることだろうと思う。普段、時計のケース径を小さくして欲しいというコメントにはうんざりすることが多いが、今回に関してはその意見に同意せざるを得ない。これらの時計は確かに大きく、小型化された場合でも独自のデザイン言語が同様にうまく機能しただろうと強く感じる。セリタSW510の直径ではその目標を達成するのは難しいかもしれないが、クォーツなら実現できたかもしれないとも考えられる(ただし、アエラはこれまで完全に機械式ムーブメントにこだわってきた)。

 セリタ製ムーブメントを搭載したアエラの従来のタイムオンリーモデルは約1400ドル(日本円で約20万円)だったが、今回のクロノグラフは価格が大幅に上昇している。価格を米ドルに換算すると、クラウドクロノグラフは税抜きで約2500ドル(日本円で約37万円)を少し超える。例を挙げると、ニバダ グレンヒェンのクロノマスターよりもやや高価なぐらいだ。もちろん904Lスティールやグロボライト®の使用など素材の違いもあるし、加えてブランドは2本のストラップとオリジナルのポーチを付属することでその価値を補完しようとしている。アエラは以前のタイムオンリーモデルを完売させた実績があるため、今回のクロノグラフも成功するだろうと確信している。初回の予約販売で各モデル100本ずつを提供するという供給面でのアプローチは、初期の需要を正確に把握する賢い方法だ。

 総じてクロノグラフという選択は現時点でブランドにとって非常に理にかなった選択だ。これらが成功を収めればアエラは独自のデザイン言語を継続して使用し、数年のうちに堅実な顧客層を擁するブランドとしての地位を確立するだろう。


基本情報
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ブランド: アエラ(Aera)
モデル名: C-1シャドウクロノグラフ/C-1クラウドクロノグラフ

直径: 42m
厚さ: 15.75mm
ケース素材: 904Lステンレススティール(シャドウにはPVDコーティング)
文字盤色: ブラック(シャドウ)/ブルー(クラウド)
インデックス: プリント
夜光: スーパールミノバおよびグロボライト
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: クイックリリース機構が付いたラバーとレザーのストラップ


ムーブメント情報
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キャリバー: エラボレグレードのセリタSW510 バイコンパックス
機能: 時・分・秒表示、クロノグラフ機能
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時


価格 & 発売時期

価格: シャドウ 2100ユーロ(日本円で約34万円)/クラウド 1950ユーロ(日本円で約32万円)
発売時期: 第1弾の予約注文(2024年)時に100本、残りは2025年に展開
限定: ともに300本

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