Introducing タグ・ホイヤーからカレラ トゥールビヨン クロノグラフ × ポルシェ パナメリカーナが登場

　それがタグ・ホイヤー　カレラ トゥールビヨン クロノグラフ × ポルシェ パナメリカーナで、限定255本となっています。目を引くのは42mmのグラスボックスケースにタグ・ホイヤーのTH20-09 トゥールビヨン クロノグラフが搭載されている点です。ただこういった限定版では、細部にこそ魅力が詰まっています。

　まずはトゥールビヨンの上、6時位置付近に刻まれたカレラ パナメリカーナロードレースのサインから紹介します。このメキシコのロードラリーは1950年に開始され、わずか5年で終了しましたが、1988年に再開されました。しかし最初の5年間の伝説的なエピソードと危険性に魅了されたジャック・ホイヤー（Jack Heuer）にとっては、有名なRef.2447にレースにちなんだ名前を付けさせるに十分なものでした。ホイヤー カレラと名付けられたこのモデルは、まさに冒険とモータースポーツの精神にインスパイアされたものでした。この決定がのちにホイヤーを、とりわけポルシェとの長く曲がりくねったモータースポーツへの関わりへと導くことになります。

　963を祝う別のタグ・ホイヤー×ポルシェの限定モデルと同様、この時計もケース側面に刻印が施されています。今回のモデルには、クラシックなポルシェの字体で“Spyder”と刻まれています。これはもちろん、1954年のラリーでクラス1位と2位を獲得したポルシェ 550スパイダーを指しています。そして2024年は、その偉業から70周年にあたります。スケルトンダイヤルのデザインは550スパイダーのホイールデザインに敬意を表し、テクスチャーはボディワークやアスファルトをイメージ。タグ・ホイヤーはこうした歴史的な要素を取り入れるのが得意ですね。

　とはいえ、やはりケースは数ミリ大きすぎるように感じます。もし技術や革新性を追求するというのであれば、TH20-09をもっと小さくてエレガントな仕様でつくってほしいところです。ただ、42mmというサイズは時計愛好家コミュニティが言うほど大きすぎるわけではありません。一方で、モータースポーツへの敬意を表したデザインはとても魅力的だと感じます。パナメリカーナラリーとポルシェが、カレラの誕生に深く関わっている点を融合させたのは、限定版のコンセプトとして素晴らしいです。シルバーとブラックのカラーリングに加えられた黄色のアクセントも、1954年の優勝車である550スパイダーへの敬意を表しています。またグラスボックス風防のシルエットとケースエッジとの接合部分は、その優勝車のデザイン言語を想起させます。スパイダーの刻印はデザイン要素として美しいですが、個人的にはもう少し控えめなサイズにしてもよかったのではないかと思います。

　熱心な愛好家という比較的少数の、しかし声高に主張する層を狙ったものではないにしても、タグ・ホイヤー　パナメリカーナはブランドの歴史の興味深い側面を巧みに表現したモデルです。

ブランド: タグ・ホイヤー（TAG Heuer）
モデル名: カレラ トゥールビヨン クロノグラフ × ポルシェ パナメリカーナ
型番: CBS5012.FC6571

直径: 42mm
厚さ: 14.3mm
ラグからラグまで: 49.7mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: シルバースケルトン
インデックス: アプライド（ロジウムメッキ仕上げのファセット加工、ポリッシュ仕上げ）
夜光: あり、ジウムメッキ仕上げのファセット加工、ポリッシュ仕上げの時・分針
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックのパンチングカーフスキンレザーストラップ、内側とサイドはイエローのライニング

キャリバー: TH20-09
機能: 時・分表示、コラムホイールクロノグラフ（4分の1秒計、30分積算計、12時間積算計）、ワンミニッツトゥールビヨン
パワーリザーブ: 約65時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33

価格: 536万8000円（税込）
発売時期: 2024年10月発売
限定: あり、世界限定255本（シリアルナンバー入り）

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