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新しい年の夜明けと2021年最初のSpeedyTuesdayにあわせて、真新しいCal.3861 コーアクシャル搭載のスピードマスター プロフェッショナルが登場した。
オメガは、その有名なクロノグラフの系譜の中で無数のように感じるほどのモデルを展開しているが、根幹となる時計のローンチは大規模なリリースといえる。その古典的なスピードマスターの美学を好むコレクターたちのために、スピードマスタープロフェッショナルCal.1861が登場し、このたび新たにCal.3861が続いた。
もしあなたがこのニュースをキャッチアップしていないのであれば、ジャックが執筆した記事「オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ Cal.3861 2021年新作」をご覧いただきたい。要するに、月をテーマにしたアイコニックなツール誕生50周年に新型スピーディが登場したということ。良いニュースは、先代によく似ているという部分だが、全く同じではない。
スピードマスターコレクターたちがどのモデルを手に入れるのか判断するために、新旧モデル、さらには新モデル同士の比較が役に立つのではないかと考えた(新作のスピードマスターCal.3861でオメガは、サファイア風防とヘサライト風防の両方を継続すると発表したため)。
ヘサライト スピードマスターは何が変わったのか?
1957年に発売されて以来、オメガはスピードマスターの風防にヘサライトガラス、別名プレキシガラスを提供してきた。サファイア風防はそれ以来、あらゆるレベルにおいて事実上、時計のオプションとなっているが、より歴史的に正確な風防を提供し続けることは、キャブレターと燃料噴射装置を搭載した現代の車を購入することに似ている。それは魅力的な遊び ― そして歓迎すべきもの ― なのだ。コールの記事「ムーンウォッチ徹底比較:ヘサライト対サファイアクリスタル」もご参照いただきたい。
文字盤
新しい文字盤のレイアウトは先代のCal.1861に似ているが、新バージョンではヴィンテージにインスパイアされたステップダイヤル(内側の文字盤がミニッツトラックにつながる部分に段差があるのが分かかるかな?)が採用されている。スピマスオタクたちにとっては、ヴィンテージバージョンの文字盤への回帰を意味する。さらに、印字されたロゴと、新ムーブメントCal.3861の振動数を考慮して、デザインを変更されたミニッツ/セコンドマーカーも確認できる。
ベゼル
3861をベースにした新しいスピードマスターの全モデルで、ベゼル上のフォントが細くなり、ドット・オーバー90(横ではない)表示などは1970年代以前のスピードマスターを彷彿とさせる。
ケース
時計の世界ではほとんど前例のない動きとして、オメガは新しいCal.3861 ヘサライト スピードマスターを先代モデルよりも薄くすることに成功した。かなりクールだ。
ケースバック
オメガの地球儀は、ソリッドケースバックの縁から2時位置のラグの裏側に移動し、4時位置のラグにはケースの材質(ステンレススティール、Au750など)が記載されている。また、8時位置のラグにはシリアルナンバーが記載されていないが、プレス画像であるためにデジタルで消去されている可能性がある。
ヘサライト風防のスピードマスター プロフェッショナルは、ソリッドケースバック仕様。新しい310.30.42.50.01.001のケースバックには、ごくわずかな変更を見ることができる。
テキストは、追加されたモデル情報、“Co-Axial Master Chronometer Professional Moonwatch”(コーアクシャル マスター クロノメーター プロフェッショナル ムーンウォッチ)とアップデートがなされている。Cal.1861版では、“Flight-Qualified By NASA For All Manned Space Missions”(全ての有人宇宙計画用としてNASAが認証した)、であったのに対して、Cal.3861版は“Flight-Qualified By NASA In 1965 For All Manned Space Missions”(全ての有人宇宙計画用として1965年にNASAが認証した)となっている。スピードマスターをムーンウォッチにした歴史へのもう一つのうなずきだ。
ブレスレット
このブレスレットは、新世代向けとしてデザインと仕上げの全てがアップデートされているため、違いが明白な部分だ。Cal.1861モデルのボンド風な幅広のセンターリンクとセンターポリッシュエレメントのペアはもう存在しない。新しいヘサライトCal.3861モデルのブレスレットは、力強いテーパード(20mmのラグからクラスプの15mmまで)がきいており、新しい5連のねじ込み構造に加えて、新しいフォールディングクラスプは、エングレービングされたロゴ、ストライプの仕上げ、2ポジションのマイクロアジャスターを備え、完全にブラッシュアップされている。最後に、フラッシュフィットのタブを使用してラグのエッジに合わせる必要がなくなるなど、デザインが一新されている。
とにかく、新しいアップデート(コーアクシャルムーブメントは言うまでもなく)により、細かな部分に手が入りハンサムで整ったムーンウォッチだ。ブレスレットは、ヴィンテージのデザイントレンドに起因する様々なギミックなしで、新たに全面サテン仕上げが施され、ヴィンテージ効果のある外観を得た。また、ヘサライト風防には、イースターエッグとして、オメガのロゴが風防の中心に刻まれたままだ。
そして、サファイアバージョンでは何が変わったのか?
スピードマスターファンの多くは、新たなSS製・サファイア風防をもったCal.3861(Ref.310.30.42.50.01.002)に興味をおもちだと思われるが、このサファイア風防(とそれにマッチしたケースバック)は、他の2つの新しいバージョンの3861 スピーディ、セドナゴールド(Ref.310.60.42.50.01.001)とカノープスゴールド(ホワイトシルバー調の文字盤がマッチ)にも採用されていることは注目に値する。
文字盤
ここでは、ホワイトメタルでアプライドされたオメガロゴと、新しい3861の振動数に対応した新しいハッシュマークを採用したこと以外は、ほとんど変更されていないステップダイヤルが確認できる。アプライドロゴは素晴らしいタッチで、特に写真で見ると、1861版であれ、3861版であれ、このサファイア風防はプロフェッショナルの兄弟モデルとは一線を画すものとなるだろう。
ベゼル
ヘサライトの3861で見たように、サファイアバージョンではベゼルが刷新され、フォントがやや細く、またドット・オーバー90が採用されている。
ケース
新しいヘサライト3861と同様に、サファイアバージョンも先代より少し薄型化されている。そう、新しいクロノメーター・ムーブメントを搭載しているにも関わらず、サファイア風防のスピードマスター プロフェッショナルの厚さは、13.7mm(Cal.1861搭載時)から13.18mm(新型Cal.3861搭載時)へと薄くなっているのだ。これは小さな変化ではなく、その効果は手首の上で非常に顕著になるはずだ。
ケースバック
310.30.42.50.01.002は、いわゆるサファイアサンドイッチで、前面にサファイア風防、背面にサファイアディスプレイのケースバックを備えている。旧世代の同モデルと比較して、ムーブメントの文字とその周囲の装飾を更新。ヘサライトの例と同様に、オメガの地球儀は隣接するラグへと移動され、反対側のラグにはケースメタルが記載されている。
廃盤となるサファイア1861のスピーディが“The First Watch Worn On The Moon”とあったのに対して、3861は“Co-Axial Master Chronometer The First Watch Worn On The Moon”と書かれており、オメガのサインはムーブメントの中央にあるお馴染みのブリッジに移されている(“3861”、“Master Co-Axial”の文字と並んでいる)。
ブレスレット
サファイア 3861 には、ヘサライトと非常によく似たブレスレットが付属。5つのリンクがねじ込まれた構造で、新しいクラスプデザインに合わせて(20mmから15mm に)テーパーがきいている。新しいヘサライトモデルとは異なり、このモデルには、ブレスレットの中央にペアのポリッシュ仕上げインナーリンクが採用されている。
ゴールドの2つのモデル、セドナとカノープス(それぞれレッドとホワイトのトーン)は、完全なサテン仕上げのブレスレットを採用しているが、それ以外はSS製の3861 サファイア スピードマスター同様に、アプライドのロゴ、同様のケースバックの仕上げ、そしてクラスプデザインを採用している。
ヘサライト vs サファイア、新型同士の比較
間違いなく、多くの方が既に1861をお持ちであるか、または手首に新しい3861が必要であると心に決めているかもしれない。2つの新しいSS製モデル(どちらもブレスレット、またはブラックのテキスタイルストラップでお楽しみいただける)を比較してみると、ヘサライトとサファイアの風防の違いはさておき、ヘサライトにはオメガロゴが印字されたものであり、新しいブレスレットには全体にサテン仕上げが施され、ケースバックはクローズドケースバックが採用されている(そのデザインは上でご紹介した通り)。対照的に、サファイア 3861は、ホワイトメタルのロゴ、ポリッシュ仕上げのセンターリンクを備えたブレスレット、サファイアのディスプレイケースバックの新デザインを採用(詳細は先述の通り)。
このようなわずかな変化を明確にするために、1861のコアモデルと3861の新モデルの要素を比較した便利なチャートを作成した。
このチャートが示すように、SS製の3861スピードマスターを選ぶと、サファイア製の場合は~21.4%の価格上昇、ヘサライト製の場合は~21.8%の価格上昇となる。先代モデル(そして現在は製造中止となった1861 スピードマスター プロフェッショナル)の入手可能性を考えると、セカンダリーマーケットでその差が縮まる可能性があり、もしあなたが欲しいのがスピードマスターであるならば、最終的な結果としてどちらにも異論はないだろう。
マスター コーアクシャルムーブメント(これはハック機能を備えている)、刷新されたブレスレットデザイン、より薄いケースプロファイル、およびご紹介したその他の数々の調整のために、約10万円のプレミアムが追加されるのは妥当では? それに、1861のオーナーたちが新しいブレスレットを手に入れたがる可能性もあると思う、フィットするかは別としてね。
確立されたフォーマットに忠実に、ヘサライト・スピードマスター プロフェッショナルは、この時計をよりクラシックに、よりフライトに適した形で提供し続けているが、サファイアはよりモダンで、一見の価値あるムーブメントが実際に見えるようになっている。
このオメガによる最も有名な時計の、思慮深い技術的なリマスターにおいて、ブランドは最愛のムーンウォッチの核となる方程式のいかなる部分にも手を加えていない。そして、ヘサライト風防とソリッドケースバックの両方を提供し続けていることを評価しなければならない。“絶滅”ということについて話しているんだ。
先代モデルは、約50年に及ぶ開発と改良を経て生まれたクラシックなモデルだ。技術的には先進的でありながらも、ムーンウォッチに相応しいムーブメントを搭載し、細部にわたって変化を遂げた3861 スピーディプロは、オメガのスポーティな製品群の中核としてのスピードマスターを再構築した。つまり、スピードマスターのファンになるには良いタイミングだといえるんだ。
詳細は、オメガ公式サイトへ。