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我々が知っていること
ミッキーマウスの時計の中でも、一般の時計愛好家(今さらながら、そんなものが存在するのかどうか、皆、何らかの形で特化しているようだ)の世界で最もよく知られているのが、スイス製の時計である。ジェラルド・ジェンタは、1984年にジュネーブで、まったく予想外のキャラクターウォッチを発表した。その後、ディズニーのライセンスを得て、ミッキー、ミニー、ドナルドダック、グーフィーなど、さまざまなキャラクターをモチーフにした時計を製作したのである。
1990年代に入るとジェンタは、レトログラード機構をキャラクターウォッチとノンキャラクターウォッチの両方に採用し始めた。そのキャラクターウォッチが「レトロファンタジー」シリーズ(レトロノスタルジーではなく、レトログラードの「レトロ」)であり、現在もジェンタが自分の名前で製作した時計の中で最も人気のあるもののひとつだ。
ジェンタは2000年に会社をブルガリに売却し、ジェラルド・チャールズという新会社を設立するに至った。レトロとレトロファンタジーは、多かれ少なかれ永久に過去のものと思われていたが、2019年、ブルガリはプラチナ製の限定版「ジェラルド ジェンタ 50周年記念モデル」を発売した(150本、5万9000ドル、当時の私にはなぜかお買い得に感じられたし、今もそうだ)。その時計はブルガリのブランドでもなく、ブルガリ/ジェンタの共同ブランドでもなく、代わりにジェラルド・ジェンタのロゴと名前だけを文字盤に入れて発売されていた。
ブルガリはジェラルド・ジェンタの次の時計を発表。それもミッキー、つまりレトロなミッキーモデルだ。「ジェラルド ジェンタ アリーナ レトログラード スマイル ミッキーマウス ディズニー」と名付けられたこの時計は、レトロファンタジーのミッキーをそのままコピーしたものではなく(少なくとも私が調べた限りでは)、ケースはファンタジーの方ではないバイレトロの時計に使われていた「アリーナ」を採用。しかし、ミッキーのデザインは1990年代半ばの時計からそのまま引用されており、そのデザインもその時代のものであることが容易に感じられる。
ステンレススティール製で、41mm×11.85mm、26.20mmのシングル レトログラード ムーブメントを採用している。プレスキットにはキャリバー名が記載されていなかったが、バイレトロに使用されているBVL300のバリエーションで、ソロテンポ(ブルガリの自社製自動巻き)をベースにしたモジュールであると思われる。シリーズは150本で、2022年1月の発売時の価格は1万6500ユーロとなる(日本円未定)。
我々が思うこと
先週のキャラクターウィークに参加された方は、私がこれをとても気に入っていることを聞いても、あまり驚かないだろう。私は、子供の頃に初めて出会った時計に非常に感傷的な魅力を感じている(時計業界の多くの人がそうだと思うが)。スピードマスターやイエローゴールドのデイデイトはもちろんのこと、キャラクターウォッチ、そして個人的なキャラクターウォッチであるミッキーマウスがあった。
私がキャラクター・ウォッチに感じた唯一のちょっとした失望感は、多くの場合、それらがわずかに使い捨てであるということだった。もちろん、17石のブラッドレーなどもあるが、キャラクターウォッチが「ノベルティ」と呼ばれるのには理由があって、ノベルティがなくなると同時にムーブメントの寿命も短くなってしまうのだ。
ジェンタ レトロファンタジー ミッキーの魅力はそれだけではなかった。毎日身につけたいと思う時計はあまりないのだが、この時計はその一つだ。楽しいものだ。
ブルガリは今後、ジェラルド・ジェンタを(ブルガリ傘下の)独自のブランドにすることも発表している。もちろん、今後の計画について具体的なことはわからないが、ブルガリによれば、計画があることは確かで、そう遠くない将来にさらに展開していくとのこと。個人的には、反対方向に稼働するレトログラードなグーフィーに一票だ。
ブルガリのジェラルド ジェンタ アリーナ レトログラード スマイル ミッキーマウス ディズニー、微笑んだディズニー・ミッキーマウスを採用:ケース、41mm x 11.85mm、ステンレススティール、ムーブメント、5時位置にジャンピングアワーを備えたモノレトログラード・コンプリケーション、120°のセクターでジャンピングする分針。球体のプレゼンテーションケース。150本の限定生産、10月にEC限定で発売される予定で、価格は1万6500ユーロ(日本円未定)。
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