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我々が知っていること
トリプルカレンダーとコンプリートカレンダーは、ヴァシュロン・コンスタンタン(以下VC)が長年にわたって製造してきた複雑機構で、シンプルなカレンダーと、より複雑でコストのかかるアニュアルカレンダーやパーペチュアルカレンダーとのあいだに位置する、魅力的で実用的な妥協点を提供するものだ。トリプルカレンダーとは、月と曜日(通常は窓で)に加えて、日付(通常はポインターで)を表示するカレンダーウォッチで、コンプリートカレンダーとは、トリプルカレンダーにムーンフェイズを加えたものだ。122年に一度の調整で済む精度を誇るムーンフェイズ表示を備えた、VC(のトラディショナル・コンプリートカレンダーは、現在のカタログではピンクゴールドと"エクセレンス プラチナ"と呼ばれるプラチナモデルがあるが、今週、同社はスレートグレーのダイヤルを備えたホワイトゴールド製の第3のバージョンを発表した。
この時計には、トリプルカレンダーと高精度ムーンフェイズを搭載した自動巻きCal.2460 QCL/1が搭載されている。Cal.2460 QCL/1は、2007年に発表されたVC初の自社製自動巻きムーブメントであるCal.2450をベースにしたものだ。このムーブメントは、コンプリートカレンダーとムーンフェイズを搭載しており、直径29mm、厚さ5.40mm(2450は26.2mm x 3.6mm)となっている。この寸法の違いは、コンプリートカレンダーとムーンフェイズのための機構カドラチュール(文字盤下の機構を指す)の追加によるものだ。
本機の寸法は、プラチナとレッドゴールドの既存2モデルと同様だ。直径41mm、厚さ10.7mm、防水性能は30m。発売時の価格は488万4000円(税込)となっている。
私たちの考え
トリプルカレンダーやコンプリートカレンダーがお好きな方には、他の高級機械式ブランドよりもVCの方が豊富な選択肢があると思う。これらの複雑機構は、トラディショナル・コレクションでは自動巻きモデルが用意され、フィフティーシックス・コレクションではステンレススティール製の最も安価なヴァシュロン・コンプリートカレンダーが283万8000円(税込)で販売されている。
また、ヒストリーク・コレクションには、手巻きのトリプル・カレンダーであるヒストリーク・トリプルカレンダー 1942があり、現在はステンレススティール製のみが259万6000円(税込)で販売されている(つまり、VCトリプルカレンダーのエントリープライスだ)。この時計はヴ同社が提供する、唯一の手巻き式トリプルカレンダーである。VCのファンは、この時計が発売されたとき同じデザインでピンクゴールド製のヒストリーク 1948 コンプリートカレンダーが当時380万円(税抜)で発売されたことを覚えているだろう。後者は200本の限定品だったが、2017年の発売以降カタログに掲載されなくなったため、完売した模様だ。
トリプルカレンダーをお求めで、少なくとも高級時計ブランドであるVC以外には選択肢が少ないとお考えの方に、それぞれの特徴をお教えしよう。自動巻きと手巻きの違いを簡単に説明すると、手巻きの選択肢は1つしかない。しかし、デザインの違いはよほど手巻きムーブメントを好む人や、この複雑機構の手巻きムーブメントを好む人でない限り、技術的な違いよりも優先される傾向がある。
フィフティーシックスは、同社で最もモダンな印象を受けるデザインだが、ヴァシュロン・コンスタンタンの大きな美学に溶け込んでいることを最も強く感じさせるデザインでもある。しかし、これはVCの歴史のなかではかなり最近になって生まれた好みや偏見を反映しているのかもしれない。VCは過去に、プレステージ・ドゥ・ラ・フランスや1921など、かなり突飛なケース形状で遊んできたわけなのだから。フィフティーシックスは、そのデザインさえもヴィンテージモデル(リファレンス6073)に由来している。
私はヒストリーク1942を大変気に入っているが、このモデルには(もちろん意図的なものだが)非常に強く過去から逸脱した雰囲気があり、そのようなものを好むか好まないかによって、本機を最も魅力的な選択肢とするか(比較的穏やかな価格設定もその可能性を損なわない)、あるいは他のモデルに目を向けることになるだろう。また、コンテンポラリーな雰囲気を持つ、伝統に基づいたコンプリートカレンダーを探しているのであれば、あなたを待つのはこのホワイトゴールド製のトラディショナル・コンプリートカレンダーだ。
欲を言えば、あと1mmくらい小さくてもよいし、値段がもう少し安ければいい。一方、このサイズはデザインに沿ったもので、気をつけないと古いおじいちゃんが持つ複雑機構のようになってしまうものを、さりげなく現代風にしている(確かに古いおじいちゃんであり、そうなりたいと思っている私にとって、これは少しも気にならないがあなたは違うだろう)。トリプルカレンダーとコンプリートカレンダーという複雑機構をフレッシュに保つための、すっきりとしたスマートなアプローチがなされており、単に現行コレクションに残すだけでなく様々なデザインと価格帯をも提供してきたVCには脱帽である。
ホワイトゴールド製のヴァシュロン・コンスタンタン トラディショナル・コンプリートカレンダー、Ref. 4010T/000G-B740: サファイア製のフロントとケースバック、41mm x 10.7mm、30m防水。
ムーブメント、コンプリートカレンダーCal.2460 QCL/1、自動巻き、29mm x 5.40mm、約40時間パワーリザーブ、27石、2万8800振動/時。ジュネーブ・シール取得。
発売時の価格 488万4000円(税込)。
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HODINKEEはヴァシュロン・コンスタンタンの正規販売店です。ホワイトゴールドのトラディショナル・コンプリートカレンダーの詳細は、公式サイトをご覧ください。