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2025年の巳(へび)年を祝う特別な腕時計7選

旧正月の豪華な中華料理にふさわしい1本を。

恭喜發財(あけましておめでとう)! 正式に巳年が幕を開けた(編注;中国で)。時計専門のウェブサイトにふさわしい新年の迎え方といえば、やはりここ数週間のあいだに発表された旧正月限定モデルの数々を振り返ることだろう。これらの限定モデルの多くは、特定のマーケットをターゲットにしていることは明白であり、その証拠にモデルナンバーに“8”がやたらと多く含まれているものも少なくない。しかし干支のサイクルがあるおかげで、各ブランドは毎年異なるテーマをもとにメティエ・ダール技術を駆使した、独創的なデザインを披露する機会を得ている。

 本稿では、2025年の干支テーマを採用したモデルを幅広く取り上げるが、決して網羅的なものではない。それでも各ブランドがどのように自らの強みを生かしながらこのテーマに挑んでいるか、その違いを感じてもらえれば幸いである。では親しみやすいアジア人の語り手が、この蛇のようにしなやかなコレクションを紹介しよう。


パルミジャーニ・フルリエ トンダ PF シィアリーカレンダー スティールプラチナ

 中国暦を複雑機構としてここまで見事に表現するブランドは、私の個人的な意見ではパルミジャーニ・フルリエをおいてほかにない。その理由はいくつかある。まず、トンダのケースが持つ広いダイヤルデザインが、情報量の多い文字盤と絶妙に調和している点。そして採用された中国語フォントの可読性の高さも見逃せない。視認性を確保しつつ、デザインにしっかりと個性を持たせている点も特筆すべきだ。

PF Tonda Chinese Calendar Rose Gold
caseback of PF Tonda Chinese Calendar
Case Side of PF Tonda Chinese Calendar

 2023年に登場したスティール製バージョンに熱狂したが、今回のモデルも実に見事な仕上がりとなっている。パルミジャーニはローズゴールドケースにレッドダイヤルという、まさに旧正月を象徴する組み合わせを採用し、圧倒的な存在感を放つ1本に仕上げた。ケース径は42mm、厚さは12.2mmで、搭載されるCal.PF008の直径は32.6mmであるため、デザインチームがこの情報量の多いダイヤルをより小さなケースサイズでいかに表現するかを解決できれば、将来的によりコンパクトなバージョンが登場することも期待できる。

価格: 9万7000スイスフラン(日本円で約1650万円)、ブレスレット仕様
詳細はパルミジャーニ・フルリエ公式サイトから。


クリストファー・ウォード× seconde/seconde/ ザ・トゥエルブ・スネーク

 もちろんseconde/seconde/は、巳年を祝うにあたって完全な“ワイルドカード”とも言えるアプローチを見せた。彼らが選んだのは… なんと、我々の多くが何年も夢中になった、あのゲームへのオマージュである。かつて私は、父のノキア 2100を独り占めして、このゲームをひたすらプレイしていた(とはいえ個人的にはブロック崩し派なのだが)。このロマリック・アンドレ(Romaric André)氏とのコラボレーションは、懐かしさとユーモアを兼ね備えつつもふたつの異なる層のファンに、見事にアピールする絶妙な仕掛けとなっている。

The Twelve Snake soldier shot
caseback of snake edition twelve
seconde seconde art for the twelve snake edition

 自称“HODINKEEのダジャレ王”として言わせてもらうが、6時位置に記されたHiss Made(ヒス・メイド)という遊び心の効いたサインは、まさに“黄金級”のセンスだ。この時計のケースは40mm径、厚さ9.95mmで、ムーブメントにはセリタのSW200-1を搭載している。唯一の難点を挙げるならば、このモデルは現在プレオーダー受付中であり、実際のデリバリーは今夏となる点だろう。そのため、次にこの時計を本来の干支(旧正月)で着用するとしたら12年後ということになる。

価格: 1225ドル(日本円で約20万円)、ブレスレット仕様
詳細はクリストファー・ウォード公式サイトから。


ブランパン ヴィルレ トラディショナル チャイニーズ カレンダー 2025

 ブランパンは、中国暦をテーマにした時計の分野において王者の一角を占めているブランドと言っていい。同社はすでに14年間にわたり、この複雑機構を取り入れたモデルを発表し続けている。この時計は多くの魅力にあふれているが、全体的なデザインはパルミジャーニよりも遊び心があるように思う。特に干支の動物をグラフィックとして表現している点は、視覚的に楽しくてユニークなアクセントだ。さらにブランパンの解釈では、西洋暦と中国暦を融合させているのもポイント。ブランパンのアイコンでもあるムーンフェイズのほか、文字盤外周のグレゴリオ暦の日付表示も備えており、実用性の面でも非常に優れている。

Blancpain Villeret Snake Calendar Chinoise

 ブランパンは、42.5mm × 15.1mmという、やや大きめのプラチナケースでクラフトマンシップを存分に発揮しており、グリーンのグラン・フー・エナメルダイヤルが収められており、まさに芸術的な仕上がりとなっている。一方で裏側にはフロスト仕上げのホワイトゴールド製ローターが配され、そこには木の巳(蛇)の彫刻を採用している。少しマニアックな話になるが、この時計で特に気に入っているのはカレンダー調整用のアンダーラグ・コレクターだ。この機構のおかげで、ケース側面にプッシャー用の凹みが一切なく、美しいデザインが保たれている。

価格: 1305万7000円(税込)、アリゲーターストラップ仕様
詳細はブランパン公式サイトから。


スウォッチ ゴールデン レッド バンブー

 スウォッチは毎年、旧正月を祝う華やかなカプセルコレクションを発表しているが、今年のラインナップのなかで特に気に入ったのが、このゴールデン レッド バンブーである(正直なところ、もうひとつのモデルは私の好みからすると大きすぎる)。

Swatch Golden Red Bamboo

 本作は手ごろな価格で旧正月を祝いたい人にとってぴったりの選択肢だ。サンバースト仕上げのゴールドダイヤルには、抽象的な蛇と竹のモチーフが描かれており、1年をとおして日常的に着用できるデザインに仕上がっていると思う。このモデルはスウォッチのスキンコレクションに属し、ケース径38mm、厚さわずか5.8mmというスリムなフォルムが魅力的だ。今回のラインナップのなかで最もコンパクトなサイズとなっている。

価格: 2万8600円(税込)、テキスタイルストラップ仕様
詳細はスウォッチ公式サイトから。


ボーム&メルシエ リビエラ チャイニーズ ニューイヤー スネーク エディション

 正直に言うと、ここしばらくボーム&メルシエの最新モデルを細かく追っていたわけではない。しかし今回発表された巳年限定のリビエラは、ブランドの一体型スポーツウォッチの新たな試みとしてきわめて興味深い仕上がりとなっていると感じられた。ケースは39mm径のドデカゴン(12角形)デザインで、SS製のケースに薄いPVDゴールドのリングを挟み込み、その上にサンドブラスト仕上げのチタンベゼルを載せている。この多層構造が、時計に独特の立体感と質感のコントラストをもたらしているのだ。

Baume & Mercier Riviera Snake Edition

 ブラックとゴールドの配色に、さらに金色のアクセントが加えられ、全体に統一感をもたらしている。蛇のようにうねる秒針が、視覚的なおもしろさを添えている点も印象的だ。なかでも最大の見どころはスモークグレーのサファイアダイヤルだ。そこには、幾何学模様で表現された抽象的な蛇のデザインがプリントされており、独特の雰囲気を演出している。なおこのB&Mは決して安くはなく、価格は73万1500円(税込)だ。

価格: 73万1500円(税込)、ストラップ仕様
詳細はボーム&メルシエ公式サイトから。


ロンジン コンクエスト ヘリテージ イヤー・オブ・ザ・スネーク

 ここでいったん、個性的なデザインから離れ、今回のリストのなかで最も“ベーシック”なモデルに目を向けよう。シンプルに言えば、これは時刻表示のみのコンクエスト ヘリテージだが、今回はグラデーション仕上げのレッドダイヤルにゴールドのアクセントを加えた特別仕様となっている。ケースは通常の40mm径、厚さ10.7mmと、従来のスタイルを踏襲している。

conquest year of the snake
dial up close
caseback of the snake edition

 このモデルにおいて、旧正月や干支に関連する要素はカラーリングと裏蓋のみに限られている。そのシンプルさ(あるいは創造性に欠けると見る向きもあるかもしれない)がこの時計の魅力とも言えるだろう。より広い層に訴求できるデザインであり、単純に美しい時計としても成立している。本ラインナップのなかでは最も日常使いしやすい1本といえるが、世界限定2025本となっている点には留意したい。

価格: 46万8600円(税込)、ストラップ仕様
詳細はロンジン公式サイトから。


ブレゲ クラシック 7145 巳年限定

 最後に紹介するのは、まさに圧倒的な職人技が光るモデル。ブレゲが本気を出せば、時計業界の重鎮たちと肩を並べる実力を持っていることを改めて証明する時計だ。40mmのRGケース(厚さ6.5mm)に収められたこの時計最大の見どころは、何といってもダイヤルにある。まず、ゴールド製のダイヤルにはブレゲの職人が手作業で彫刻を施し、植物のなかをうねる蛇の姿が繊細に描かれている。その後、仕上げとしてダイヤルを洗浄し、ブラックのコーティングを施すことで、陰影を強調して彫刻の立体感を際立たせている。

closeup of breguet with illustration
breguet snake edition laid out on red
caseback shot

 次にアンティークのギヨシェ旋盤を用いて、蛇の鱗や肌の模様が彫り込まれる。さらに仕上げの工程として、ミニアチュールペインティングによる緑の色彩が加えられる。これらはまさに息をのむ美しさだ。ダイヤル上には12個のアプライドインデックスとブレゲのオープンチップ針を配している。ムーブメントにも一切妥協はなく、自社製Cal.502.3は厚さわずか2.4mmの超薄型設計であり、手作業によるギヨシェ装飾が施された22Kゴールド製ローターを搭載している。

 もちろん、これほど手の込んだ仕上げを施した結果、ブレゲはこのモデルをわずか8本限定で製造することとなった。8分の8を手にする幸運なオーナーは誰になるのだろうか? この時計はまさに圧巻の1本であり、もし誰かがホンバオ(紅包)に小切手を入れてくれるなら、ぜひ手に入れたいモデルだ。

価格: 1127万5000円(税込)、ストラップ仕様
詳細はブレゲ公式サイトから。

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