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クイック解説
創業から270年近い歴史を持つメゾンにおいて誕生から6年と比較的新しい「フィフティーシックス」コレクションに、初のブラックダイヤルモデルが加わった。ピンクゴールド(PG)製のケースとインデックス、アンスラサイトのヌバックレザーストラップという組み合わせで、シルバーやブラウンダイヤルが主体のコレクションのなかでは非常にメリハリが効いた顔立ちになっている。
40mm径のケースサイズを含めて、新作のディテールはこれまでのモデルを踏襲している。コレクションの着想源となっている1956年発表のRef.6073にならった特徴的なラグ(マルタ十字の4枝をイメージした形状になっている)や、1930年代から1900年代中ごろにかけて多く見られたセクターダイヤルの意匠もそのままだ。ダイヤルは中央部をオパーリン、チャプターリング部をサンバーストに仕上げわけることで、ブラックトーンのなかに立体感を演出。アラビア数字と交互に配されたバーインデックスと針には夜光塗料が塗布されており、リューズを保護するようにアシンメトリーになったケースとともに若干のカジュアルさをプラスしている。
価格は公開されていないが、「フィフティーシックス・オートマティック」のPG製シルバートーンダイヤルモデル Ref.4600E/000R-B441が378万4000円(税込)であることを考えると、これに近いプライシングになるだろうと推測している。発売は2024年12月を予定。
ファースト・インプレッション
「フィフティーシックス」は3大雲上ブランドの時計としては(比較的)カジュアルな価格で展開されているコレクションで、記事執筆現在ではステンレススティール(SS)製ケースで3針のアリゲーターレザーストラップモデルを189万2000円(税込)で手に入れることができる。SSモデルでも「オーヴァーシーズ」などはその倍近い価格からの展開であると考えると、2018年の登場当時、「フィフティーシックス」が若い時計愛好家に対してメゾンの門戸を広げる存在となったであろうことは想像に難くない。
そんなエントリーモデルに位置するコレクションだからこそだろうか、「フィフティーシックス」はモダンさとクラシカルさ、カジュアルさとドレッシーさの中庸を狙ったような幅広い層に受け入れられるデザインとなっている(2022年にジェームズが書いたEntry Levelの記事も参照して欲しい)。それにも関わらず、なじみ深いカラーセットであるPG製ケース×ブラックダイヤルがこれまでなかったのは単純に意外だったし、今回満を辞してラインナップに加わるのは喜ばしいことだ。
PGケース×シルバートーンダイヤルと並び、本機は「フィフティーシックス・オートマティック」のなかではドレス感が強いエレガントな取り合わせだ。しかしながら、やや起毛感のあるヌバックレザーストラップによってもう1段カジュアルダウンして見える。またストラップのアンスラサイトカラーはコントラストの強い時計本体の主張を程よく和らげており、フォーマルな場だけではなくデイリーに使いたくなる汎用性の高さも生み出している。もちろん従来モデルにも見られるアリゲーターレザーストラップに付け替えれば、ドレスアップした装いにもスッと溶け込んでくれるはずだ。ちなみにこれまでのモデルも同様に、このヌバックレザーストラップを取り付けることでまた違った表情を見せてくれる可能性を秘めている。定番色の追加となった今回の新作だが、個人的にこのストラップは「フィフティーシックス」コレクションにおける新たな提案になっていると思う。
基本情報
ブランド: ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)
モデル名:フィフティーシックス・オートマティック
型番:4600E/000R-H101
直径: 40mm
厚さ: 9.6mm
ケース素材: 18KPG
文字盤色: 中央部はオパーリン仕上げ、チャプターリングにはサンバースト仕上げを施したブラックダイヤル
インデックス: 18KPG製、アプライド
夜光: あり
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット:アンスラサイトのヌバックカーフスキンレザー、カーフスキンのライニングとクリーム色のステッチ
ムーブメント情報
キャリバー: 1326
機能: 時・分・秒表示、デイト表示
直径: 26.2mm
厚さ: 4.3mm
パワーリザーブ: 約48時間
巻き上げ方式: 機械式自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
価格 & 発売時期
価格: 要問い合わせ
発売時期: 2024年12月
限定:なし
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