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先日、『マトリックス レザレクションズ(The Matrix: Resurrections)』のUSプレミアが行われた。キアヌ・リーブス演じるネオが再びスクリーンに登場するマトリックスシリーズの第4弾だ。私はサンフランシスコでこのイベントに参加することができた。アフターパーティでは湾岸に花火が打ち上げられ、リーブス本人、キャリー・アン・モス、ニール・パトリック・ハリス、ジョナサン・グロフ、ヤーヤ・アブドゥル・マティーン2世など、豪華な面々が出席した。ラナ・ウォシャウスキー監督は、非常にデコラティブな歴史的建造物であるカストロ劇場の正面ステージで本作を紹介した。このイベントのためにストリート全体が封鎖され、建物にはグリーンのマトリックスコードの映像が映し出された。
幕が上がりスクリーンが現れ、映画が始まった。ここでネタバレはしないが、言いたいのは......見て欲しいということだ。アクション満載で、マトリックス神話を満足させる(決して絶対ということはないのだが)完結編として、ハードコアなファンにも、そうでもないファンにも同様に魅力的だと思う。 もちろん、私がこの映画を見るからには、時計学的な理由も必要になる。そして、そのとおり。2本の時計 - いずれもハミルトンのもの - が、この映画に関係しているのだ。ひとつは(控えめに言っても)プロモーション用タイアップで、もうひとつは文字どおり映画に深く関係している。
まずは前者から。予想だにしなかった時計だが、(現実の世界でもデジタルの世界でも)あらゆる面で納得できる時計だ。2週間前、まるで空中から降ってきたかのように、ハミルトンはそのよく知られた映画の遺産にしっかりと組み込めるような新作を送り出した。映画『マトリックス レザレクションズ』とタイアップした、PSR MTX(子音が多い)という限定モデルを発表したのだ。昨年発売されたハミルトンのモダンなパルサー(商標登録のために、現在はPSRと呼ばれている)の流れをくむこの新作は、ケースをブラックに、LED表示をグリーンに変更している。そして、まだご存知ない方もいるかもしれないが、MTXはマトリックスの略...つまり、この映画だ。
もちろん、映画と連動したイースターエッグのような派手さもあるが、ケースとスクリーンに施された新しい色使いが、この時計の主役となっている。ケースとブレスレットはレギュラーモデルと同じくスティール製だが、どちらもブラックPVDコーティングが施され、マットでサテン仕上げのような、ほとんど未来的な質感を生み出している。
前述のとおりこの時計は限定品だが、1999本という非常に特異な本数だ。2000本に1本足りないとは、奇妙な選択だと思われるだろう。しかし、マトリックス・マニアなら、この数字がオリジナル映画の公開年である1999年にちなんでいることに気づくだろう。この時計自体は映画に登場せず、むしろ記念の品であることは注目に値する。
『マトリックス』の第1作に登場する有名な言葉があるが、それがネオと仲間たちの架空の世界と同様に、この時計の世界にも当てはまると私は常に思っている。モーフィアスのセリフで、「You Take The Red Pill - You Stay In Wonderland, and I Show You How Deep The Rabbit Hole Goes(赤い錠剤を飲めば、不思議の国に行く。別世界の深さを教えてやる)」というのがある。それはまるでHODINKEEで我々が経験していることのようだ。我々は時計界のマトリックスだ。錠剤はないけれど。
ハミルトンは映画の世界に深く浸透しているので、今回のリリースにショックは受けない。昨年、私はクリストファー・ノーラン監督の映画『テネット』に登場するハミルトンの時計に触れた。その違いは、それらの時計が映画のために特別に作られ、作品に登場したのに対し、この時計は純粋に映画からインスピレーションを受けたものだということだ。
しかしもちろん、それ以上に深い意味がある。ハミルトンのインターナショナルCEOであるビビアン・スタウファー氏は、ブランドの最近のリリースでこのアイデアに取り組み、「PSR MTXは『マトリックス レザレクションズ』で着用されていませんが、世界初のデジタル時計の物語と『マトリックス』におけるデジタル世界とのあいだにとても明確な関連性があると思っています」と述べている。
PSR(正確にはオリジナルのパルサー)には、映画的な素質もある。映画『007/死ぬのは奴らだ(Live And Let Die)』でロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた際に、英国MI6のあるエージェントの腕に装着されていたのだ。マトリックスとのタイアップであろうとなかろうと、この時計はとにかくクールだ。時計全体をほぼブラックにし、鮮やかなグリーンのディスプレイを採用したのは、デザイン的に当然の選択と言えるだろう。私は、通常生産モデルの赤よりもグリーンの方が読みやすいと言いたいし、この時計がとても好きだ。
ケースバックに施された、アイコニックなマトリックスのタイポグラフィもいい。限定品であることに加え、各時計のケースバックにはシリアルナンバーが刻まれている。マトリックスらしい文字列のなかから見つけるのは難しいかもしれないが、ちゃんとある。この時計に対する購入者の注目度はかなり高かったようで、アメリカでは1週間ほどで完売してしまった。
しかし、それだけではなかった。暗い劇場の銀幕に映し出されたマトリックスのニューフェイス、ヤヒヤ・アブドゥル・マティーン2世は、モーフィアス役として特別なハミルトンのクロノグラフを着用していた。それは、ホワイトのパンダダイヤルのハミルトン イントラマティック オートクロノだ。この時計は、映画の序盤のシーンではっきり確認することができるので、ぜひ注目して欲しい。『マトリックス レザレクションズ』は、12月22日に全世界で公開され、HBOマックスでも放映される予定だ。
ハミルトン アメリカン クラシック PSR MTX デジタルクォーツ:Ref.H52434130 SSケース(ブラックPVD)、40.8×34.7mm、10気圧防水、世界限定1999本、価格:13万2000円(税込)
Live photos, Kasia Milton
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