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Introducing シャネル J12 ダイヤモンドトゥールビヨン シャネル初の自社製フライングトゥールビヨンキャリバーを搭載

“執着”にも似たクリエイティビティへの情熱。

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クイック解説

 シャネルが初の自社製ムーブメントとなるキャリバー 1を搭載したムッシュー ドゥ シャネルを世に送り出したのが2016年。それから8年を経た今年、5番目の自社製ムーブメントにして、初の自社フライングトゥールビヨンムーブメントとなるCal.5を発表した。そしてこのCal.5を載せた新作、J12 ダイヤモンド トゥールビヨンを4月6日に発売する。

 ※シャネルのムーブメントにはJ12に搭載のCal.12.1もあるが、こちらはケニッシ社製のため、数としてはカウントされない。これまでに登場している既存の自社製ムーブメントは以下の4つである。

Cal.1(2016年)

Cal.2(2017年)

Cal.3(2018年)

Cal.3.1(2020年)

 これまで発表されてきた自社製ムーブメントと同様、新開発されたCal.5のデザインはパリのシャネル ウォッチメイキング クリエイション スタジオ ディレクターであるアルノー・シャスタン(Arnaud Chastaingt)氏が担当し、スイスのラ・ショー・ド・フォンのシャネル自社工房(傘下のG&F シャトラン。パーツの一部はローマン・ゴティエ製)で開発と組立が行われる。 

シャネル ウォッチメイキング クリエイション スタジオ ディレクター、アルノー・シャスタン氏

 フライングトゥールビヨンの中央には、0.18ctの大きなダイヤモンドを1粒セット。リューズ、針、そしてトゥールビヨンキャリッジにもダイヤモンドが贅沢にあしらわれ、ブラックのオープンワークダイヤルからダイヤモンドが浮かび上がるかのようにデザインされている。また、ムーブメントの裏側にはシャネルの自社製ムーブメントの証ともなっているライオンのモチーフをあしらう。

H7381

H7380

 ムーブメントは共通だが、J12 ダイヤモンド トゥールビヨンではポリッシュ仕上げのブラックセラミックケースにK18ホワイトゴールドベゼルにバゲットカットダイヤモンド、K18WGリューズにはブリリアントカットダイヤモンドをセットしたモデル(H7381)と、マット仕上げのブラックセラミックケースにブラック加工を施したSSベゼルにバゲットカット調のマットブラックセラミックリング、同じくブラック加工を施したSSリューズにブリリアントカットダイヤモンドを1個セットしたモデル(H7380)の2バリエーションをラインナップ。それぞれ世界55本限定で、H7381は2244万円、H7380は1243万円(ともに税込)で販売される予定だ。

ファースト・インプレッション

 初の自社製フライングトゥールビヨンムーブメントとなるCal.5を搭載したJ12 ダイヤモンド トゥールビヨンは紛れもないコンプリケーションである。だが、この時計を見て最初に抱いた感情は、コンプリケーション特有の複雑さに対する驚きや興味ではなく「美しく仕上げられた時計」というシンプルなものだった。

 第1作目となるCal.1から続く自社製ムーブメントのデザインコードに則り、新開発されたCal.5においてもムーブメントを構成する各パーツは真円を描くようにレイアウトされ、ダイヤルにおいても円が重なり合うようにデザインされている。また、自社製ムーブメントの各パーツには丁寧な面取りが施され、デザインのみならずその品質においてもシャネルの美に対するこだわりが貫かれている。それはトゥールビヨンにおいても変わらない。その象徴とも言えるのが、フライングトゥールビヨンの中央で煌めきながら回転するソリテール(中央に宝石をひとつセットしたデザインのこと)ダイヤモンドだ。

 この大粒のダイヤモンドを含めたトゥールビヨンキャリッジは78のパーツで構成されており、その重量は約0.581g。加えて、トゥールビヨンキャリッジの中央にセットされているソリテールダイヤモンドは0.18ct、重量に換算すると36mg(0.036g)だという。これまでにもシャネルではトゥールビヨンにダイヤモンドを載せてきたが、Cal.5のソリテールダイヤモンドはこれまでに例のない大きさ(既存のJ12 フライング トゥールビヨン スケルトンもトゥールビヨンキャリッジにダイヤモンドをセットするが粒は小さい)で、このムーブメントのために65のファセットを持つように特別にカットされたものを採用している。アルノー・シャスタン氏はCal.5を載せたJ12 ダイヤモンド トゥールビヨンの発表に際して、コメントを寄せている。以下はその一部を抜粋したものだ。

「……クリエイティブな観点から、トゥールビヨンの中心にダイヤモンドを配していますが、同時にそれは技術的な挑戦でもありました。この作品は伝統に挑んだクリエイションを実現させたシャネルの職人が持つ、極上のサヴォアフェールを体現しています。このサイズのダイヤモンド(0.18ct)を、トゥールビヨンに配することは私にとって“執着”に近い技術的挑戦でした。シャネルのスイスのチームがこのアイデアを見事に形にし、新作のJ12 ダイヤモンド トゥールビヨンに命を吹き込んだのです」

 脱進機、テンプ、ゼンマイをキャリッジに入れて回転させるトゥールビヨン。このキャリッジを規則正しく回転させることで垂直方向の重力を分散させ、姿勢による精度差を相殺して平均精度を得るわけだが、キャリッジが重くなることを避けるのがトゥールビヨンにおける通常の考え方だ。重くなればキャリッジにかかる重力の影響も大きくなり、規則正しく回転させる難易度が上がる。また回転させるために大きなトルクが必要となり精度にも影響する。だからこそ多くの場合はトゥールビヨンキャリッジの軽量化を目指すわけだが、Cal.5ではあえてトゥールビヨンの中心に大きなダイヤモンドをセットした。シャネルにとっては何よりも美の追求が勝るのだ。アルノー氏自らが語るように技術的困難に挑む姿勢には、まさに執着ともいえるような美への情熱が感じられる。

 思えば2000年に誕生したJ12も、高耐性セラミックという新しい素材にプレシャスなイメージを与えるという困難に挑んだコレクションだった。困難をいとわず、すべてはクリエイティブであるため、美を追求するため。それこそがシャネルのウォッチメイキングのあるべき姿なのだと思う。しかし、そんな作り手の思いが感じられるからこそ、多くの人がシャネルの時計に魅了されるのだと思う。

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基本情報

ブランド: シャネル(Chanel)
モデル名: J12 ダイヤモンド トゥールビヨン
型番: H7381、H7380

直径: 38mm
ケース素材: 高耐性ブラックセラミック。H7381は18Kホワイトゴールド製ベゼルに34個のバゲットカットダイヤモンド(計3.5ct)、18KWG製リューズにブリリアントカットダイヤモンド(0.15ct)をセット。H7380はブラック加工を施したステンレススティールベゼルにバゲットカット調のセラミックリング、ブラック加工SS製リューズにブリリアントカットダイヤモンド(0.15ct)をセット
文字盤色: オープンワークダイヤル。18KWG製の針に22個のブリリアントカットダイヤモンド(0.02ct)をセット。
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: 高耐性ブラックセラミックブレスレット。H7381は18KWG製、H7380はSS製の3重折りたたみ式クラスプ


ムーブメント情報

キャリバー: 5(自社製)
機構: 時・分表示、フライングトゥールビヨン
直径: 28.4mm
厚さ: 6.25mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 29
追加情報: トゥールビヨンキャリッジに26個のブリリアントカットダイヤモンド(0.06ct)と0.18ctのダイヤモンドをセット


価格 & 発売時期

価格: H7381は2244万円、H7380は1243万円(ともに税込)
発売時期: 2022年4月6日予定
限定: あり。ともに世界55本限定

詳細は、シャネル公式サイトをクリック。