Introducing A.ランゲ&ゾーネ　グランド・ランゲ1、最も過小評価されている時計のひとつを改良した新作

　アップデートされたグランド・ランゲ1は、2013年から同コレクションで採用されている手巻きムーブメント、Cal.L095.1を搭載している。スタンダードのランゲ1ではふたつあった主ゼンマイをシングルバレルへと変更し、直径を大きくしたことで72時間のパワーリザーブを可能にした。

　グランド・ランゲ1は、オリジナルの影が薄いと表現するのが妥当だろう。しかし、そうであってはならないのだ。グランド・ランゲ1は、ランゲ1コレクションのよさをそのままに、やや大型化したモデルなのだ。直径が大きくなったことで、オフセンターに配置された時刻表示に余裕が生まれた一方、厚さが抑えられたことでコンパクトでプロポーションに優れた装着性を実現した。

　グランド・ランゲ1は、個々のコレクションとしては現在3世代に分けることができる。2003年に、より大きな手首の人向けの大型のランゲ1として、このラインはスタートした。しかし、最初の数本のグランド・ランゲ1は、標準的なランゲ1と同じムーブメントを搭載していたため、ダイヤルのバランスが少しおかしかった。直径が3mmほど大きくなったにもかかわらず、ランゲ1と同じようなプロポーションのダイヤルは、はっきり言って時計に合っていないように見えたのだ。しかし2012年、A.ランゲ&ゾーネがグランド・ランゲ1シリーズのために作られたムーブメントCal.L095.1を供給したことで、この問題は解決された。

　このモデルは、ランゲの特徴であるゴールドに縁取られたアウトサイズデイト、パワーリザーブ表示（アップ/ダウン）、時・分・秒用のややくぼんだインダイヤルなどを備えている。アワーマーカーと針は、それぞれのケース素材に合わせてWGまたはPGを採用。新しくなったのはスリムなケース形状だけだ。

　手首が太く、ランゲ1の38.5mm径が小さく感じられる方は特にそうだろう。もし、そう思うなら、グランド・ランゲ1はプロポーションとフィット感を犠牲にしない価値ある選択肢だ。38mmの時計でも問題はないが、普段使いには40mm前後の時計の方が絶対にいい。日常生活を送るなかで、少し余分な重さが手首に心地よく感じられる。

　もし私が新しいランゲ1を買うとしたら、どちらかに決める前に両方のサイズにじっくりと試したいというのが本音だ。ドレスに近いというランゲ1の性格上、小さい方を選ぶかもしれないが、それはそれで仕方ないだろう。ランゲ1のプロポーションに磨きをかけるのは難しいが、8.1mmの薄さを実現した新しいグランド・ランゲ1は、それを可能にするかもしれない。

ブランド： A.ランゲ&ゾーネ（A. Lange & Söhne）
モデル名： グランド・ランゲ1（Grand Lange 1）
型番： 137.038（ホワイトゴールド）、137.033（ピンクゴールド）

直径： 41mm
厚さ： 8.2mm
ケース素材： 18Kホワイトゴールドまたはピンクゴールド
文字盤色： 銀無垢、グレー
インデックス： アプライド
夜光： なし
ストラップ/ブレスレット： ハンドステッチ仕上げのレザーストラップ（ブラックまたはレディッシュブラウン）

キャリバー： L095.1
機能： 時、分、スモールセコンド、パワーリザーブインジケーター、ランゲ・アウトサイズデイト表示
直径： 34.1mm
厚さ： 4.7mm
パワーリザーブ： 72時間
巻き上げ方式： 手巻き
振動数： 2万1600振動/時（3Hz）
石数： 42
クロノメーター認定： なし
追加情報： 5姿勢調整、素材の特性を生かしたジャーマンシルバー製のプレートとブリッジ、手作業でエングレービングされたテンプ受け、耐震機構付きチラネジテンプ、自社製ヒゲゼンマイ、アウトサイズデイトを素早く修正するためのワンタッチ調整ボタン

価格： 589万6000円（税込）
発売時期： 2022年5月予定
限定： なし。通常ライン

詳細は、A.ランゲ&ゾーネ公式サイトをクリック。