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我々が知っていること
グランドセイコーは今日、ダイバーズウォッチをアップデートした。2020年の700本限定モデルSLGA001でデビューして以来、スプリングドライブ Cal.9RA5を初めて通常生産のダイバーズウォッチに追加。新作のスプリングドライブダイバーズウォッチ SLGA015は、グランドセイコーオリジナルのオールタイムクラシック 44GSのプロファイルを拡張した、グランドセイコーの新しいフォームファクター“エボリューション 9”を採用した高輝度チタンケースを搭載している。ダイヤルは日本から太平洋に流れる黒潮をイメージした“ブラックストリーム”と呼ばれるものだ。価格は137万5000円(税込)。8月からグランドセイコーブティックおよび販売店で発売される。
スプリングドライブダイバーは、10年以上にわたってグランドセイコーのスポーツコレクションの中核を担ってきた。2017年にグランドセイコーとセイコーが公式に分かれるまでは、スティールの「SBGA029」とチタンの「SBGA031」と呼ばれるペアだったが、このコンビは「SBGA229」と「SBGA231」と改名されたのであった。長いあいだ、グランドセイコーのドレスとそれに隣接する大きなカタログのなかで、目立たないが信頼できるペアであった。しかし、グランドセイコーのスプリングドライブダイバーズウォッチは、その長い生産期間にもかかわらず、多くの時計コレクターにとって、やや目立たない存在であったと認めるのが妥当であろう(コール・ペニントンの飽和潜水体験レポート「グランドセイコー SBGH255とともに飽和潜水に挑み、水中で一夜を過ごした週末」も必見だ)。
つまり、まったく新しいタイプのスプリングドライブムーブメントであるCal.9RA5の最初の搭載機として2020年にSLGA001が選ばれるまでは、だ。しかし、SLGA001の最初の興奮と盛り上がりが徐々に薄れ、最終的に完売したあとは、すっかり静かになった。グランドセイコーでスプリングドライブ Cal.9RA5がいつ量産ダイバーズウォッチに展開されるのか、それに関する最新情報は一切なかったのだ。
さて、ようやくベールを脱いだ。SLGA015は、これまで見たどのグランドセイコーのスプリングドライブダイバーよりも小さく、薄く、そして(私の意見では)より魅力的だ。43.8mm×13.8mmと、一部の人が待ち望んでいた40mm以下のグランドセイコーダイバーズウォッチとまではいかないが、新しいエボリューション 9のケースデザインにより、SLGA001の46.9mmサイズやSBGA461およびSBGA463(2021年後半に229/231に静かに取って代わり、ISO規格に合わせるためにケースとダイヤルが少し調整されて再形成された)よりも身につけやすくなっているのは間違いないだろう。
また、グランドセイコーが現在提供しているムーブメントのなかで、最も技術的におもしろく、魅力的なCal.9RA5を搭載し、スプリングドライブの特徴であり魅力でもあるシームレスで滑らかなスイープ運針、そしてグランドセイコーが誇る月差±10秒の精度に加えて、120時間(5日間)という驚異的な駆動時間を実現している。
グランドセイコーの新作は、137万5000円(税込)。SS製ブラックダイヤルのロレックス サブマリーナー デイト Ref.126610LN(税込111万8700円)やブルーダイヤルを備えたチタン製のブランパン フィフティ ファゾムスのブレスレット仕様(税込214万5000円)など、スイスの正統派ダイバーウォッチの激戦区に身を置くこととなった。SLGA015は、そのルックス、技術、そして装着性の観点から、これらの時計に匹敵するものだ。競合製品は、ほかにもパネライ、グラスヒュッテ・オリジナル、そして新しいオメガのプラネットオーシャン ウルトラディープなどがある。
SLGA015が本格的な量産体制に入ったことで、コレクターがどのような反応を示すのか、興味深いところだ。彼らは自分の財布の紐を緩めるだろうか? 137万5000円という価格は、たとえ2020年のSLGA001限定モデルの126万5000円から11万円増えただけだとしても、それははした金ではないのだ。
我々が思うこと
初代SBGA021を初めて手にしたとき、私はまだ時計の世界に足を踏み入れたばかりだった。正確なことは言えないが、その時計を数日間つけまわしたことで、がっしりとしたファンキーなダイバーズウォッチへの理解が深まったことは確かだ(もちろん、スプリングドライブを搭載したセンターセコンド針の美しいスイープに惚れ込んでいることは言うまでもない)。誤解を恐れずに言えば、グランドセイコーのダイバーズウォッチは、ザラツ研磨のケース、ダイヤモンドポリッシュの針やインデックスなど、ダイバーズウォッチのあるべき姿を非常に洗練された形で表現している。しかも、これらの時計が持つ道具的な性格を否定するものでもない。
新しいSLGA015でも、その二律背反は続く。少しこの時計を使ってみただけでも、絶対的な操作性を備え、市場にあるあらゆるダイバーズウォッチのなかで最もきれいなベゼルアクションを実現していることが確認できた。スプリングドライブを高く評価するムーブメントマニアとして、私はCal.9RA5が継続的に実装されることを嬉しく思う。デビューからもう少し早く、パワーリザーブ表示がケースバックに移されたCal.9RA2に進化していればよかったのだが、SLGA015を手にした今となっては文句のつけようがない。
しかし、SLGA015には、スタンダードなスポーツコレクションに見られるような、SSの同胞が現れることを期待したい。ブリリアントハードチタンは、316Lよりも手間のかかるおもしろい金属であり、最近のグランドセイコーにとってより身近な存在であることはよく承知している。私はまた、その軽量化はおそらくSSの重さのために選択肢から外されていたような潜在的な購買層にも響くだろうと思う。
しかし、SLGA015のような大型のダイバーズウォッチになると、SSの冷たさや密度が肌に伝わってくるようで、何か気持ちいいのだ。グランドセイコーのブリリアントハードチタンの時計にはいつも感心させられるが、手にするとまるでおもちゃのように感じてしまうことがあるのもまた事実だ。
2022年、そして今週のWatches & Wondersで、グランドセイコーはすでに多くのものを私たちに与えてくれた。それでも私は、Cal.9RA5を今後多くの時計に搭載して欲しいということ、そしてグランドセイコーの最高級ダイバーズウォッチに位置づけるSLGA015のSS製の兄弟機をリリースしてほしいという私の気持ちを正式に公表したいのだ。
基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: スプリングドライブダイバー(Spring Drive Diver)
型番: SLGA015
直径: 43.8mm
厚さ: 13.8mm
ケース素材: ブリリアントハードチタン
文字盤色: 黒潮のテクスチャが施されたブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、ルミブライト
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: 高輝度チタンブレスレット、プッシュボタンリリース付き3つ折りクラスプ、セキュアロック、エクステンション付き
ムーブメント情報
キャリバー: スプリングドライブ 9RA5
機能: 時、分、日付、パワーリザーブインジケーター
直径: 34mm
厚さ: 5mm
パワーリザーブ: 120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
石数: 38
クロノメーター認定: なし
追加情報: マジックレバー巻上げ方式、精度:±10秒/月、耐磁性能:4800A/m
価格 & 発売時期
価格: 137万5000円(税込)
発売時期: 2022年7月8日から、グランドセイコーブティックおよび一部のグランドセイコー販売パートナーにて発売
限定: なし。通常ライン
All images by Tiffany Wade
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