trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing クッサン ドゥ カルティエ まるで本物のクッションのようなカルティエの新作

本物のクッションのようにフカフカした新作? ジョークではなくマジなのだ。

ADVERTISEMENT
我々が知っていること

HODINKEEでは、カルティエは高級時計のデザイナー兼メーカーであると考えがちだが、実はカルティエがジュエラーでもあり、世界に冠たるオートジョワイヤリーhaute joaillerie dans le monde‐フランス語にするだけでオシャレな響きだ)の老舗中の老舗に他ならないことを改めて認識している。そのため、このふたつの領域が重なり合うことは多く、その代表格がこの“クッサン”コレクションである。

 クッサン("Coussin")とは「従弟」と指すフランス語だが、「クッション」という意味でもあり(なぜフランス語で「いとこ」と「クッション」が同音異義語なのかは、文化人類学者、できればフランス人に任せるのが一番だろう)、実際クッサンはクッションケースを採用している。丸みを帯びた魅力的なフォルムではあるが、少なくともほとんどの場合、時計のケースは硬質な手触りだ。しかし今年、カルティエにはかなり意表を突いた閃きがあったようだ。それは、圧力をかけると…そう、クッションのように変形するクッションケースを採用したのである。

cartier coussin 2022

©Cartier

 本題に入る前に、硬質な貴金属ケースのクッサンも、決して馬鹿にできないものであることを添えておこう。クッサン ドゥ カルティエは全部で4モデルあり、そのうち3モデルは直径30.44/27.13mmという2種類のサイズが展開されていて、いずれもケースには複雑なねじれ面に沿って宝石がセットされている。このうちの2モデルには、今まで見たことがないような手法のジェムセッティングが見られる。宝石(ツァボライト、トルマリン、ダイヤモンドはラージモデルのみ、ダイヤモンドとスピネルはラージ/スモールモデルのいずれも展開)はブリリアントカットでありながら反転してセッティングされているらしいのだ。

cartier coussin tsavorite diamond and sapphire 2022

Iris Velghe © Cartier

 ラウンドブリリアントカットは、1919年にマルセル・トルコフスキーが考案した加工法で、宝石からの光の返りが最大になるよう科学的に計算された最初期の近代的なカット法だ。通常、平らな“テーブル”が上部に、尖った“パビリオン”はセッティングの内側にあたる下部にセットされる。しかし、このふたつのモデルには、ブリリアントカットの宝石の配置を逆転させ、パビリオンを上部に配置したもので、私の目にはとても大胆に映る-私は実際に実物を見るのを大変楽しみしている。なぜなら、このレイアウトはブリリアントカットの常識を根底から覆すように思えるからである。しかしカルティエのことだ、何か狙いがあるに違いない。

coussin flexible case models

今回の主役。フカフカしたクッションケースを備える。Iris Velghe © Cartier

 しかし、本当に話題になりそうなのは、フレキシブルクッションケースを採用したふたつのモデルだ。39.3mm×13.60mmと、ラージサイズの時計でひとつはWG製、ケースとダイヤルに1011個のブリリアントカットダイヤモンドがセットされている。もうひとつは、ブリリアントカットのエメラルド、サファイア(カルティエによれば536個)、ツァボライト、トルマリンがセットされている。どちらも20本限定生産だ。ムーブメントを収めるインナーケースは硬質だが、アウターケースは柔軟なメッシュ状のWG製を用いて、そのなかに宝石がセットされている。ここジュネーブで先ほど触る機会が得たが、大理石像の手を握り締めるように、温かくてしなるような不思議な感覚を覚えた。

我々が思うこと

これは最高に素晴らしい作品だと思う。クッションのような感触を持つクッションケースというアイデアそのものが機知に富んだものであり(残念ながら、ラグジュアリー界はこの機知とユーモアに欠ける面がある)、硬質な貴金属ケースにしても抜かりはない‐ブリリアントカットの宝石を反転させるという発想を、カルティエのデザイナーがなぜ思いついたのか定かではないが、他では見たことがないような(文字通り)トゲトゲしい輝きをケースに与えている。

coussin white gold and white diamonds

Iris Velghe © CartierIris Velghe © Cartier

 フレキシブルケースのモデルは遊び心のある奇抜さを感じさせるが、カルティエの時計作りによく見られるように、一見したところではわからないほど洗練された技術的な要素が隠されている。WGのメッシュは、技術的な面白さだけでなく、非常にじーんわりと優れた触感で楽しむことができる。

cartier coussin wrist shot

Matthieu Lavanchy © Cartier

 全モデルが小粋に仕上がっている‐もちろん、フレキシブルケースを採用したクッサンこそが主役で、その触感はパーティトリックのようなものだが、それ以外のモデルにもそれぞれの魅力がある。カルティエは、ケースデザインや宝石のセッティングにこれほど楽しい革新を起こさなくても、クッサンの時計をたくさん売ることができただろうが、私は敢えて挑戦した彼らを称賛したいし、“柔らかい”クッサンを恐るおそる突っつくという体験は、これまで見た展示会やどこにおいても最高に楽しい瞬間だった。

クッサン ドゥ カルティエ:WGもしくは、YGモデル。30.44mm×33.78mm×7.08mmのWGモデル 価格:633万6000円、または27.13mm×27.66mm×7.02mmのやや小ぶりなモデル 価格:493万6800円。ブリリアントカットダイヤモンドとブラックスピネルを使用。クォーツムーブメント、各50のシリアルナンバー入り。30.44mm×33.78mm×7.08mmYGモデル 価格:706万2000円、ツァボライト、ダイヤモンド、トルマリンをセット。クォーツムーブメント、各30シリアルナンバー入り。

クッサン ドゥ カルティエ シングルカラーモデル:ケース、WGもしくはRG、30.44mm×33.78mm ×7.08mm、または27.13mm×27.66mm×7.02mmのやや小型のモデル。ブリリアントカットダイヤモンド、クォーツムーブメント。価格 394万6800円(WG、30.44mm×33.78mm ×7.08mm)、366万9600円(YG、30.44mm×33.78mm ×7.08mm)、337万9200円(WG、27.13mm×27.66mm×7.02mm)、314万1600円(YG、27.13mm×27.66mm×7.02mm

クッサン ドゥ カルティエ フレキシブルケースモデル:WG/WGメッシュ製、39.3mm ×31.9mm×13.60mm。ブリリアントカットダイヤモンドをセッティングしたモデル 価格:891万円/ツァボライト、エメラルド、トルマリンをセッティングしたモデル 価格:844万8000円。クォーツムーブメント、両モデルとも20本限定。

すべて税込予価

Shop This Story

カルティエの新作については公式Webサイトをご覧ください。カルティエの中古品/ヴィンテージについてはHODINKEE Shopのカルティエ・コレクションをご覧ください。