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Breaking News パテック フィリップ 5270T-010 チタン製のユニークピースを発表(編集部独占撮り下ろし)

パテックコレクターの心を揺さぶるふたつの言葉。つまり、「チタン製」と「ユニークピース」。


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オークションのシーズンは何が出てくるかわからない。先ほど、フィリップスのチームがBacs & Russoと共同で、2022年11月7日に年2回開催されるチルドレン・アクションガラで競売にかけられるパテック フィリップの永久カレンダー クロノグラフRef.5270の非常に特別な一点物を私に見せてくれた。

 問題の時計は、パテック フィリップのパーペチュアルカレンダークロノグラフの現在のフラッグシップ機で、チタン製のケース(!)とエメラルドグリーンのサンバースト文字盤(!)を備えたユニークなひと品だ。この時計は、ジュネーブ郊外のホテル・ラ・レゼルヴで開催されるフィリップス・ジュネーブ・ウォッチ・オークションXVのプレビュー期間中、数日間だけ展示される予定である。

Patek Philippe Ref. 5270T-010 Perpetual Calendar Chronograph

 この時計がなぜ特別なのか、それはケース素材にある。パテック フィリップが腕時計の素材として軽量なチタンを採用することはほとんどなく、長年にわたって数回行われたのは、通常、オンリーウォッチなどのチャリティーオークションのためだった。2014年にサザビーズで落札されたチタン製のスカイムーン・トゥールビヨンがあり、2013年には5004、2017年には5208T-010のチタンバージョンがそれぞれオンリーウォッチで高値をつけたことを覚えている人もいらっしゃるだろう。また、チタン製のパテック フィリップのカラトラバ・トラベルタイム5524は、チルドレン・アクションのために販売された。しかし、5270がチタン製のケースになるのは、今回がまさに初めてだ。

 さらに、世界初のグリーンダイヤルを採用し、チルドレン・アクションでオークションにかけられるということで、オークションに出品されれば、大きな注目を集める(そして大きな金額が動く)はずの時計である。

 1994年、スイスの実業家ベルナール・サブリエ氏は、世界中の貧しい子供たちの生活を改善するためのチャリティー団体「チルドレン・アクション」を設立した。2年に一度、このチャリティーはガラを開催し、その様々な活動を支援するための小さな品々をオークションでの競りが行われる。ガラでは、オークションが行われることもあれば、行われないこともある(先に公開したジュネーブ・ウォッチ・オークションXVのカタログのハイライト記事で覚えているかもしれないが、フィリップスは、チルドレン・アクションのために2005年に販売されたユニークピースのF.P.ジュルヌ オクタ ゾディアックをオークションにかける予定だ)。ここで注目すべきは、フィリップスは11月にチルドレン・アクションのオークションを開催しないが、この時計は今日から5月8日まで開催されるフィリップス・ジュネーブ・ウォッチ・オークションXVのプレビューで展示される予定だということ。フィリップス時計部門のマスターオークショニア兼興行主であるオーレル・バックス氏が、サブリエ氏によってチャリティオークションの責任者に選ばれたのだ。

Patek Philippe 5270T-001 Titanium Unique Piece Children's Action

 「この世界には、医療や教育を必要としている子どもたちがいます」と今日の午後、バックス氏は私に時計をプレゼンしながら、こう言った。「私たち皆が集まって、よい行いをするために一定の資金を作ることができれば、これほど美しいことはありません。(ティエリー)スターン氏は、この時計がどのような記録を打ち立てたのか、あるいは打ち立てなかったのか、私とあなたで推測するしかないような時計を作りました。素晴らしいことです」。

 もちろん、フィリップス自体もチルドレン・アクションとの連携はお手の物で、2018年には、ジョン・ゴールドバーガー氏が以前所有していた「ユニコーン」の異名を持つ超レアなホワイトゴールドのロレックス デイトナ6265を590万ドルで売却し、ステンレススティール製のA.ランゲ&ゾーネ ウォルター・ランゲ ユニークピースは852万25ドルという記録的な価格で売却した。

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 この時計の背景については以上だが、このプロジェクトの善意は、時計そのものがコレクターの目を十分に引きつける魅力を持っていなければ意味がない。この時計が優れているのは、実はそこだと思うのだ。

 きっとティファニーブルーの5711の上を行くのは難しいと思うが、5270T-010の新しいエメラルドサンバーストダイヤルは、目を見張るようなソレイユ仕上げで、より注目を集めるかもしれない。ライトグリーンからエレクトリックカラー、さらにはターコイズやティールといった彩度の高い色調まで、光の加減でさまざまに変化する色調に私も目を奪われた。

 昨年リリースされたノーチラス 5711/1A-014のオリーブグリーンや、先日Watches & Wonders Geneva 2022で見たプラチナ製の5270に使われていた濃い色合いのグリーンとはまったく異なるものであることを、ここで記しておく。鏡面仕上げが施されたケースは、素材以外はこれまでの5270のエディションと形状も構造も同じものだ。最後に、本日早朝に時計を見た際に撮影した画像では判別しにくいのだが、サファイアクリスタルのケースバックには「Children Action 2022」と書かれた金属製の文字が刻印されている。

 時計はときに、ただの時計だ。しかし、時計がチャリティーによって人生を変えることができる場合もある。このパテック フィリップのユニークピースの販売から得られる収益は、世界中の子どもたちの人生に忘れがたい足跡を残すことになる、もうひとつの貴重な機会なのである。

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パテック フィリップ 5270T-001の詳細については、オンラインでご確認ください。この時計は、今日から5月8日までホテル・ラ・レゼルブで開催されるフィリップス・ジュネーブ・ウォッチ・オークションXVのプレビューで展示されます。