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Hands-On ハミルトン 70年代を表現した最新のメカ クロノグラフを実機レビュー

しかし、この時計はディスコではなくコックピットのために作られたものだ。


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近年、ハミルトンはヴィンテージ風の外観と手巻きメカニカルの心臓部を備えた手ごろな価格の時計を生産し、その名を轟かせてきた。カーキ フィールド メカニカルは現在、基本的に事実上のエントリーレベルの機械式時計である。ミリタリーウォッチにインスパイアされた美学が魅力的で、500ドル以下という価格は財布に優しい。これまで何度この時計を取り上げ、Editor's PicksやThree on Threeで推奨してきたか、数えきれないほどだ。

 その後、このブランドはパイロット パイオニア コレクションを通じて、手巻きと自動巻きの両方で、ヴィンテージとモダンを融合させた時計づくりに取り組んできた。

Hamilton Chrono

 今月初め、ハミルトンはカーキ パイロット パイオニア メカ クロノグラフを発表した。このモデルは、カーキ アビエーション パイロット パイオニアなどの最近のリリースに続くモデルだ。38mmの薄型で、より洗練された航空時代を彷彿とさせるこの時計は、別の意味でよりグルーヴィーな方向性を持っている。

 今回紹介するのは、1970年代にイギリス王立空軍(RAF)に支給されていたハミルトンのパイロットウォッチを再現したものだ。重厚なケース、シボ加工を施したダイヤル、ラッカー仕上げの針、シンプルな2レジスター表示など、ラギッドな魅力に溢れた1本だ。60時間のパワーリザーブ、シリコン製ヒゲゼンマイを採用したハミルトンの機械式クロノグラフムーブメント H-51-Siを搭載し、この時計のインスピレーション源である真のヴィンテージモデルに見られるバルジュー7733ムーブメントを現代的にアップグレードしている。

Hamilton Chrono
Hamilton Chrono caseback
Hamilton Chrono buckle

 実機を手に取り、この歴史的なモデルについてよく見てみると、ふたつのことがわかった。まず、オリジナルモデルより1mm半ほど大きく(旧モデルは38.5mm、新モデルは40mm)、少なくとも見た目は以前より少し分厚いということ。私は時計の厚さには否定的だが、ある種の時計はより厚いデザインによって魅力を増し、逆に薄くすることで意図した効果が失われることもあると考えている。

 この新しいカーキ パイロット パイオニア メカ クロノグラフは、まさに不屈のタイムピースだ。直径と厚さの両方が、パティーナを彷彿とさせる色合いのダイヤルと、22mmのラグ幅にセットされた幅広のダブルピンホールストラップにマッチしている。私の手首のサイズはこのような時計に最適とは言えないかもしれないが、つけてみると、(自惚かもしれないが)とても素敵に見えると思う。手首の感覚はとても独特で、時計というよりまるでツールを装着しているような感覚だ。この時計の雰囲気に合わせて迷彩柄やオリーブ色の服装に着替えたくなる。

Hamilton Chrono on wrist

 ダイヤルはふたつのレジスターのレイアウトにカーキ色の文字と数字を配し、全体的にマットな質感の表面だ。夜光が施されていないものは古びないから、フェイクパティーナと呼ぶのは不適切だろう。ハミルトンのロゴは暗闇で光ることはない。そういえば、ハミルトンは“オールドラジウム”と呼ばれるスーパールミノバを使用することにしたが、私はここにかなり衒学的な理由を感じた。この時計は70年代の時計を擬似的に再現したものだ。当時、特にトリチウムを夜光に使い、ダイヤルにその事実を示すマーキングが施されていた。ラジウムは1968年に使用禁止になっていた。“オールドラジウム”というのは、夜光塗料の名前に過ぎないが、それでも私はこの言葉をユーモラスに感じている。もっとひけらかしていいかもしれない。

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 この時計が持つ最も70年代的な要素は、ケースの形状だと思う。70年代的なトノー型とバレル型の中間を取り入れ、それがクロノグラフ全体のデザインをよりよくするような工夫が施されている。リューズとプッシャーのガードはケースに組み込まれており、プッシャーは短く、アンテナのように見えることはない。特に大型の時計では、この点がいい。

Hamilton Chrono

 手首につけると40mmという数字が示すよりも少し大きく感じるが、これは弱点ではなく長所だと考えている。パイロットウォッチとは、大きくて見やすくあるべきなのだ(この時計は、まさにその通り)。実際のケースはほぼ全面がサテン仕上げで実用性をさらに高め、シンプルなクローズドのケースバックでまとめられている。

Hamilton Chrono

 ハミルトンのパイロット パイオニア コレクションは、私をとてもワクワクさせる。このコレクションには明確なデザイン理念があり、少なくとも私の目にはそう見える。それはバイヤーが何を求めているかということを、ハミルトンが理解しているということだ。カーキ パイロット パイオニア メカは、1000ドルを切る価格帯でありながら、美的感覚に優れたユニークなモデルだった。しかしこのメカ クロノグラフは2000ドル(国内価格26万5100円)という価格設定であり、ハミルトンとしてはかなり高額に思えるかもしれない。しかし、内外装ともに細部にまでこだわったつくりは、価格に見合うだけの価値がある。

 私はHODINKEEの編集者のなかで、テントを張ったり山を登ったりすることが最も苦手な人間だが、この時計を見ていると、野に出たくなったり空に飛び出したくなったりするのだ。

Hamilton Chrono

ハミルトン カーキ パイロット パイオニア メカ クロノグラフ:SS製ケース、100m防水、40mm×14.355mm、ラグ幅22mm、クローズドケースバック。ブラック文字盤、アラビア数字とオールドラジウムスーパールミノバの夜光、ボックス型サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)。ムーブメント、H-51-Si機械式、60時間パワーリザーブ、シリコン製ヒゲゼンマイ。ブラウンレザーストラップ付き。価格、26万5100円(税込)。

Photos by Kasia Milton

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HODINKEEはハミルトンの正規販売店です。この時計とフルコレクションは、こちらからご覧いただけます。ハミルトンウォッチの詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。