タグ・ホイヤー “ダークロード”に着想を得たモナコ スペシャルエディションを実機レビュー trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On タグ・ホイヤー モナコ “ダークロード”は闇の力を支配する

タグ・ホイヤーの新しいアンバサダー、ジェイコブ・エロルディ(Jacob Elordi)とともに、ニックネームの起源について議論した。


Photos by Kasia Milton

今年の夏の初め、モナコで開催された絶大な人気を誇るF1レース、2022年グランプリが開催された。タグ・ホイヤーは、このグランプリを記念して、“ダークロード”と呼ばれるホイヤーのクラシックな傑作ヴィンテージモデル、モナコのスペシャルエディションを発表した。このモデルは、アイコニックなスティール製スクエアケースにブラックPVDコーティングが施されていることからこのニックネームが付けられたが、正式にはF1モナコGPにちなんでタグ・ホイヤー モナコ スペシャルエディションと呼ばれる。しかし、新作発表時の取材で書いたとおり、私はダークロードの呼び名にこだわるつもりだ。

Monaco

 タグのブランドアンバサダーであるマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が3位入賞を果たした今年のグランプリを私も観戦する機会を得た。もちろん彼は、新鮮なダークロードを腕につけて表彰台に立った。しかし、世界で最もクレイジーで豪華な世界でお会いできたのは、彼だけではない。タグ・ホイヤーは、時計の発表と同時に、パトリック・デンプシー(Patrick Dempsey)やライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)に続く、新たなアンバサダーも発表したのだ。

 新しいアンバサダーで米ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』のスター、ジェイコブ・エロルディは、パッチだらけのスティーブ・マックイーン風の白いレザーレーシングジャケットをまとい、新しいブランドでの初イベントを最大限に盛り上げた。レース会場から船でほんの少し離れた地中海に浮かぶヨットの上で、私は彼に会った。エロルディはトランプで遊んでいた。一体、何が起きているのだろうか?

Jacon Elordi

モナコのヨットより、新作“ダークロード”を着用したジェイコブ・エロルディ。Photo courtesy, TAG Heuer

 「トランプは理解できないからずっと嫌いでした」と、海を見下ろす窓際の席でエロルディは言った。「今は、カードの扱い方を知らなければならない映画に出演することになったので、役作りでギャンブルを学ぼうとしているんですよ」。

 その話が終わると、今度は時計に目を向けた。驚いたことに、先日発表されたばかりの“ダークロード”を着用していたエロルディが、さっそくモナコについて、そして初めてブランドアンバサダーになった心境を語ってくれた。

Dark Lord

 「モナコのおもしろいところは、時計がまだ売れていないときにスティーブ・マックイーンが6、7本もらったことですね」と、エロルディは語る(トランプは今はサイドテーブルそばに置いてある)。「これをつけて映画に出てくださいと言われ、彼がそれを身につけるや、完売したという話があります。僕にそんな魅力があるとは思えませんが、世代や観客に語りかける力、それがアンバサダーとしての心意気だと考えています」。

 もちろん、話の途中、時折、彼の腕にあるDLCコーティングのアイコニックなモナコを覗き込まずにはいられなかった。この時計を実際に見たのは初めてだったので、帰国してからじっくりと時間をかけて見る必要があると思っていた……そして実際にその機会を得たのだ。

 この時計で最も興味深いと感じたのは、その軽さだ。ケースはグレード5のチタンを使用し、DLCコーティングを施すことで黒の美しさを表現している。ケース径は39mmだが、実際に手にしてみるとかなり大きく見え、人によっては手首に合わない可能性もある。しかし同時にモナコのような真四角の時計が欲しい人ならそのよさがわかるだろう。

 この点については、エロルディの「かなり大きな時計ですが、私は何にでも合わせる方法を見つけています」という言葉が印象的だった。そういう心意気を私は聞きたかったのだ。

Dark Lord

 タグ・ホイヤーは、ハードコアなホイヤーファンが求めるオールブラックの魅力を損なうことなく、ルックスの面でも多くの色や質感を盛り込んだ。最初の記事で述べたように、ダイヤルのデザインはこの時計を復刻版からオマージュ版へと変貌させている。この時計を実際に目にしたとき、その思いは確信に変わった。ダイヤル外周のグレイン加工とローズゴールドのアクセントが、この時計をモダンな時計へと昇華させている。コンセプトはダークロードだが、ブランドとして差別化を図ったモデルなのだ。

 「マットな黒とローズゴールドの組み合わせは、とてもクールですよね。オリジナルはかなりスポーティですが、この時計はちょっとファンシーなところがあります」とエロルディは語る。

Dark Lord

 これ以上ないくらい的確な表現だ。タグがこの時計を通常生産ではなく、スペシャルエディションにした理由は、この時計独特のファンシーさにあると思っている。そして、いずれ完全復刻モデルがリリースされても不思議はないだろう。

 「このモデルは、オリジナルの時計が何であったかを物語っていると思います」とエロルディ。「エッジが効いていて、ダークロードには反抗的でありながら上品さをも感じさせますね」。

Dark Lord

 この時計は、それ自体が特別なのだ。最も重要なF1レースを、地球上で最も豪華な場所で祝い、なおかつダークな鋭さを保つ。このような時計には、自由なきらめくローズゴールドのアクセントこそふさわしい(ホイヤー02 オートマティックのシースルーバックにも施される)。

 結局のところ、この新作が独自のアイデンティティとスタイルを持っていたとしても、私はまだダークロードを別格だと考えている。ルーツはそこにあるのだ。では、私にとってのダークロードとは何だろうか? まあ、これは議論の分かれるところだろう。でも、ダークロードと聞いて、この時計を見ると、浮かぶイメージはひとつだけ。シスの暗黒卿、ダース・ベイダーだ。しかし、議論は尽きない。

Dark Lord

 「闇の帝王といえば、ハリー・ポッターのヴォルデモート、つまり名前を口にしてはいけない人物を思い浮かべますね」。

 お互いの考え方の違いを認め合う対談となった。

Dark Lord on wrist

タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ スペシャルエディション、39mmチタンDLCコーティングケース、ブラックレザーストラップとデプロイヤントクラスプ。ローズゴールドプレートのインデックス、100m防水。ホイヤー 02 自動巻きムーブメント、80時間パワーリザーブ、33石。特別限定モデルで価格は96万8000円(税込)。

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