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クイック解説
ぜひ、今すぐに心のご準備を。なぜならIWCが、過去の遺産であるポルトギーゼ・オートマティックを復活させるからだ。同社はこのアイコンモデルの意匠に、6時位置のスモールセコンドと小さめのケースサイズの両方を登場させた。だが、それだけではない。2020年の新作は、2つの印象的な色味の文字盤をお馴染みの42mmのモデルに追加。より保守的なサイズがお好みでも、最近のポルトギーゼのモダンな仕様でも、IWCはそのどちらにも応えるようである。
新しいポルトギーゼは、それぞれに異なった自社キャリバーを搭載。40mmには自動巻きCal.82200が、42mmには7日巻きのCal.52010が採用されクラシカルなポルトギーゼ・オートマティックの新バージョンとして追加される。
ファースト・インプレッション
1939年は、ハリウッド映画の伝説的な年(「風と共に去りぬ」、「オズの魔法使い」、「駅馬車」、「スミス都へ行く」など)であっただけでなく、IWCの時計デザインにおいても同様だった。この年に発表されたモデルは、ポルトギーゼの多くのアニバーサリーモデルたちに影響を与えたものである。IWC創始者に敬意を評したトゥールビヨン搭載モデルや、150周年記念の8 Daysを覚えている方もいるだろう。どちらもここで再び紹介されるモデルと同様の設計特性を備えていた。
ただし、これらのエディションには1つ注意点があった。それはケースサイズが43mmと大きかったことだ。IWCのヘリテージは、大きな時計という影響が顕著なものの、現在のトレンドはダウンサイジング傾向にある。同社もこの傾向に従い、またクラシックな時計のデザインを維持するため、この40mmモデルを今年導入したのだ。
新作のIWC ポルトギーゼ・オートマティック 40の設計は、1993年に発表されたポルトギーゼのアニバーサリーモデル同様に、6時位置のスモールセコンドを特徴とするポルトギーゼ Ref.325に基づいている。比較的すっきりとした文字盤デザインの本作は、実にバランスが取れていると思う。ポルトギーゼ・オートマティック 40は、少し小ぶりなものを探している人にとって、特に嬉しいモデルだろう。IWCに40mmのポルトギーゼを作って欲しいと思っていた人はきっといるに違いない。
IWCは、ほとんど忠実に再設計したこの時計に、ポルトギーゼのコレクション全体に一致するいくつかの最新アップデートも行った上で市場に投入した。分かりやすい例は、インデックスをプリントからアプライドに変更した点、そして筆記体の"International Watch Co."ロゴとは対象的に、モダンなIWCロゴを採用した点などである。これら全ての調整を、サイズを小さくしながら文字盤上の構成にも意識が向けられたため、全体が上手く仕上っているのだ。
本機には、日付表示もパワーリザーブインジケーターも無い。その両方を入れる十分なスペースがあると思うだろうか。答えはノーだ。しかし、これまでに何度も試みられてきた。さらに42mmのポルトギーゼの長いパワーリザーブと比較して、ポルトギーゼ・オートマティック 40のパワーリザーブが60時間であることを考えると、当然だろう。これらの決断がこの40mmのヴィンテージ復活をもたらしたのだ。これは、ポルトギーゼらしさを全て備えた非常に素晴らしい時計といえる。
40mmのポルトギーゼは完璧かもしれない。IWCは、この時計のメカニズムに関しても何一つ無駄にしておらず、自社製の自動巻きCal.82200を搭載している。前述の通り60時間のパワーリザーブをもち、サイズ感もよりドレスウォッチに近い位置づけのため親しみやすいと思う。ポルトギーゼは、ステートメントウォッチであり、大きなサイズにその個性が支えられているのは間違いないと考えている。それでも、メカニズムとレガシーが注入されたこのデザインによって、新作はとても魅力的に映る。
もちろん、IWCは過去を振り返るだけでなく、現行モデルについても忘れてはならない。42.3mmのポルトギーゼ・オートマティックには、大胆なカラーリングで2つの新色が登場した。スポーツダイヤルを備えたステンレスとゴールドの2本が、お馴染みの既存コレクションに追加されることとなった。3時位置にパワーリザーブインジケーター、9時位置には秒針、6時位置には日付表示がある。大きなケースには、モンスター級の7日間パワーリザーブをもつ、IWCの自社製Cal.52010を搭載している。ゴールドモデルは、海をテーマにしたブルーの文字盤にゴールドメッキの針で、SSモデルは、リッチなバーガンディダイヤルを採用。どちらの文字盤もサンレイ仕上げが輝き、いずれもサントーニ製レザーストラップが装着されている。
IWCによるこれらの新作は、ちょっとノスタルジックさを感じさせつつ親しみやすい風合いに仕上がっており、ポルトギーゼコレクションにエネルギッシュさをもたらしている。ブランドが、どのコレクションであってもお馴染みの定番モデルをサイズダウンするというリスクを取ることはあまりない。しかしIWCは、Ref.325というベースモデルを採用し、現代にぴったりの理想的な時計を設計してきたのだ。スポーティでもありドレッシーでもある、ポルトギーゼ・オートマティック 40は主力モデルとなるだろう。また、ポルトギーゼ・オートマティック 42mmの2つの新色は、独自のレガシーを生み出した時計に豊かなバリエーションを与えている。
基本情報
ブランド: IWC
モデル名: ポルトギーゼ・オートマティック(Portugieser Automatic)
型番:IW358303, IW358304, IW358305, IW358306, IW500713 (ブティック限定), IW500714
直径: ポルトギーゼ・オートマティック 40: 40.4mm / ポルトギーゼ・オートマティック(42mm) : 42.33mm
厚さ: ポルトギーゼ・オートマティック 40: 12.4mm /ポルトギーゼ・オートマティック(42mm) : 14.2mm
ケース素材: ステンレススティール、18Kレッドゴールド
文字盤色: シルバー、ブルー、バーガンディ
インデックス: アラビア数字
夜光: なし
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: アリゲーターストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: ポルトギーゼ・オートマティック 40: IWC自社製Cal. 82200 / ポルトギーゼ・オートマティック (42mm): IWC自社製Cal. 52010
機構: ポルトギーゼ・オートマティック 40: スモールセコンド /ポルトギーゼ・オートマティック (42mm): スモールセコンド、パワーリザーブ、日付表示
パワーリザーブ: ポルトギーゼ・オートマティック 40: 60時間 / ポルトギーゼ・オートマティック (42mm): 7日間
巻き上げ方式: ペラトン自動巻き機構
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 31
クロノメーター認定: なし
その他:秒針ハック機能
価格・発売時期
価格: SSのポルトギーゼ・オートマティック 40 72万5000円、18KRGのポルトギーゼ・オートマティック 172万円、SSのポルトギーゼ・オートマティック 42 133万円、18KRGのポルトギーゼ・オートマティック 42 251万5000円(全て税抜)
販売時期: 発売中
限定: 限定ではない
詳細は、IWC公式サイトをクリック。
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