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リシュモン、スウォッチ グループ、LVMH傘下の時計ブランドを含む主要グループが軒並み値を上げ、2次流通市場が強含んだことで、2025年第4四半期の中古および新古品時計の価格が上昇した。前四半期比での全面的な価格上昇はここ数年で初めてのことだ。投資銀行であるモルガン・スタンレーがWatchChartsのデータをもとに作成したレポートによると、2025年第4四半期の中古時計価格は前四半期比で1.9%上昇し、追跡対象の35ブランド中21ブランドがプラスを記録した。
タグ・ホイヤーからヴァシュロン・コンスタンタン、ロンジン、ブランパンに至るまで幅広いブランドで見られたこの上昇は、3年間続いていた四半期ごとの全面安傾向に歯止めをかけた。しかし上場している主要グループの傘下にあるブランドの上げ幅は比較的小さい。依然として2次流通市場の強さを牽引しているのはロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲといった、いわゆる“ブルーチップ(優良株)”と呼ばれる非上場のグループやブランドだった。またモルガン・スタンレーのレポートによれば、今回見られた中古価格の上昇は大手ブランドによる“強気な”定価の引き上げも反映しているという。価値維持率については、2次流通市場で定価以上で取引され続けているロレックス、パテック、オーデマ ピゲの“ビッグ3”を除けば、依然として大半のブランドで低く、ほかの多くのブランドやモデルは定価に対して30%以上のディスカウント価格で取引されている。
2022年以降のWatchChartsが提供するオーバーオール・マーケット・インデックス(総合市場指数)の四半期ごとの推移。Courtesy WatchCharts and Morgan Stanley Research
モルガン・スタンレーをはじめとする投資アナリストが時計の2次流通市場の価格を追跡するのは、それが消費者、小売業者、代理店におけるブランドやモデルの相対的な強さと価値を示す指標となるからだ。2次流通市場の規模は推定200億〜250億ドル(日本円で約3兆1600億〜3兆9600億円)と、小売市場の半分に満たないものの、リュクスコンサルトでモルガン・スタンレーの時計市場・ブランドレポートへ寄稿するオリバー・ミュラー(Oliver Müller)氏によれば、10年以内には新品の小売売上高を追い越す可能性があるという。
レポートによると、ジュネーブを拠点とするパテック フィリップが前四半期比7.6%増と、四半期で最も高い伸びを記録した。これはアクアノート、キュビタス、ノーチラスの価格上昇が牽引した。オーデマ ピゲの2次流通価格も反発し、同期中に1.8%上昇。一方でロレックスの価格は横ばいだった。
リシュモン傘下では旗艦ブランドのカルティエが第4四半期に最も好調で、2次流通価格は2.3%上昇した。LVMH傘下のスイス時計ブランドではタグ・ホイヤーが1.1%増と最もよく、スウォッチ グループではロンジンが4.9%増と目覚ましい伸びを見せた。ロレックスの姉妹ブランドであるチューダーもブラックベイコレクションの堅調さに支えられ、同期中に3.9%上昇した。
ブランド別の2次流通市場価格の騰落率(前四半期比)。Sources: WatchCharts and Morgan Stanley Research
エドゥアール・オーバン(Edouard Aubin)氏率いるモルガン・スタンレーのアナリストチームはレポートのなかで、「中価格帯のブランドにとって2次流通市場のパフォーマンスは、定価上昇のなかで消費者が価値を優先していることを反映するようになってきている。これはブランド・エクイティ(ブランドの資産価値)の増大というよりは、むしろ新品の小売売上を犠牲にしている兆候かもしれない」と述べている。「2026年に向けて、2次流通市場の需要は引き続き健全であり、より幅広いブランドで価格パフォーマンスが向上すると予想される」と付け加えた。
レポートによれば、2次流通市場は投機目的よりも実利的な消費によって牽引される傾向が強まっており、取引量の増加は需要が健全であることを示しているという。
ブランド別価値維持率。Sources: WatchCharts, Morgan Stanley Research.
しかし定価に対する価値の保持能力を示す価値維持率は、ほとんどの時計メーカーで低下し続けている。1月の時計の小売価格は平均7%上昇した。ロレックスやオーデマ ピゲなどが価格改定を実施したが、これは他通貨に対するスイスフランの強さや、高級時計の重要な原材料である金の価格高騰などが一因となっている。
WatchChartsのデータによると、年間および四半期ベースの両方で価格が上昇したのはロレックスのみであった。Sources: WatchCharts, Morgan Stanley Research
レポートによれば、主要10ブランドの300モデルの2次流通価格を年間取引額(米ドル)で加重平均して追跡するWatchChartsが提供するオーバーオール・マーケット・インデックス(総合市場指数)は、2025年に4.9%という大幅な上昇を記録した。2023年の-10.7%、2024年の-6.1%という下落を経ての反転となる。
2025年上半期は比較的横ばいだったが、第3四半期に2.3%上昇し、直近の第4四半期も1.9%上昇した。モルガン・スタンレーとWatchChartsはこの上昇はほぼビッグ3と、中価格帯で突出したパフォーマンスを見せたオメガ(前年比2.4%増)およびカルティエ(前年比3.4%増)によるものだとしている。年間ベースではパテック フィリップ(12.1%増)とロレックス(4.6%増)が市場をリードしたが、追跡対象の35ブランド中28ブランドでは依然として価格が下落したと報告されている。
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