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7月11日に香港で開催されたサザビーズの時計オークションで、ラピスラズリ文字盤を備えたユニークなプラチナ製のロレックス コスモグラフ デイトナが注目を集めた。
この時計、Ref.16516は、手数料を含めて2537万香港ドル(327万アメリカドル)で落札された。これはサザビーズによる400万〜800万香港ドルという予想落札価格の3〜6倍の価格で、自動巻きデイトナの世界新記録を打ち立てた。(もちろん、全デイトナにける世界記録は、2017年10月にフィリップスのオークションにて1775万ドルで落札されたポール・ニューマン自身が所有していた「ポール・ニューマン デイトナ」。この時計はデイトナのオリジナルシリーズの一部で、手巻きムーブメントを搭載していた)。
サザビーズはこの時計を "歴史的に重要で、ユニークな時計 "と評している。この時計は、ロレックスがデイトナにゼニスのエル・プリメロ自動巻きムーブメントを使用していた時代の終わり、1999年頃に製造されたものだ。(ロレックスは1988年にゼニスのムーブメントを使用し始め、2000年には自社製の自動巻きクロノグラフキャリバーに置き換えた)。
2年程前の2018年10月、サザビーズはこのモデルと同じようなブラックマザーオブパール文字盤をもった、プラチナ製のデイトナを684万香港ドル(87万2100USドル、日本円で約9315万円)で競売にかけた。
どちらの時計も同じRef.16516というリファレンスナンバーを持っており、ロレックスが1999年に生産したごく少数のプラチナウォッチの一部であると考えられている。今回落札されたラピスラズリ文字盤モデルの裏蓋には“XII 1998”の刻印がある。
この時計の何が希少なのかというと、ケースと文字盤の素材だ。
サザビーズによると、プラチナケースのコスモグラフ デイトナはほとんど聞いたことがないという。2018年にオークションに出品された時計の説明文の中で、サザビーズは、
“ロレックスは長年ステンレススティール、イエローゴールド、ホワイトゴールド、スティールとゴールドのコンビのみで自動巻きデイトナを製造していたが、1999年に1人の非常に幸運な顧客が、ロレックスの有名なCEOである故パトリック・ハイニガー氏自身が着用していたと噂される、プラチナ製の自動巻きデイトナを手に入れたことが確認された”と記していた。
今回落札されたこの時計は市場に出回ったばかりのもので、サザビーズは“ラピスラズリのハードストーン文字盤をもつ、唯一のプラチナ製デイトナ”だと語る。この時計は、31石のCal.4030自動巻きムーブメントを搭載。ケースの直径は40mm、ねじ込み式の裏蓋が付いており、A171132のシリアルナンバーをもっている。