新しいウィークエンドコラムへようこそ。このコラムは、1週間日々の暮らしに忙殺され、時計に関する細かな情報のすべてを追いかけることができなかった人たちのためのキャッチアップセッションであり、まだまだ満足していない熱心な友人たちにおかわりを提供するためのものでもあると思って欲しい。また、“ニューウォッチ・アラート(New Watch Alert)”では過去1週間に発売された新作時計を、“見逃した方のために(In Case You Missed It)”ではもう一度見るべきお気に入りの時計を、“カルチャー・オブ・タイム(Culture of Time)”ではHODINKEEコミュニティ外からの興味深い記事を、そして“ザ・カンバセーション(The Conversation)”では皆様からのコメントへの返答をお届けする。土曜日の朝、コーヒーを片手に、ぜひご覧いただきたい。
ジンが新機軸となるチタン製ダイバーズウォッチ、Tシリーズを発表し、ダニーがロンジンの新しいパイロットウォッチを紹介、ベンはそれぞれのホイヤー カレラの壮大なリファレンスポイントの詳細な情報をお届けし、さらにマライカが新しいカルティエ 「タンク フランセーズ」を知っているつもりの人たちのために、コアとなる情報を提供するなど、今週は時計業界からエキサイティングなニュースが目白押しだった。さらに、カルト的人気を誇るブランド、ダニエル・ロートが2023年に再始動した件、チューダー独自のすばらしいサイクリングプログラムの紹介、そして、なぜGMT機能付きのダイバーズウォッチが欲しいのかという一意見まで掲載したため、以下をご覧いただきたい。
ストイックなドイツブランドは、2020年春に発売した小振りなスティール製ダイバー“U50”の成功を受けて、より軽量で魅力を増したチタン製の新シリーズをラインナップに加えた。
ロンジンほど需要のある過去の傑作を持つブランドはないが、ヴィンテージ風の最新パイロットウォッチ、“パイロット マジェテック”は、そこからインスピレーションを得ている。この時計はオリジナルサイズよりひと回り大きくなっても、その魅力は損なわれていない。そんなミリタリーデザインに回帰した、この予想もできないようなモデルを、ダニーが詳しく深堀りしている。
※ Japanチームによるハンズオン記事は「ロンジン パイロット マジェテックを実機レビュー」をご覧ください。
覚悟して見てほしいが、ベン・クライマーが金曜日のスケジュールに空きを見つけ、ユーザーがとても感心してしまうようなヴィンテージクロノグラフのReference Pointsを紹介してくれた。ホイヤー カレラのすばらしさと変遷について、9500ワード以上の文章と45分ものすばらしい映像で紹介している。
入っていた予定をキャンセルして、そして友人を差し置いて、自分へのご褒美として史上最高のクロノグラフの系譜に触れてみてはいかがだろう。
カルティエ 「タンク フランセーズ」のリニューアルを受けて、我らがスタイルエディターのマライカ・クロフォードは、このクラシックなデザインにクローズアップし、個人的な視点で紹介している。そして、ガイ・リッチー、ケイト・モス、さらにはスパイス・ガールズまで取り上げ、マライカは「フランセーズ」が単なる“大人のレディスウォッチ”ではないことを、現代的な背景を踏まえて語っている。
「フランセーズ」が女性的であり続けているにもかかわらず(さらにプリンセス ディ効果をいくら強調していても)、クロフォードは新しい「フランセーズ」は別物であると強く主張している。さらにモダンで、マットで、ユニセックスなものであると。
この時計のハンズオンのインプレッション、美しい写真、さまざまな背景・情報については、上のリンクをクリックして、確認してみて欲しい。
ダニエル・ロートファン歓喜のビッグニュースが飛び込んできた。ルイ・ヴィトンとラ・ファブリック・ドゥ・タンの協力のもと、2023年にダニエル・ロートが独立ブランドとして再始動するというのだ。ダニエル・ロートは2000年からブルガリの傘下(その後、ブルガリはLVMHに売却されることになる)に入っていたが、このブランドの新たな独立は、今年後半に集大成として発表される限定モデルによって最高潮を迎えるだろう。
ダニエル・ロートというブランドは、数世代以上の歴史を持っている。現代の体制でも、非常に高品質で希少なインディペンデントウォッチを製造するマニュファクチュールとして設立された当時と、同様の気持ち・理念で運営していることがわかる。
歴史がありカルト的人気を集めるブランドの次の行動に備えて準備運動をしたいのなら、ぜひトニー・トライナによる全文をご覧いただき、ダニエル・ロートに関するニュースを楽しんでもらえればと思う。
熱心なサイクリストであり、また優れた写真家であり、そして時計愛好家でもあるザッカリー・ピーニャ氏ほど、チューダー プロサイクリングチームの取材に適した人物はいないだろう。最新のDispatchでは、スペインの地中海沿岸120kmを走破するピーニャ氏と、彼と馬が合ったチューダーチームを追跡した。
ピーニャ氏はこのサイクリングで、時計ブランドが資金を提供して設立したプロサイクリングチームの個性や計画、そして原動力について掘り下げながら、走行中にすばらしい写真の数々を撮影した。このチームはポテンシャルを秘めた若いメンバーで構成されており、また各メンバーはスペシャルな(そして一般人には買えない)時計を身に着けていた。
さあ、ペダルを踏み込んでクライムを楽しんでみよう。これはとびきりいいストーリーだから。
コメント: ダイバーズGMTの時計は本当に苦手だ。なにか機能がごちゃついているような気がするからだ。ほとんどのダイバーズウォッチが水に濡れることがないことはわかっているとはいえ、なぜダイバーは世界各地の時刻も知る必要があるのだろうか? 減圧の心配やサメに食われる心配をしたほうがいいのでは? - ColinGermany
レスポンス: 興味深いクエスチョンだが、ダイバーGMTがサメに関するあらゆるシナリオの可能性について応えることはできない。ただ言えるのは、ダイバーズベゼルとGMT機能の組み合わせは、水中でも陸でも非常に便利な時計だということだ。
ダイバーズウォッチに重点を置いたこのセットアップにおいては、両者の長所を生かすことができる。タフで信頼性があり、さらに便利な機能を備えた時計(潜るときもそれ以外のときにも。それがダイバーズウォッチの魅力である)でありながら、第2時間帯を簡単に管理できる機能を備えているからだ。
確かに、ほとんどの人はダイビングするからといってダイバーズウォッチを使わないと思うが、なかにはダイビングに使う人もいるし、ダイビングをする場合は旅行で移動しなければならないこともよくある。このセイコーのようなダイブGMTがあれば、旅行用にもう1本時計をもっていく心配(および、それに伴う別のリスクもだ)はないだろう。ダイビング中の時間、ピザを待つタイミングの時間、飛行機の待ち時間、自宅や次の目的地での時刻を確認するときも、ひとつの時計で対応できるのだ。
GMTウォッチの基本的な仕様は24時間ベゼルを備えたものだが、ダイバーズウォッチでダイビングをする人の数と、24時間ベゼルの本来の機能(UTCを基準としたほかのタイムゾーンのオフセットを取得するため)を知っている、使っている人の数はほぼ同じだと、僕は考えている。
GMT、ダイブGMTなど、どのようなレイアウトであってもその利点は同じかつ、主に主観的なものであり、それぞれのニーズと結びついていることだろう。ダイブGMTの使い勝手は、旅行やダイビング(そして、ダイブコンピュータの代わりとしても時計を使用できる)をする人にとって非常に魅力的なものだ。そして単に、スポーツウォッチとして純粋な便利さが好きなのだ…ときたまサメも。