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Introducing クレヨン パーヘリオンが登場―“エニィウェア”を宝石で彩ったマキシマリスト仕様

なんと、宝石尽くしだ。

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我々が知っていること

インディペンデントブランドのクレヨンが生み出すものは、どれも精緻な設計による高度な複雑機構を備えたハイエンドピースとして、まさに“知る人ぞ知る”世界に属している。同ブランドのラインナップは、主に3つの複雑機構を搭載したモデルで構成されている。ひとつは、世界中どこでも日の出・日の入り時刻を表示できる“エブリウェア(Everywhere)”、もうひとつは時計師が任意の場所に合わせて調整できる日の出・日の入り時刻表示機能を備えた“エニィウェア(Anywhere)”、そして最新作である、平日と週末を区別して表示するポインターデイト機構を備えた“エニィデイ(Anyday)”だ。確かに最近発表されたパックマンとのコラボレーションによる限定版エニィウェアは、ブランドの中ではやや異色の存在と言えるかもしれない。だが私がこれまでコレクターの手首で実際に見てきたクレヨンの時計は、そのほとんどが控えめで洗練されたデザインにまとめられており、控えめで洗練された仕立てによって、ほとんど目立たずに手首へ収まっていた。

Krayon Parhelion Slanted Face Dial
Krayon Parhelion Lugs Macro
Krayon Parhelion Buckle Macro

 だがクレヨンの時計にほんの少し、いや、かなり思い切ってきらびやかな装飾を施したらどうなるかと想像したことがあるなら、新しいパーヘリオン(Parhelion)はまさにうってつけかもしれない。この新作は、カタログに並ぶほかのどの時計とも見間違えようがない。なぜなら、時計全体にバゲットカットのサファイアが159個もあしらわれているからだ。これだけの数の宝石を収めるため、ケースは直径42mm、パラジウムを高い割合で含むホワイトゴールド合金で作られている。この素材は、宝石の輝きに調和するきわめて白い色合いになっている。また複雑機構を備えていることを考えると、ケース厚を9.5mmに抑えている点も見事だ。

 数カ月前にパーヘリオンのプロトタイプを目にした際、サファイアがあしらわれていたのは、ホワイトからブルーへと美しくグラデーションを描くベゼル部分だけだった。しかし最終製品では、その宝石セッティングがさらに拡張され、ラグからミッドケースまで、リューズを除くケースのあらゆる部分に及んでいる。さらにピンバックルだけでも35石のサファイアがあしらわれているため、たとえ時計のダイヤル側が自分のほうを向いていなくても、時計が自分のほうを向いていなくても、十分にその輝きを楽しめる。ベゼルの12時位置の真上にある宝石には、“クレヨンカット”と名付けられた新しい宝石カットを採用。これはクレヨンの多くのダイヤルモチーフとして見られる独特のY字型であり、ブランドロゴへのオマージュだ。

Krayon Parhelion Y Cut Sapphire Macro
Krayon Parhelion Bezel Macro

 クレヨンカットは、そのY字型によって自然と三角形のシルエットを生み出すため、このカットを施した宝石はインデックスとしても理想的な形状となる。またパーヘリオンでは、6時位置のインダイヤル部分を除く11個のインデックスがホワイトのクレヨンカットダイヤモンドで構成されており、水面のきらめきを思わせるライトブルーのマザー・オブ・パールダイヤルにインビジブルセッティングで固定されている。モデル名の“パーヘリオン”は、雲中の氷の結晶に太陽光が屈折することで生じる大気光学現象に由来しており、この時計のインスピレーションが、クレヨンのレミ・マイヤ(Rémi Maillat)氏とフェイ・ホウ(Fei Hou)氏によるグリーンランド旅行から生まれたと知れば、ダイヤルの表情や、ホワイトからブルーへと移ろう宝石のグラデーションにも思わず納得させられる。

 パーヘリオンは、エニィウェアを極端なまでに華やかにしたモデルとも言える存在だけに、ダイヤルレイアウトは見覚えのあるものだろう。6時位置のインダイヤルには日付と月を表示する。これらは、時刻表示を囲む凹型リング上の日の出・日の入り表示を算出するために不可欠な情報だ。太陽を象ったインジケーターは、季節によって長さが変わる外周の昼夜リングの上で、1日の進行とともにダイヤルを一周する。この表示では、ダイヤル上で1日の移り変わりと、現在時刻が日の出と日の入りの時刻にどれだけ近いかを確認できる。これは光の変化と時間の経過を視覚的に、そしてロマンチックに表現したものだ。リングの昼間部分は虹色に輝くライトブルーで、夜間部分はきらめくダークブルーに白い斑点が散りばめられ、遊び心のあるアクセントになっている。

Krayon Diamond Indices Macro
Krayon Live Soldier Shot
Krayon C030 caliber in Parhelion

プロトタイプの実機写真(ケース全面にはまだ宝石がセットされていない点に注目してほしい)。Photos by TanTan Wang

 時計の表側やケースサイドだけでも見どころは十分だが、ケースバックも決して見劣りせず、エニィウェアの複雑機構を支えるCal.C030の巧みな設計をじっくり鑑賞することができる。毎時2万1600振動(3Hz)で駆動するこの手巻きムーブメントは約72時間のパワーリザーブを備え、秒針がないにもかかわらずハック機能も搭載されている。複雑な機構を収めながらも、ムーブメントは直径35.4mm×厚さ5mmときわめてコンパクトに抑えられているのも見事だ。さらに優れているのは、日付の調整はすべてリューズだけで行え、前後どちらの方向にも調整可能であることだ。ケース側面のコレクタープッシャーは必要ない。だがエニィウェアには注意すべき点もあり、この機構を使用するには緯度と経度を指定する必要がある。それは注文時に設定でき、その後、別の場所に合わせたい場合は、熟練した時計師がキャリバー内のネジをいくつか調整することで変更できる。もしこうした位置情報を自分で好きなタイミングで変更したいのであれば、クレヨンのエブリウェアを選ぶのがよいだろう。

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 このような作品の価格が気になる方もいるかもしれませんが、心して聞いてほしい。本作の価格は43万スイスフラン(日本円で約8600万円)だ。厳密には限定モデルではないが、パーヘリオンの生産数はごく少数に限られている。


我々の考え
Krayon Parhelion Slanted Shot

私は以前から、クレヨンのエニィウェアを高く評価してきた。通常モデルだけ見ても、現代のインディペンデントウォッチメイキングという文脈において、その魅力は実に多く詰まっている。ロマンティックな複雑機構と、独創的な調整機構を備え、美しく(そしてほかに類を見ない)装飾を施したムーブメント、そして素晴らしい外観のダイヤルを非常に着けやすいサイズにまとめている興味深い時計だ。つまり私はクラシックなエニィウェアが大好きなのだ。スペックだけを見れば、本作はエニィウェアが持っていたエレガンスをすべて吹き飛ばしているようにも思える。そして実際、そのとおりの部分もあるし、少なくとも私には、この時計を“控えめ”と表現することは到底できない。しかし最終的なデザインのまとまりの良さにも感心している。逆説的だが、ダイヤルの周囲に宝石を一周させただけではなく、ケース全体に宝石があしらわれているからこそ、これほど素晴らしい仕上がりになっているのだと思う。また宝石のグラデーションを考えると、クレヨンが特定の色合いの変化を実現するために、この色調のグラデーションを実現するサファイアをそろえるだけでも、非常に長い時間を要するというのは十分に納得できる。

 この価格帯のパーヘリオンは、ほとんどのコレクターにとってほとんどのコレクターとは無縁の、まったく別次元の時計製造に属するが、それはそれで構わないだろう。ブランドの作品に興味深いひねりを加えたこのモデルは、ブランドが得意とするものをしっかりと受け継ぎながらも、これまでとは異なるタイプのクラフツマンシップを披露している。


基本情報

ブランド: クレヨン(Krayon)
モデル名: パーヘリオン(Parhelion)

直径: 42mm
厚さ: 9.5mm
ケース素材: 高比率のパラジウムを含むホワイトゴールド
文字盤色: ブルーマザー・オブ・パール
インデックス: クレヨンカットを施したホワイトダイヤモンド、インビジブルセッティング
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ダークブルーのアリゲーターストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: C030
機能: 時・分表示、24時間表示、日の出・日の入り時刻表示、日付・月表示付きシンプルカレンダー
直径: 35.4mm
厚さ: 5mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 55
クロノメーター認定: なし


価格&発売時期

価格: 43万スイスフラン(日本円で約8600万円)
発売: 発売中
限定: なし

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