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Photos by TanTan Wang
我々が知っていること
やあ。HODINKEEきってのマペッツ好きといえば、この私だ。そんな私はオリスとマペッツによる最初のコラボレーションモデル、プロパイロットX カーミット エディションのオーナーであり、それを誇りに思っている。昨年は、その続編となるプロパイロットX ミス・ピギー エディションも取り上げた。こちらは、クリエイティブなアプローチを全く異なる方向へと展開したモデルだった。正直なところ、オリスとディズニーによる『ザ・マペッツ』のコラボレーションは、これで終わりなのではないかと思っていた。ところが、どうやらまだ終わりではなかったようだ。今回オリスは、マペッツとのコラボレーション第3弾となるプロパイロットX “ゴンゾ” エディションを発表した。
ピリッと刺激的なシャツを着たゴンゾ。© Disney
第3弾となる今回も、『ザ・マペッツ』を象徴するキャラクターをプロパイロット Xの別モデルに取り入れるという趣向は健在だ。チタン製で39mmのプロパイロットX キャリバー400では、カーミットが日付窓に顔をのぞかせ、スティール製で34mmのプロパイロットXでは、ミス・ピギーがローターに隠れていた。今回のマペッツシリーズ第3弾では、“やるならとことんやれ(go big or go home)”という言葉をオリスがより文字どおりに実践している。命知らずのスタントマペット、ザ・グレート・ゴンゾをプロパイロット Xシリーズ最大のモデルであるプロパイロットX キャリバー115と組み合わせたのだ。
本作はグレード2チタン製のケースを採用し、直径44mm×厚さ12.6mm、ラグ・トゥ・ラグは52mmとかなり大型だ。しかし、ケースが大きいのには理由がある。内部に収められたムーブメント自体がきわめて大きいのだ。手巻き式ムーブメント Cal.115には巨大な香箱が搭載されており、なんと10日間という驚異的なパワーリザーブを実現している。この点を含め、基本的な仕様は通常のプロパイロットX キャリバー115から変更されていない。
一方、ダイヤルはまさに“ゴンゾ化”されている。ザ・グレート・ゴンゾといえば、衣装に派手な要素を取り入れることで知られており、その雰囲気はスケルトン化されたダイヤルにもそのまま反映されている。ダイヤルのオープンワーク構造を形作る主要なラインには、青、赤、黄色のグラデーションを施し、マペットの象徴的なカラーリングを表現している。また3時位置にある10日間パワーリザーブインジケーターの針は、ゴンゾのアイコニックなシャツにも描かれている唐辛子のモチーフに置き換えられている。パワーリザーブインジケーターの表記も“10 Days”ではなく、“10 Great Days”に変更されている。さらに華やかさを加えるため、ミニッツトラックを囲む外周リングには、光の当たる角度によって色がさりげなく変化する、玉虫色のメタリックな光沢が施されている。
主ゼンマイが完全に巻き上げられている状態。Photo courtesy Oris
だが……ゴンゾはどこにいるのだろう? 正直に言うと、時計を手にしていた短い時間では、ダイヤルにもケースバックにもゴンゾの姿を見つけられなかった。そして残念ながら、ゴンゾがどこに隠れているのかを知ったのは、時計を手放したあとだった。実は、ゴンゾの顔はゼンマイそのものの側面にレーザー刻印されている。つまりゴンゾは、プロパイロットXが完全に巻き上げられ、ゼンマイが締め付けられて絵柄が浮かび上がった時だけ姿を現すのだ。
本作は現在発売中で、価格は170万5000円(税込)だ。
我々の考え
オリスがまた『ザ・マペッツ』とのコラボモデルを発表するかもしれないと最初に聞いたとき、正直かなり驚いた。私を含め、多くの人がカーミット エディションを一度きりのコラボレーションだと思っていたのではないだろうか。ところがミス・ピギー エディションは完全に予想外のタイミングで登場し、そして今年の第3弾コラボレーションもまさに予想外の展開だ。本作の仕上がりに目を向けると、このやや風変わりで、大胆な色使いは実に理にかなった選択だと思う。これまでのオリス×『ザ・マペッツ』の2モデルは鮮やかな色彩を惜しみなく用いており、今回のモデルもその流れを受け継いでいる。特に玉虫色に輝くリングは素晴らしいアクセントで、実物で見るととても美しい。個人的には、ほかのプロパイロットXに採用されても違和感がないほどよくできたディテールだと思う。光の当たり方によってほどよく色彩が浮かび上がりながら、決してやりすぎた印象にはならない。
© Disney
だがマペット好きの皆さん(私も含めて)にとっては、ゴンゾの出番がもう少し多ければ、もっと良かったのにと思ってしまう。私がカーミット エディションを着けるときは、いつも日付を1日に合わせてカーミットが見えるようにしている。一方こちらは、ゴンゾの姿をしっかり見ることができるのは、時計を完全に巻き上げたときだけだ。とはいえゴンゾの姿を維持するのは、日付リング内の表示を維持するのに比べれば、それほど難しくはない。だが、せっかくのロングパワーリザーブを活かそうとすると、ダイヤル上のゴンゾの顔が見えなくなるというジレンマが生じる。しかし、このような遊び心のあるモデルではそれほど深刻な問題ではないし、オリスチームがこうした限定モデルに少しばかり抑制を効かせようとした努力に、敬意を表したいと思う。
より興味深いのは、市場におけるポジショニングについてだ。初代コラボモデルのカーミット エディションは、これほど遊び心のある時計でありながら、マペットに結びついた時計に払う金額として考えると、かなり高価に感じられた……(実際に購入に踏み切った熱心なマペッツファンは別として)。そして今回のゴンゾ エディションは、『ザ・マペッツ』をテーマにしたオリスでありながら、ケースサイズが大幅に大きくなったうえ、価格も100万円を優に超えている。グラン・フー エナメルでフォジー・ベアを描いたようなダイヤルならまだしも、1万ドルを超える『ザ・マペッツ』の時計というのは、どうにも釣り合わないように思える。その価格帯になると、お気に入りのマペットがダイヤルに描かれているのを見て喜ぶであろう多くの愛好家を遠ざけてしまう。
そう考えると、本作は、マペッツを通じて、確かにかなりクールではあるものの、その大きさゆえに万人向けとは言い難い大型ムーブメントに、もう少し注目を集めようというブランドの狙いなのかもしれない。あるいは、手首の太い、そして筋金入りのマペッツファンを狙ったモデルなのだろう。
基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: オリス プロパイロットX “ゴンゾ” エディション(ProPilot X Gonzo Edition)
型番: 01 115 7759 7180-Set
直径: 44mm
厚さ: 12.6mm
ケース素材: グレード2チタン
文字盤色: グラデーション
インデックス: プリント
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: チタン製ブレスレット、“リフト”クラスプ付き
ムーブメント情報
キャリバー: オリス 115
機能: 時・分表示、スモールセコンド、ノンリニアパワーリザーブインジケーター
直径: 34mm
パワーリザーブ: 10日間(240時間)
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 38
クロノメーター認定: なし
価格&発売時期
価格: 170万5000円(税込)
発売: 発売中
限定: なし
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