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クイック解説
1913年、日本の時計メーカーにとって腕時計の製造は大きな挑戦だった。その答えとしてセイコーが送り出したのが、国産初の腕時計「ローレル」である。これは単に国内で最初に作られた腕時計というだけではない。ローレルの誕生を契機に、セイコーでは設計技術や微細加工、工作機械の開発が進み、日本の時計づくりそのものが次の段階へと歩みを進めた。2014年には、その功績が認められ、日本機械学会の機械遺産に認定されている。
国産初の腕時計、セイコー ローレル。
今回、セイコー プレザージュ クラシックシリーズ クラフツマンシップに加わるHCC006Jは、ローレルの意匠を漆ダイヤルで表現したモデルだ。漆芸家の田村一舟氏の監修のもと、越前漆職人の辻利和氏、越前漆芸家の辻美月貴氏らがダイヤルを製作。金属製のダイヤルに漆を施し、塗りと研ぎを重ねながら仕上げている。
ケースはステンレススティール製で、ケース径39.6mm、厚さ12.4mm。デュアルカーブサファイアガラスと牛皮革のオイルレザーストラップを採用し、自動巻きのCal.6R5Hを搭載する。約72時間のパワーリザーブに加え、24時間表示と秒針停止機能、シースルー仕様のスクリューバックケースを備える。2026年9月5日(土)に発売予定で、価格は20万9000円(税込)。セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデルとなる。
ファースト・インプレッション
ローレルの意匠を漆ダイヤルで表現した時計と聞いて、もっと復刻色の強い顔つきを想像していたが、実物は思っていた以上に現行プレザージュらしい佇まいだった。最初に目に入るのは、やはり大きなアラビア数字だ。
実物で印象に残ったのは、漆と金色の質感の違いだ。黒漆の表面にはツヤがありながら、均質な鏡面とは異なるわずかな質感が残されている。金色のインデックスと針は鏡面仕上げではなく、ツヤを抑えたマットな仕上げだ。黒と金の組み合わせだが、派手な印象にはならない。24時間表示を含め文字盤上の要素は少なくないが、外周の目盛りやロゴを控えめにすることで、全体はすっきりとまとめられている。
6時位置の24時間表示は、ローレルにはなかった現代的な要素として目を引く。クラシックな文字盤にサブダイヤルが加わることで、視覚的な情報量は少し増えている。それでも、アラビア数字の書体やインデックスの仕上げが揃っているため、全体から浮いて見えることはない。
ケースは丸みを帯びたベゼルと直線的なラグを組み合わせている。文字盤はクラシックだが、ケースまでアンティーク調に寄せたデザインではない。39.6mmというケース径は、大きなアラビア数字と漆ダイヤルの存在感を受け止めるながら、現代の時計としてのバランスを取るためにはちょうどいいのだろう。
1913年、セイコーは当時の日本の時計メーカーにとっては大きな挑戦だった腕時計の製造を実現し、国産初の腕時計ローレルを生み出した。プレザージュではこれまでも漆ダイヤルを展開してきたが、ローレルの意匠と漆を組み合わせたモデルは今作が初となる。ローレルの歴史的な意匠と日本の伝統技法である漆ダイヤルの組み合わせながら、それを20万円台のレギュラーモデルとして成立させている。この事実こそが、HCC006Jをのより魅力的な存在にしているのだろう。
基本情報
ブランド: セイコー プレザージュ(Seiko Presage)
モデル名: クラシックシリーズ クラフツマンシップ 漆ダイヤル
型番: HCC006J
直径: 39.6mm
厚さ: 12.4mm
ラグ・トゥ・ラグ: 46.8mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック(漆仕上げ)
防水性能: 日常生活用防水
ストラップ: オイルレザーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: 6R5H
機能: 時・分表示、センターセコンド、24時間針、秒針停止機能
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き付き)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24
価格 & 発売時期
価格: 20万9000円(税込)
発売時期: 2026年9月5日(土)
限定: なし、セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデル
詳しくはこちらをご覧ください。
Photographs by Yuki Matsumoto, Masaharu Wada
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