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クイック解説
去る6月15日~18日に開催された“ミッレ ミリア(1000 Miglia)”が40回目を迎えた。ミッレ ミリアは1927年からイタリアで開催されている伝説的な公道カーレースだ。イタリア北部の都市ブレシアを出発してフェラーラ、サンマリノ、ローマを経て再び北上してブレシアへ戻るというルートで、イタリア全土を1000マイル(イタリア語で mille miglia=ミッレ ミリア)走ることから名づけられた。第2次世界大戦による一時中止、そして1957年に観客を巻き込む大事故が起こったため、この年を最後に幕を閉じたが、1977年に復活。現在のミッレ ミリアは、当時参戦した実車とその同型車のみが参加できるタイムトライアル方式のクラシックカーレースとして今日まで続いている。
ショパールは1988年以来、35年連続でミッレ ミリアのワールドスポンサー、オフィシャルタイムキーパーを務めており、その名を冠したコレクションを展開している。そして毎年ミッレ ミリアへのオマージュを込めた限定モデル、レース エディションをリリースしてきた。では、今年は? もちろん発表されている。
2022年のレース エディションは、レギュラーモデルとしてラインナップされているミッレ ミリア GTS クロノのデザインをベースにして、細部にいくつかのアレンジを加えたものとなっている。
大きな違いのひとつはダイヤルだ。レギュラーモデルはラッカー仕上げのマットブラックダイヤルであるのに対し、新しいレース エディションではシルバーグレーのダイヤルを採用。表面にはサーキュラーサテン仕上げが施され、針、インデックス、ベゼルのインレイには鮮やかなブルーを取り入れている。最も大きな違いは3時位置の日付表示。透明なサファイアクリスタルの内側に拡大表示レンズを設けて視認性を高めている。
ケースバックはネジ留めのクローズドバック仕様。センターにミッレ ミリアのロゴを大きくあしらう。これはレギュラーモデルと同様だが、レース エディションではロゴの周囲に“LIMITED EDITION”の文字とともに限定のシリアルナンバーがあしらわれる。ちなみに搭載するのはCOSC認定を得たクロノメーター仕様の自動巻きクロノグラフムーブメント。これはレギュラーモデルと変わらない。
また、ブラウンカラーのカーフレザーにラバーライニングをあしらったストラップを採用しているが、これも限定ならではのディテールだ。レザーにパンチング加工を施すことでライニングのブルーラバーが浮かび上がり、クラシックでありながらスポーティな印象を与えている。なお、レギュラーモデルは表面に1960年代のダンロップタイヤと同じパターンを刻むブラックラバーストラップを合わせるが、これはコレクションの誕生と同時に確立されたデザインコードに基づいたもの。レース エディションのストラップのラバーライニングにも同様のパターンが刻まれている。
ミッレ ミリア 2022 レース エディションには、オールSS製のRef.168571-3010とリューズ、プッシュボタン、ベゼルに18KエシカルRGを採用したRef.168571-6004の2種類が用意されており、前者が1000本、後者が250本限定だ。
ファースト・インプレッション
ミッレ ミリア 2022 レース エディションは、基本的にレギュラーモデルのミッレ ミリア GTS クロノのデザインバリエーションだ。そのため、限定モデルならでは見どころはそれほど多くないのが正直なところだが、レギュラーモデルと比較して魅力的に感じたところを紹介する。
ミッレ ミリア GTS クロノとの最大の差別化ポイントでもあるが、やはり注目はダイヤルだ。ミッレ ミリア GTS クロノのマットブラックダイヤルはシックだが少々重たい印象がある。対してレース エディションのダイヤルはシルバーグレー。レギュラーモデルの視認性が悪いと言うわけではないのだが、ブルーで縁取られた針とインデックス、そしてシルバーグレーダイヤルとの組み合わせはコントラストが効いていて非常に見やすい。これは評価すべきポイントではないだろうか。また、センターの大きなクロノグラフ秒針とクロノグラフカウンター針の先端はミッレ ミリア象徴するレッドカラーを施しているが、9時位置のスモールセコンドの針はブルーとすることで、よりクロノグラフ使用時の視認性を高める工夫がされている。
また、ダイヤル表面のサーキュラーサテン仕上げもほかではあまり見られない仕様だろう。この仕上げが得てして地味になりかねないダイヤルカラーに適度にスポーティな雰囲気を与えており、この時計の大きな魅力のひとつになっていると感じている。なお、2021年版のレース エディションでもサーキュラーサテン仕上げが採用していたが、こちらは9時位置のスモールセコンドを中心に広がるやや特殊なスタイル。ダイヤルカラーも濃いグレーのため、2022年版のレース エディションとは雰囲気も大きく異なる。
ちなみにレギュラーモデルのミッレ ミリア GTS クロノの価格は90万2000円、ミッレ ミリア 2022 レース エディションはオールSSモデルが99万円だ。限定モデルとはいえ、単純に時計の仕様で購入の比較検討をする場合、この約9万円の価格差を許容できる人はそう多くはない気がしている。ミッレ ミリアには根強いファンも多いと聞くし、またミッレ ミリアは参加者が優勝を競うカーレースではあるが、フェスティバルとしての側面も強い。この時計はそうしたお祭り気分を盛り上げるためのアイテムであり、そしてそんな空気感を楽しみたい人のものなのだと思う。
基本情報
ブランド: ショパール(Chopard)
モデル名: ミッレ ミリア 2022 レース エディション(Mille Miglia 2022 Race Edition)
型番: Ref.168571-3010(ステンレススティール製)、Ref.168571-6004(SS&18Kエシカルローズゴールド製)
直径: 44mm
厚さ: 13.79mm
ケース素材: SS(Ref.168571-3010)、SS&18KエシカルRG(Ref.168571-6004)
文字盤色: サーキュラーサテン仕上げを施したシルバーカラー
インデックス: ブルーCVD加工のアプライド
夜光: ブルーCVD加工のインデックス、バトン型時分針にスーパールミノバ®を塗布
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット:パンチングを施したブラウンカラーのカーフレザーストラップ&ブルーラバーのライニング、SS製トリプルフォールディングバックル
ムーブメント情報
キャリバー: ETA 7750
機能: 時・分表示、9時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、センターにクロノグラフ秒針)、3時位置に日付表示、ストップセコンド機能
直径: 30.4mm
厚さ: 7.9mm
パワーリザーブ: 48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
クロノメーター認定: あり。COSC
価格 & 発売時期
価格: 99万円(Ref.168571-3010)、145万2000円(Ref.168571-6004)。ともに税込。
発売時期: 発売中
限定: Ref.168571-3010は世界限定1000本、Ref.168571-6004は250本。
詳細は、ショパール公式サイトをクリック。