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我々が知っていること
セイコーは、セイコー 5スポーツコレクションの誕生55周年を記念して、モダンなこのコレクションに4モデルを新たに追加すると発表した。オリジナルのセイコー 5スポーツを再現した限定モデルと、1969年のセイコー 5スポーツコレクションに敬意を表した、レギュラー展開の新しいトリオモデルたちだ。
ではまず限定版から紹介しよう。このSBSA223(海外版ではSRPK17)は、1968年に発売された初代セイコー 5スポーツのケース形状、ブレスレット、ベゼルにオマージュを捧げたモデルである。
つまり本機は、2019年のラインナップリニューアルに伴い私たちが予想していたような、モダンなセイコー 5スポーツのケースを備えていないということだ。しかしヴィンテージのディテールはこれだけに留まらない。ブランドはさらに、ダイヤル12時位置にオリジナルのセイコー 5ロゴを使用し、また6時位置には青文字で“SPORTS”というワードマークをプリント。Cラインケース自体はスタンダードな現代のセイコー 5スポーツよりも小さく、直径39.5mm、厚さ12.5mmだ。ヴィンテージにインスパイアされラグからラグのサイズは短めであり(正確なスペック値は記載がない)は手首につけても違和感がない。また初代セイコー 5スポーツにオマージュしたボックスに入って提供される。セイコーによるとSBSA223は1万5555本限定で生産され、2023年7月8日から一部の小売店で販売予定。なおメーカー希望小売価格は4万9500円(税込)である。
さらにブランドは限定トリビュートモデルのSBSA223とともに、1969年に登場したセイコー 5スポーツコレクションをオマージュした3本の時計もリリース。このコレクションでは直径42.5mm、厚さ13.4mmという、よりなじみのある現代のセイコー 5スポーツのケースを採用している(ラグtoラグは46mmと比較的短めだ)。しかしブランドはこれらのヴィンテージモデルにも敬意を表しており、文字盤はシルバー、オレンジ、ブラックのいずれか3種類で、それぞれの文字盤と異なるベゼルの配色を取り入れたカラーミックスで仕上げた。オリジナル同様、遊び心を加えたモデルとなっている。ヴィンテージにインスパイアされたカラーリング以外は、現代のセイコー 5スポーツを知る人ならなじみのあるものばかり。逆回転防止ベゼルに4時位置リューズ、100mの防水性、そしてすべてCal.4R36を搭載している。
この3型はすべて限定モデルではない。セイコーによると2023年9月に発売予定であり、メーカー希望小売価格は各4万4000円(税込)だ。
我々の考え
セイコーが現代のパッケージでヴィンテージレガシーを蘇らせたとき、その結果は賛否が分かれることがある。しかし限定のSBSA223はセイコーの伝統にインスパイアされた最高傑作といえるだろう。今回ブランドは、1968年に発売された初代セイコー 5スポーツ復刻版の製作に尽力した。特にセイコーが2019年にセイコー 5スポーツを再発表して以来、SKXのケースを現代的に解釈することに注力していたと私は考えており、そのため今回新しいケースやブレスレットが作られることは予想していなかった。文字盤とベゼルの細部まで見事に再現されており、限定モデルとしてふさわしい仕上がりとなっている。1万5555本限定であり、欲しい人が入手困難にならないことを祈ろう。希望小売価格が4万9500円(税込)と、最近のセイコー 5の限定版よりも比較的安く設定されていて、このリファレンスの仕様を考えると決して突飛な値段だとは感じられない。
また限定ではないセイコー 5スポーツのトリオも、ヴィンテージモデルからインスピレーションを得ている。いずれもセイコー 5スポーツが誇る最新のケースを使用しているが、これらのモデルでもオリジナルケースを蘇らせたほうがうれしかったかもしれない。シルバー文字盤のSBSA217(海外版ではSRPK09)には、コレクターから長年愛されてきたセイコーのヴィンテージ“ラリーダイバー”をイメージしたようなベゼルをセットしながら、2021年の第一弾セイコー×ローイングブレザーズコラボとの共通点も見受けられる。
SBSA219(海外版ではSRPK11)には明るく鮮やかなオレンジ文字盤に、コントラストが効いた黒いブロックを配置。これはヴィンテージの“ダブルハリケーン”と呼ばれるモデルへのオマージュとなっている。オレンジ色のセイコーダイバーは、いつでもどんなサイズでも、どんな年でも活躍するのだ。ほかの人(私を含む)がモダンなオレンジのセイコー 5×ローイングブレザーズコラボモデル(それ自体は別のオレンジのヴィンテージセイコーを参考にしている)を愛するのと同じように、セイコーファンはオレンジダイヤルのSKXを愛している。限定ではないトリオの中ではこれが一番のお気に入りかもしれない。
最後に、SBSA221(海外版ではSRPK13)はヴィンテージのセイコー 5、“レガッタ”からトリビュートしている。ほかのモデルと同様、オリジナルのベゼル・ダイヤルのデザインを踏襲しているが、モダンなSKXスタイルのケースにそれが収められている。素敵なトリビュートであり、ヴィンテージレガッタの配色はその楽しさの大部分を占めているが、レガッタは色だけでなく四角いケースが特徴的だったため(最新モデルは)そのおもしろさは半分になってしまった。
セイコーが同シリーズの誕生55周年を記念した新コレクションを発表したとき、それがオリジナルに忠実な新ケースを用いた限定モデルと、1969年のオリジナルを力強い印象で復刻させた、3色のカラーリングのトリオだったと知ったときはうれしいサプライズだと感じた。2019年の登場以来、現代のセイコー 5スポーツラインはさまざまな種類・カラーやコラボレーションで展開され、独自のものへと確立されつつある。ヴィンテージセイコーのようなものや、愛好家が待望しているSKXのような時計はまだないが、今回の4本の新しいリファレンスは現代のセイコー 5スポーツコレクションに加えるにふさわしいものであるのは間違いない。
基本情報
ブランド: セイコー 5スポーツ(Seiko 5 sports)
モデル名: 55周年記念 初代5スポーツ復刻デザイン 限定モデル(55th Anniversary Limited EditionRe-creation of the first 5 Sports watch)、SKX スポーツ スタイル(SKX Sports Style)
型番: SBSA223(限定モデル)、SBSA217(シルバー)、SBSA219(オレンジ)、SBSA221(ブラック)
直径: 39.5mm(限定モデル)、42.5mm(レギュラー)
厚さ: 12.5mm(限定モデル)、13.4mm(レギュラー)
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック、シルバー、オレンジ
風防: カーブハードレックスクリスタル
インデックス: スクリューバック(限定モデル)、シースルーバック(レギュラー)
夜光: ルミブライト(針、インデックス、ベゼル)
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット、ワンプッシュ三つ折れ方式
ムーブメント情報
キャリバー: 4R36
機能: 時・分・センターセコンド、日付・曜日表示
直径: 27.4mm
厚み: 5.3mm
パワーリザーブ: 約41時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24
価格 & 発売時期
価格: 限定モデルは4万9500円、レギュラーモデルは各4万4000円(すべて税込)
発売時期: 限定モデルは2023年7月8日に一部の小売店で発売され、レギュラーモデルは2023年9月に発売予定
限定: SBSA223は1万5555本限定(うち国内1300本)
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