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Hands-On ハミルトン カーキ フィールド メカニカル 38mmに投入された3つの新ダイヤル

新しい文字盤バリエーションは、選択肢が増えることが悪いことではないと証明している。

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Photos by Mark Kauzlarich

ハミルトンのある時計はほぼ完璧に近い存在だ。友人から“最初に選ぶべきいい時計”はなにかと聞かれた際、彼らの使用状況、予算、個性に基づいて選ぶことができるものであり、タフでアウトドア好きな“粗雑に物を扱う”友人には、38mmのハミルトン カーキ フィールド ウォッチをほぼ間違いなくおすすめしている。さらに重要なのは、ハミルトンが過去数年間でダイヤルカラーやケース仕上げの異なるオプションを増やし続け、個々のスタイルに合ったバージョンを見つけやすくしているということだ。先月、彼らはこのラインナップをさらに拡充させた。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 38mmのハミルトン カーキ フィールド メカニカルについてのレビューは比較的短いものになると思う。というのもこの時計を何度何度も取り上げてきたし、ブランドがブレスレットを追加した時にも話題にし、さらには私たちが限定版を作るほど愛している時計だからだ。多くの点で、これは典型的なフィールドウォッチであり、初めての、そして予算が限られた選択肢としても素晴らしい。そして普段購入する価格帯に関係なく愛用できるものでもあり、コレクションの中心となる可能性も秘めている。以下は(この時計の)共通点である。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 その名が示すように、ハミルトン カーキ フィールド メカニカル 38mmは直径38mmである。カーキ フィールド メカニカルには42mmバージョン(および異なる文字盤スタイルとレイアウトの自動巻きバージョン)もあるが、私の7.25インチ(約18.4cm)の手首と長身にもかかわらず、この38mmこそがフィールドウォッチの理想形であると確信している。オリジナルのカーキウォッチは33mmだったが、現代の好みは変化しており、38mmが最適なサイズであるようだ。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38 Bronze
Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 この時計の厚さは9.5mmで、防水性能は50mだ。防水性能が不十分だと嘆く人もいるかもしれないが、これはフィールドウォッチでありダイバーズウォッチではない。それでも湖に飛び込むくらいなら安心して使える。むしろあらゆる地上活動に適したハイカーや探検家のための素晴らしいオールラウンドウォッチだと考えている。頑丈であり、ほとんどの陸上活動にも耐えられる時計なのだ。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 ブロンズケースは時間の経過とともに独特の風合いが出てくる、“経年変化”が魅力のひとつだ。チタン製の裏蓋は時計をダメージから守るが、時が経つにつれて時計が黒ずみはじめ、(Googleで簡単に検索すると)マーブル模様が出てくることがある。ケースを常にキレイに保ちたいと考えるタイプの人には、ブロンズ製の時計はおすすめできない。ステンレススティールモデルのほうは、サテン仕上げの頑丈なケースに加えて、ブロンズモデルと同じ20mm幅のドリルドラグが追加されている。新しい文字盤を持つモデルも、依然としてクラシカルかつ伝統的な選択であることに変わりはない。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 文字盤デザインはアウトドアの使用に適しており、毎正時には大きくて太いクラシックなアラビア数字、アウタートラックには分表示のハッシュマーク、文字盤内側には24時間表示の数字を配置した。また、夜光塗料を塗布した時間表示も備わっている。このデザインのルーツは、1964年に初めて発表されたアメリカ軍用規格MIL-W-46374までさかのぼることができ、同スタイルのフィールドウォッチの流れを築いた。ハミルトンがL.L.ビーンのカタログを通じてこれらの時計を出荷した時期を含め、異なる顧客やエンドユーザーへどのように適応させたか興味がある方は、ヴィンテージの歴史からこの文字盤とよく似たバージョンのコレクションをチェックして欲しい。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 ハミルトンのカタログにはすでに多数の文字盤とストラップの組み合わせがあり、今回新たにリリースされた3本によって合計12種類となった。本作の文字盤には、ヴィンテージ調のベージュ夜光インデックスと針が特徴の新ブルーダイヤルが含まれており、それにマッチするブルーのNATOストラップが組み合わされている。これは希少なヴィンテージの“ブルーアンカー”ハミルトン カーキをクールに思い起こさせるものだが、新しい文字盤は“ブルーアンカー”が退色してほぼ黒になってしまった色とは異なり、より鮮やかで明るいブルーの色調となっている。以下にその一例を掲載する。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 ケース内には、ハミルトンの手巻き式H-50ムーブメントが搭載されており、約80時間のパワーリザーブを備えている。この小振りなケースには規格外のパワーリザーブを持つところは、手ごろな価格の時計としては大きなボーナスであり、価値があると感じている。確かにこれは精度の保証はないものの予算に優しい選択肢で、市場で最も信頼性の高いもののひとつだ。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 6月に発表されたほかのふたつの文字盤は、ホワイトダイヤルにブラックのテキストとヴィンテージ調のベージュ夜光を備えたブロンズケースのオプション(税込8万5800円のSSに対してプラス4万6200円というプレミアム)と、グリーンの夜光を持つSSケースの新しいホワイトダイヤルである。いずれの場合も、スーパールミノバはグリーンに光る。夜光の色が購入の決断に大きな影響を与えるという話は聞いたことがないが、タイトルが示すように、選択肢が増えることは悪いことではない...そうだろう?

Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38
Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 ハミルトン カーキ フィールド メカニカルについて非難できるポイントは、本当にふたつしかない。ひとつは、裏蓋に既に刻印が施されているために独自のテキストを追加できない点(私なら日付や個人的な意味を持つ文字を含んだ、擬似的な軍用発行番号を追加するだろう)。もうひとつは、多くの選択肢が提示されると決断麻痺に陥ることがあるという点だ。そのような人々にとって(私もそのひとりだが)、選択肢が多いことは必ずしもいいとは限らない。その場合、私は次のふたつの方法をすすめている。最初に目を引いたものを選び、ほかのオプションを検討しないこと。またはクラシックなブラック文字盤とSSケースの組み合わせを購入することである。

Hamilton Khaki Field Mechanical 38

 正直なところ、どの時計を選んでも間違いない。まれに友人から“X”色の文字盤は“Y”デザインのケースで欲しかったと言われることがあるが、そのような組み合わせが存在しないこともある。しかしハミルトンはあらゆる顧客のニーズに対応するため、あらゆるバリエーションを揃えつつあるのだ。

ハミルトン カーキ フィールド メカニカル。直径38mm、厚さ9.5mmのブロンズまたはステンレススティールケース、50m防水。文字盤はホワイトまたはブルー、針はブラックまたはホワイト、スーパールミノバはベージュまたはグリーン。手巻きCal.H-50搭載、時・分・センターセコンド表示。パワーリザーブは約80時間。ストラップはマットブラウンのカーフレザーNATOストラップ、ブルーのテキスタイルNATOストラップ、またはブラックのテキスタイルNATOストラップ。価格はSSモデルが8万5800円、ブロンズモデルが13万2000円(ともに税込)