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Hands-On 36mmのパルミジャーニを称賛することを誓おう

その名もパルミジャーニ・フルリエ トンダ PF ローズゴールド ルビーという。この時計は、私に新年の決意についていくつかの学びを与えてくれた。

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今は、私が1年のうちで最も大きな変化を起こしたくなる時期である。この2日酔いが治りさえすれば、そして冷蔵庫のなかの残飯を片付けさえすれば、もっとよい自分、もっと理想的な自分になるのだ。もはやつまらない人間ではなく、妬んだりせず、嫌なのに続けてしまう習慣にいつまでもはまってしまう人間ではなくなるのだ、と。

Tonda watch

 あと3週間もすれば、私が1年のうちで自己嫌悪に陥り、二度と触りすらしない抗ストレス食品の大袋を抱える時期になるだろう。この自己反省で言いたいのは、今、この瞬間に考えるべき時計として、このトンダ PF オートマティック ローズゴールド ディープルビーほど完璧なものはないということだ。

 この時計の名前は、『ローレル・キャニオン(Laurel Canyon)』の女優の5人の子どもではなく、その特徴に由来する。すでにスポーティでありながら洗練されているトンダコレクションに、ほんのわずかな、これまでにない優雅な変更を施した結果、新年のノラ(Nora)には夢としか思えないほど大きな衝撃を与えた。

Tonda PF watch on wrist

 この時計に惚れ込んでいるのは私だけではないだろう。GPHGは、TPFARGDR(トンダ PF オートマティック ローズゴールド ディープルビー。舌を噛みそうな単語だ)を多数の候補のなかから選出し、最優秀“レディスウォッチ”賞を授与した。これまでの受賞者はピアジェ、シャネル、ウブロなどであって、この受賞にみられる美的感覚の変化は興味深い。実際、デラノー・ロンド・トランスルーセントと2、3個のシャネルの時計(それなりに派手ではあるが)を除き、この部門の時計はすべて、よく言えばダイヤモンドが多く、悪く言えばけばけばしいものであった。

 これは“女性用”腕時計への主な不満としてたびたび耳にすることだ。すべての女性が自分好みの分野を持つことに反対しているのではなく、その分野がしばしば実用性ではなく羽飾りで一杯だということである。パルミジャーニの時計、および今回の受賞によって、レディスウォッチはきらびやかさ、落ち着き、力強さなど、さまざまな価値を有することができるという考えにようやく辿り着いたようだ。

Tonda PF watch
Tonda PF watch
Tonda PF watch

 そこで私が好きなテーマ、つまり私の話に戻る。ダイヤモンド自体は好きだが(私は何? シャーリー・バッシー(Shirley Bassey)か??)、それが時計についているのはあまり好みではない。かなりミニマルな時計が趣味で(そしてもし派手に着飾るのなら、ハイ&ローでいこう)、数千ドルを費やすと想像するなら、さらにお金を費やして宝石を買う価値はないと思えるのだ。だがこのバゲットカットの宝石は、ダイヤル上に、通常はデギュラ・インデックスがあるのと同じ位置にとてもスマートに配置されており(下から見て、私はいかにクールであるかを学んだ!)、ファンに大人気のGMTなど、ほかのトンダ製品で見られるロジウムメッキのゴールドインデックスと同様の形状をしている。

 一見、ダイヤモンドだとすら気づかなくとも無理はない。ダイヤルは、光のなかで動かしてみると特に立体感があり、過度に仰々しくない。ローズゴールドのモデルは、同じダイヤモンドの装飾があり、より伝統的なスポーツウォッチ風グレーダイヤルとステンレススティールのモデルとともに発表されたものだが、まったく違和感がない。小さな変化で大きなインパクトを与えているのだ。

dial of the Tonda PF

 マライカ・クロフォード(Malaika Crawford)は悔しがっているが、私はローズゴールドに目がない。ピンクゴールド、レッドゴールド…銅が少し入っておりさえすれば、何でも好きだ。ブレスレットとケースはいずれも18Kローズゴールドで、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが施され、ローレット加工のベゼルがダイヤルの過度な無機質感を抑えている。

 パルミジャーニ・フルリエは以前からトンダコレクションでローズゴールドを使用している。もしあなたがローズゴールド好きなら、きっと好きになるだろう。この金属のよさは、真の主役、つまりダイヤルとの相性のよさである。グランドルジュ ギョーシェ(Grain d'Orge guilloché)ダイヤルで、その色は“ディープルビー”と記載されているが、私は“パープル”と呼ぶほうが妥当、あるいは正確だとすら思う。

Tonda PF watch

 さらにこれは、ダイヤルのバゲットカットの宝石のように、大声で主張するようなものではなく礼儀正しく会話をしているようなパープルである。多面的であり、光の加減で微妙に変化する。この時計を初めて見たのは、アリゾナの明るい太陽の下、時計業界の女性たちに囲まれたときだった。次に見たのは、セピア色にけぶるニューヨークの職場だ。どちらのときも“これこそ本当のパープルだ”と感じたが、その色は暑い日の高速道路のように揺れ動き、生きているように見えた。

 この時計の目玉であり、“オンナノコ向けの時計”らしく見せているのは、36mmという新しいサイズである。外見は、より大きいほかのトンダと大きく異なることはなく、むしろ、手首につけたときの存在感を除けば、変化にほとんど気づかないほどにすべてのバランスが取れている。そして、ご覧いただけるだろうか、大きなインパクトをもたらす小さな変化がもうひとつある。時計内部には、小型化のために新たに自社開発された自動巻きムーブメントPF770が搭載されているのだ。60時間のパワーリザーブと、シースルーバックから見えるスケルトン仕様の回転ローターが特徴だ。

Tonda PF watch

 この時計の特筆すべき点は、小さいサイズを切望していたトンダファンに訴求する一方で、もしかしたらパルミジャーニに興味がある、美的感覚を備えたほかの集団の人々をも取り込むことができることだ。ダイヤモンドはお好きだろうか? ちょっとこちらに寄って、このダイヤルを見て欲しい。受賞歴のある時計に興味がおありだろうか? ならば、こちらへどうぞ。

 この時計は、結局のところ、シンプルでありながら、時刻表示のみのブレスレット一体型自動巻時計である。そして少しずつ、より明るく、より暖かい、自分自身に変わるための小さな一歩を歩んでいる。

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