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ラグジュアリーの世界において、ポルシェという言葉、そしてブランドほど特別な響きをもつ存在はそう多くありません。そしてそんなポルシェと並び立つのがポルシェデザインです。同ブランドは、911でのドライブに最適なライフスタイルアクセサリーを提案し続けています。時計からラゲージ、ハードドライブ、さらにはサーフボード(そう、サーフボードまで)に至るまで、ポルシェデザインは一貫して独自のアイデンティティを保ちながら、一貫して従来のカテゴライズを覆してきました。数週間前、ポルシェライフスタイルのCEOであるシュテファン・ビューシャー(Stefan Buescher)氏がニューヨークを訪れた際に、私は直接お話を伺う機会を得ました。企業としての哲学や直面する課題、そして意欲的な今後の展望について、第一線の声を聞く貴重な時間となったのです。
ポルシェデザイン クロノグラフ1 リミテッドエディション for HODINKEE 2024。
ポルシェデザインの成功の礎には、機能性と反骨精神に根ざしたデザイン哲学があります。「無駄なお金は使わないこと」とビューシャー氏は語ります。「完璧に機能する、実用的なソリューションを探すのです」。このアプローチは、創設者であるフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(Ferdinand Alexander Porsche)自身の思想に着想を得たもので、実用的な革新性を強調する一方で、意図的に常識に逆らう姿勢を貫いています。
ビューシャー氏と話を重ねるほどに、ポルシェの反骨精神が単なる表面的なマーケティング文句ではなく、ブランドのDNAに深く根ざしていることが明らかになりました。水冷エンジンを搭載した911の登場から、オフロード競技でもサーキットでも記録を打ち立てなければならなかった大胆なSUV、カイエンの発売に至るまで、ポルシェは常に市場の慣習に迎合するのではなくあえて困難な革新の道を選んできました。そしてそれはポルシェデザインにおいても同じです。今年初めに製作されたサーフボードを見れば、その姿勢は一目瞭然です。理屈としては理解できるものの、実践するとなればさぞかし難しいであろうこの哲学に、私は強く引かれるとともに深い敬意を抱いています。
シュテファン・ビューシャー氏(ポルシェライフスタイルCEO)。
この反骨精神が最もはっきりと表れているのは、ポルシェデザインが時計製造を完全に内製化すると決断を下した点かもしれません。長年にわたり、スイスの老舗メーカーとのパートナーシップを築いてきた同社ですが、2017年には自らの力で歩む道を選びました。「家族が非常に勇気ある決断を下したのです」とビューシャー氏は振り返ります。「自分たちの製造拠点で、時計を再び手がけることにしたのです」
早いもので2025年、ポルシェデザインはこの夏の終わりに、スイスに新たな製造拠点をオープンします。このファクトリーは、スイス・グレンヒェンにある、かつてポルシェ一族が所有していた建物を修復し活用したものです。長らく空き家だったこの場所には一族の思い出が息づいており、特別な意味を持っています。何年も前に手放さざるを得ず、その後8年間使われることなく放置されていたこの場所をポルシェデザインが再び取得し、修復を施しました。この建物の取得と再生は、単なる生産能力の拡大にとどまりません。それはブランドの独立性を示す意思表明であり、ポルシェ流のモノづくりに対する揺るぎない姿勢の表れでもあります。長年にわたりブランドを突き動かしてきた深い哲学を、物理的なかたちで体現した存在なのです。
ポルシェデザイン クロノグラフ1 F.A.T. 2025 エディション。
「この施設はポルシェグループの一員として取得し、多額の投資を行いました。これは自社製造に対する我々の信念を社内に示す大きなメッセージでもあります」。この新拠点により、ポルシェデザインは自社の時計職人と設備を活用し、年間の製造本数を増やすことが可能になります。そこには、量より質を重視するブランドの姿勢が表れています。
ポルシェデザインの近年の戦略のなかでも、特に興味深い取り組みのひとつがオーランド・ブルーム(Orlando Bloom)氏とのパートナーシップです。彼は今年2月にブランドアンバサダーに就任しましたが、よくあるセレブの広告起用とは異なる経緯をたどっています。ビューシャー氏によれば、このコラボレーションは自然な流れのなかで生まれたものだと言います。というのも、ブルーム氏が自前のポルシェでブランドのイベントに現れ、ポルシェへの真摯な情熱を語ったというのです。「彼は親しみやすくて魅力的な人物で、ポルシェに対する情熱も本物です」とビューシャー氏は語ります。そこにブルーム氏の自然体な時計愛が加われば、関わるすべての人にとって理想的なパートナーシップが成立するというわけです。
ポルシェデザイン クロノグラフ1 ポルシェ75周年記念モデル。
今後について、この新ファクトリーがブランドにもたらす変化に大いに関心を寄せています。もちろん、生産能力が高まるという点はありますが、それだけではありません。この場所をファン向けに公開し、製造の現場を見学できるツアーを実施するという構想も耳にしています。もしそれが実現すれば、非常に大きな意味を持つことでしょう。ポルシェデザインは大衆市場を狙っているわけではありません。同ブランドの戦略は、厳選された少量生産と持続可能なビジネスモデルに重点を置いています。「わかる人にはわかるのです」とビューシャー氏は語ります。これは単なる消費者ではなく、真に理解のある愛好家との関係を育むという、ブランドの姿勢を端的に示す言葉です。
時計市場がますます混雑し、画一化が進むなかで、ポルシェデザインによる本物の差別化へのこだわりは際立った存在感を放っています。反骨精神というルーツに忠実でありながら、選び抜かれた革新を受け入れることで、ポルシェデザインはこう証明し続けているのです。ラグジュアリーの世界においてほかと違うということは、単に優れているというだけでなく、それ自体が不可欠なのだと。
ポルシェデザインについてさらに知りたい方はこちらから。
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