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我々が知っていること
MB&Fが2022年にLM シーケンシャル EVOを発売したとき、それはブランドにとって画期的な出来事だった。単にMB&Fにとって初のクロノグラフというだけでなく、このブランドにしか成し得ない方法で表現されたクロノグラフだったからだ。その基本概念はスプリットセコンド クロノグラフ機構に近いが、ふたつのカウンターを独立させて、あるいは同時に作動させることができ、さらには一方をスタートさせると同時にもう一方を瞬時に停止させることも可能だ。ブランドを象徴するフライングバランスホイールと、ウォッチメイキングへの立体的なアプローチが加われば、ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)を受賞するほどのヒット作となったのも不思議ではない。しかしそれはこの時計が到達しうる究極の完成形ではなかった。
その後、ムーブメントの発案者であるスティーブン・マクドネル(Stephen McDonnell)氏はクロノグラフ機能を瞬時にリセットできるフライバック機能をこのムーブメントに追加できることに気づき、ブランドはよりクラシックなLM シーケンシャル フライバックをリリースした。MB&Fの時計にいわゆるドレスウォッチは存在しないが、そのモデルはEVOシリーズのような防水性を備えておらず、ホワイトラッカー仕上げを施したダイヤル(と、異なるケース形状)を採用していた。そして今、このふたつのアイデアが統合され、初のLM シーケンシャル フライバック EVOが誕生したのである。
サイズは非EVO仕様モデルと同じ(直径44mm×厚さ18.2mm)だが、よりスポーティなアクセントを加えたグレード5チタンケースを採用。ホワイトのラバーストラップとデプロワイヤントバックルを備え、80mの防水性能とケース内蔵のショックアブソーバーを装備している。詳細なスペックは後述するが、デザイン面で注目すべきふたつの変更点がある。まず、ダイヤルプレートにはブラックのインダイヤルと見事なコントラストを成すアクアマリンが採用された。さらに、6時位置に配置された時刻表示用のインダイヤルが上向きに傾斜していることで、手首を休めている角度での視認性が向上している。
本作は限定モデルではないが、年間の製造数は決して多くはないだろう。価格も23万ドル(日本円で約3600万円)と、ほとんどの人にとって高嶺の花だ。しかし、これこそがこれまでのベストバージョンではないかと思わずにはいられない。
我々の考え
もし私に無限の資金があれば、すでに何らかのMB&F LM シーケンシャルと、それに合わせるLM パーペチュアルを所有していただろう。これらは現在MB&Fが手がけているなかで最もクールな時計であり、この新しいLM シーケンシャル フライバック EVOこそが、このモデルがあるべき姿だったと感じる。ドレスウォッチ風のクロノグラフには少し違和感を覚えてしまう私にとって、このようなスポーティな仕様こそが理に適っているからだ。このムーブメントが最初にEVOとして発売された際、マクシミリアン・ブッサー(Max Büsser)氏は私に、フライバック版はあえて非EVOとして発表するのが最も合理的だと語っていた。そうすることで混乱を避け、顧客に選択肢を与えることができるからだ。また(私の推測も含まれるが)初期の購入者が“劣った”バージョンを手にしてしまったと感じさせないための配慮でもあったのだろう。しかし今、この時計はまさに理想の姿となった。あらゆる機能を詰め込みながらも身につけやすく、日常使いに適した姿にまとめられている。
また、EVO仕様に備わっているブラックインダイヤルを心から気に入ったのは今回が初めてだ。これまでダークなリングや時刻表示ディスクに対して抱いていた不満のひとつは、視覚的に重すぎる印象を与えることだった。しかし今回、明るく美しいアクアマリンのダイヤルプレートを採用したことでコントラストが高まり、ブラックの表示部がわずかに和らいで見える。すべてが調和し、驚くほど素晴らしい外観に仕上がっている。誰か私と割り勘(あるいは4分の1ずつ出し合うとか)で買いたい人はいないだろうか?
基本情報
ブランド: MB&F
モデル名: LM シーケンシャル フライバック EVO(LM Sequential Flyback EVO)
直径: 44mm
厚さ: 18.2mm
ケース素材: グレード5チタン
文字盤: アクアマリンのダイヤルプレート
インデックス: ブラックのインダイヤルリング、時刻表示用の傾斜ダイヤル
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 80m
ストラップ/ブレスレット: 一体型ラバーストラップ、チタン製フォールディングバックル付き
ムーブメント情報
キャリバー: MB&Fのためにスティーブン・マクドネル氏が開発した自社製ムーブメント
機能: 時・分表示、秒表示、デュアルフライバッククロノグラフ、背面にパワーリザーブインジケーター、60秒および30分積算計
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: ツインバレルを備えた手巻き、ねじ込み式リューズ
振動数: 2万1600振動/時
石数: 63
クロノメーター認定: なし
追加情報: ケースとムーブメントのあいだにフレックスリング耐震機構を搭載し、垂直方向と横方向の衝撃から保護。表面とディスプレイバックのサファイアクリスタルには、両面に反射防止コーティングを施している。
価格&発売時期
価格: 23万ドル(日本円で約3600万円)
発売時期: 発売中
限定: なし
詳しくはこちらをご覧ください。
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