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Introducing 極海の氷柱“ブライニクル”を纏った、MR-G フロッグマン30周年記念モデルが登場

MR-Gが30周年を迎える2026年。その節目を飾るモデルに選ばれたのは、プロフェッショナルラインの象徴とも言えるフロッグマンだった。極海の自然現象“ブライニクル”を、コバリオン製ファセットベゼルとブルーサファイアで表現したMRG-BF1000EB-1AJRは、MR-G フロッグマンという存在を記念碑へと押し上げる1本である。

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クイック解説

1996年に“壊れないメタルウォッチ”、そして“ビジネスで使えるG-SHOCK”として誕生したMR-Gが、2026年に30周年を迎える。そのアニバーサリーモデルとしてこの6月に登場するのが、MRG-BF1000EB-1AJRだ。ベースとなるのは、2023年に登場したMR-G フロッグマン。G-SHOCKの本格ダイバーズラインをMR-Gならではの金属外装と高精度な仕上げで再構成したシリーズから、30周年を記念する特別仕様が登場する。

 今回のMRG-BF1000EB-1AJRがテーマに掲げるのは、極海で発生する自然現象“ブライニクル”である。海中に伸びる氷柱の冷たく神秘的な印象を、ブルーのAIP(アークイオンプレーティング)処理を施したコバリオン製ベゼルや9時位置に配されたラボグロウン・ブルーサファイアによって表現している。ベゼルには小松ダイヤモンド工業によるボルテックスファセットカットが施され、見る角度によって氷の結晶のような反射を見せる。

 とりわけ注目すべきは、ベゼルの加工を手がけた小松ダイヤモンド工業代表・小松一仁氏の存在だ。氏は伝統的なダイヤモンド研磨技術を応用した“華真珠”などで知られる職人である。MR-Gにおいては、2021年の25周年モデル「華婆娑羅(はなばさら)」でもコバリオンベゼルの加工を手がけており、今回の30周年モデルでも再びその技が投入された。工業製品としての完成度を突き詰めるカシオのMR-Gに、宝飾加工にも通じる人の手仕事を組み込む。この組み合わせこそ、本作を単なる限定モデルではなく、ラグジュアリーウォッチの領域で語り得るものにしているのだ。

 ケースサイズは56.0×49.7×18.6mmで重さは132g。ISO規格に準拠した200m潜水用防水を踏襲し、タフソーラー、Bluetooth接続、マルチバンド6を備える。また、ダイバーズウォッチとしてダイビングログやタイドグラフといったフロッグマンらしい機能も継承する。外装には64チタンを採用し、コバリオン製ベゼルにはボルテックスファセットカットとブルーのAIP処理を施す。フロントパーツには57面ラウンドブリリアントカットのラボグロウン・ブルーサファイアをセットし、裏蓋にはブルー蒸着のサファイアクリスタルスクリューバックを採用。世界限定800本で、シリアルナンバーが入れられる。

 ストラップは汚れに強くしなやかなホワイトのデュラソフトラバー製。さらに交換用のチタンブレスレットと専用工具が付属し、日本発のラゲージブランド、プロテカと共同開発した専用ボックスに収められる。価格は121万円(税込)。発売は2026年6月を予定している。


ファースト・インプレッション

そもそもフロッグマンがMR-G化したことの意義は、単にフロッグマンを金属外装に置き換えたことにあるわけではない。フロッグマンが本来持つISO規格に準拠した200m潜水用防水、ダイビングログ、タイドグラフといった実用機能を保ちながら、外装を70以上のパーツで構成し、気密性と耐衝撃性、そして複雑な左右非対称フォルムを両立させた点にある。つまりMR-G フロッグマンとは、G-SHOCKのプロフェッショナルツールとしての資質を、カシオが持つ最高峰の外装技術で受け止めた存在なのだ。今回の30周年モデルは、その文脈をさらに記念碑的な表現へと押し上げたものと言える。そこには、明確なメッセージがあるように思う。フロッグマンはG-SHOCKのなかでもとりわけ“ツール”としての性格が強いコレクションだ。その実用時計としての骨格にMR-Gの精密なメタル外装と工芸的な仕上げを重ねることで、本作は単なる高級版フロッグマンではなく、G-SHOCKのタフネスをラグジュアリーの言語に置き換えたモデルになっている。

 その中心にあるのが、コバリオンベゼルに施されたボルテックスファセットカットだ。今回の表現は華婆裟羅で見せたコバリオンベゼルの延長でありながら、仕上がりの方向性は大きく異なる。華婆娑羅ではカットの面を大きく取り、ポリッシュによってコバリオンのつややかな光沢を生かすことで、装飾的で情緒的な表情を作っていた。一方で本作では、より細かなカット面とサテンの鋭さ、そして稜線のエッジを際立たせることで、ブライニクルというモチーフにふさわしい冷たく荘厳な空気をまとわせている。

着用イメージ

 ここでおもしろいのは、小松ダイヤモンドが本来金属加工を主業としているわけではないという点だ。宝飾研磨の世界で培われた技術を、MR-Gというカシオ最高峰の工業製品にどう応用するか。その試みが25周年の華婆娑羅でひとつのかたちとなり、そこから5年を経て、30周年のブライニクルではまったく別の光の表現へと展開された。単なる外部職人とのコラボレーションではなく、カシオと小松ダイヤモンドが互いに新しい表現を模索してきたパートナーシップの成果として見るべきだろう。

 ブライニクルというモチーフも、単なる色や物語のためだけに選ばれたものではない。海中でねじれながら伸びる氷柱のイメージを、多面体のベゼルが受ける光の揺らぎとして表現している点に説得力がある。白いラバーやブルーサファイアはもちろん目を引くが、本作の本質はむしろ、硬い金属に冷たい光を宿らせるという外装表現にある。自然現象を絵柄としてではなく、素材と仕上げの質感で見せているところに、カシオが得意とするCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインの妙がある。

単体イメージ

 税込121万円という価格帯において、本作に与えられた64チタン、コバリオン、ブルーサファイア、プロテカ製スペシャルボックスといった要素は、カシオというメーカーらしい価値の積み上げ方だと思う。素材や構造、機能、そしてパッケージに至るまで、ひとつひとつの要素を具体的に作り込むことで、時計そのものの密度を高めていく。そこには、抽象的な高級感だけに頼らない誠実さ、実直さがある。

 だが本作でより重要なのは、その先にある価値だ。職人の手作業によってコバリオンに光の表情を与え、ブライニクルという荘厳な自然現象を時計の外装表現として発露する。その試みは、単なる素材やスペックの積み上げにとどまらない。プライスレンジの面でもブランド価値の面でも、MR-Gを次のステージへ進めるための一手になり得るのだ。MRG-BF1000EB-1AJRはG-SHOCKの頑強さを保ったままに、ラグジュアリーウォッチとして何を語れるのかを示すモデルなのだと思う。

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基本情報

ブランド: G-SHOCK MR-G
型番: MRG-BF1000EB-1AJR

直径: 49.7mm
厚さ: 18.6mm
ケース素材: 64チタン、コバリオン製ベゼル
文字盤色: ブラック
インデックス: 蓄光インデックス
夜光: あり、蓄光インデックス、スーパーイルミネーター
防水性能: 200m潜水用防水(ISO規格準拠)
ストラップ/ブレスレット: ホワイトのデュラソフトラバーストラップ、交換用チタンブレスレット付属
追加情報: ブライニクルをテーマとしたボルテックスファセットカットのコバリオンベゼル、ラボグロウン・ブルーサファイア、サファイアクリスタル製スクリューバック、タフソーラー、Bluetooth接続、マルチバンド6、ダイビングログ、タイドグラフ、ストラップ交換用工具およびプロテカと共同開発した専用ボックスが付属


価格 & 発売時期

価格: 121万円(税込)
発売時期: 2026年6月
限定:世界限定800本、シリアルナンバー入り

詳細は、こちらをクリック。

Photographs by Masaharu Wada, Yusuke Mutagami