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我々の考え
少し前のWatches&Wondersで、ジャガー・ルクルトは今年一番の新作(と思われるモデル)を披露した。デュオメトルシリーズは技術的には確かに素晴らしいものだが、一般消費者の手首に装着するには少々ニッチなコレクションだった。こう聞くと「ルクルトで一般消費者向けと言うなら、レベルソかマスター・コントロールがそうじゃないか?」と思う人もいるかもしれないが、彼らは今回ポラリスがいかに優れたコレクションであるかを再認識させるような新作を発表した。さあ、新しいポラリス・ジオグラフィークを見ていこう。
この度発表されたジャガー・ルクルト ポラリスの新作は3種あり、それぞれ新しいダイヤルを備えている。だが最大の目玉は、Cal.939の最新バージョン(2020年のマスター・コントロール・ジオグラフィークに搭載されたのと同じものだ)を搭載したジオグラフィークの新作である。パワーリザーブは70時間で、簡単に設定できる6時位置の第2時間帯表示(10時位置のリューズで設定、文字盤上の都市を参照する)に加え、AM/PMインジケーター、文字盤10時位置にはパワーリザーブインジケーターを備えている。また、日付表示のインダイヤルをなくしたことで、センターにサンバースト仕上げを施した、新しいオーシャングレーグラデーションのラッカーダイヤルに似合うすっきりとしたルックスを獲得した。また、直径42mm×厚さ11.54mmのケースの裏蓋からはムーブメントを眺めることができ、100m防水を維持している。実に見栄えのするパッケージであり、デュアルタイム・ミーツ・ワールドタイムのおもしろい試みとなっている。価格は235万4000円(税込)だ。
ポラリス・デイトのグリーンダイヤルモデルは、ジャガー・ルクルトのラインナップのなかでも私のお気に入りの時計のひとつだ。しかし今回、ブラックダイヤル、ブルーダイヤルのバリエーションに加え、上記ジオグラフィークと同様にセンターにサンバースト仕上げを施したオーシャングレーのラッカーダイヤルを備えるポラリス・デイトが登場した。このモデルではブラックとグリーンのダイヤルに施されていたフォティーナ風の夜光はなく、ホワイトのスーパールミノバを塗布したインデックス、“12・6・9”の文字盤レイアウト、3時位置のデイト表示、回転式インナーベゼルを備えたブルーグレーのパッケージにこだわっている。ステンレススティール製ケースのサイズは直径42mm×厚さ13.92mmで、この十分な厚みが防水性能を200m防水まで高めている。ムーブメントには70時間のパワーリザーブを有するCal.899を搭載し、価格は161万9200円(税込)となっている。
そして、ポラリス・パーペチュアルカレンダーの18Kピンクゴールドモデルにも、グリーングラデーションのラッカー仕上げを施した新ダイヤルが採用された。ケースはジオグラフィークとほぼ同じ直径42mm×厚さ11.97mmで、防水性能は100m、同様に回転式インナーベゼルを備えている(下の写真では1時方向を指しているのがわかる)。ダイヤルには、泡のような立体感がある。ムーブメントはCal.868で、午後8時から午前4時のあいだにうっかり日付変更をしないよう、文字盤上に赤く“セキュリティーゾーン”が設けられている。ムーブメントのパワーリザーブは70時間で、価格は765万6000円(税込)だ。
我々の考え
ポラリス・ジオグラフィークは2018年に発表されて以来アップデートされておらず、その時も250本の限定生産だったため、モデルチェンジのタイミングとしてはずいぶん遅かったと言える。新作では都市表記がベゼルがダイヤルをぐるりと1周することなく、“ワールドタイム”としての印象はやや薄れたが、日付表示の削除と都市表示の変更によってデザインがシンプルになったことで、よりまとまりのあるデザインに仕上がっている。
HODINKEEにおいて“キング・オブ・GMT”の称号を手にしたジェームズ・ステイシーにはかなわないが、私は私でデュアルタイムゾーンウォッチが大好きだ。スポーティなものにクラシックなもの、ドレスライクなもの、その他あらゆるスタイルが用意されていればいる分だけ、私は喜んでGMTやワールドタイムをリピートし続けるだろう。正直、それでコレクションを増やしていくのもおもしろいかもしれない。
ポラリス・ジオグラフィークは、マーケットのなかでも特に大胆でスポーティな選択肢のひとつであり、グラデーションとテクスチャーをミックスした新しいラッカーダイヤルは、その見た目の美しさに大いに貢献している。ケースサイズも直径42mm、厚さは11.54mmと比較的薄く、モダンな時計が欲しいなら申し分ない。
新しいダイヤルカラーとラッカーの質感は、過去のリリースと2019年にアップデートされたデザイン言語を踏襲した新作ポラリス・デイトのうえでいっそう美しく映える。5年前のデザインと聞くと少し古くさく捉えてしまうかもしれないが、このモデルにおいてはまだまだモダンに感じられる。これは優れたデザイン(と小さなアップグレード)が何をもたらすかを示す好例だ。
18KPG製のポラリス・パーペチュアルカレンダーの新しいダイヤルも見事だが、何よりもグリーンのポラリス・デイトを私がどれほど気に入っていたかを思い出させてくれる。このダイヤルをSS製ケースに入れたら、どれだけ素晴らしくなるだろう。この時計を実際に見るまで、“スポーツ・パーペチュアルカレンダー”という概念についてあまり考えたことがなかった。ロイヤル オークのパーペチュアルカレンダーは真にスポーティといえるほどの防水性を備えていないし、オーヴァーシーズのパーペチュアルカレンダーもそれほど優れているとはいえず貴金属製のみである。ポラリス・パーペチュアルカレンダーはSS製で(このダイアルではないものの)、直径42mmに厚さ12mmというサイズ、100mの防水性能、そしてほかの選択肢の半額程度というプライスから、スポーツ・パーペチュアルカレンダーとしては市場でもっともコストパフォーマンスが高いといえるのではないだろうか。
基本情報
ブランド: ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)
モデル名: ポラリス・ジーグラフィーク、ポラリス・デイト、ポラリス・パーペチュアルカレンダー
型番: Q9078640(ジオグラフィーク)、Q9068650(デイト)、Q908263J(パーペチュアルカレンダー)
直径: 42mm
厚さ: 11.54mm(ジオグラフィーク)、13.92mm(デイト)、11.97mm(パーペチュアルカレンダー)
ケース素材: SS(ジオグラフィーク、デイト)、18KPG(パーペチュアルカレンダー)
文字盤色: オーシャングレーのグラデーションラッカー仕上げ(ジオグラフィーク、デイト)、グリーンのグラデーションラッカー仕上げ(パーペチュアルカレンダー)
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m(ジオグラフィーク)、200m(デイト)、100m(パーペチュアルカレンダー)
ストラップ/ブレスレット: ブラックのラバーストラップとブルーグレーのキャンバスストラップ(ジオグラフィーク)、ブラックのラバーストラップ(デイト)、グリーンのラバーストラップとブラックのアリゲーターレザーストラップ(パーペチュアルカレンダー)
ムーブメント情報
キャリバー: JLC 939(ジオグラフィーク)、JLC 899(デイト)、JLC 868(パーペチュアルカレンダー)
機能: 時・分・秒表示、第2時間帯表示、パワーリザーブ表示、24時間表示、デイ/ナイト表示(ジオグラフィーク)、時・分・秒表示、デイト表示、回転式インナーベゼル(デイト)、時・分・秒表示、パーペチュアルカレンダー、両半球のムーンフェイズおよび月齢表示、日付調整警告ゾーン、回転式インナーベゼル(パーペチュアルカレンダー)
パワーリザーブ: 70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
クロノメーター認定: なし
価格 & 発売時期
価格: ポラリス・ジオグラフィークは235万4000円、ポラリス・デイトは161万9200円、ポラリス・パーペチュアルカレンダーは765万6000円(すべて税込)
発売時期: 発売中
限定: なし
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