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Watching Movies ジェイク・ギレンホールが映画『ナイトクローラー』で「盗品」のブライトリングを着用

ルーズなモラルにルーズフィットの時計。今週の映画の中の腕時計だ。

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陽光が降り注ぐロサンゼルスは、夜になると一転して暗くなる。 『ナイトクローラー(Nightcrawler)』 (2014年)は、ジェイク・ギレンホール演じる心に大きな闇を抱えた人物が、地元ニュース局のフリーランス・ビデオグラファーとしての仕事を恐ろしい境地へと進めていく物語だ。ギレンホールが演じるルイス・ブルームは、目の大きな反社会的な自営業者で、最悪の意味でのアメリカンドリームを追い求めている。彼は、悲惨な犯罪現場や交通事故の映像がお金になると知ると、その道でトップになりたいという野心を強め、同時に人間らしさのバロメーターを失って行く。頂点を極める道のりで、彼はスイス製の高級時計を手に入れた。が、それは決して彼の腕に馴染むものではなかった。

Photo: Chuck Zlotnick/Open Road Films


注目する理由

 今週末はベルモントステークス(Belmont Stakes=アメリカの競馬、アメリカクラシック3冠の一つ) が開催されるが、その準備のために、不安にさせるような、完璧にダークなスリラー映画を見るのはいかがだろう? この「イチかバチか」的な映画の中、ルイス・ブルームが800馬力の赤(黒のレーシングストライプ付き)のドッジ チャレンジャーSRT8に乗ってロサンゼルスを走り回る。ハイステークス(イチかバチか)...ベルモントステークス...馬力...競馬...。まあ、こじつけと言われても仕方ない。でも、クールな映画でクールな時計が見られるのだ。

スクリーンショット: Open Road Films

 本作に出てくる時計は一つだが、ブルームの腕にあるのは銀幕ではあまり見られない、ブライトリングのクロノマット エボリューションだ。これは2000年代前半から半ばにかけて作られたもので、非常に時代を反映している。44mmの大型ケースにホワイトの文字盤、そしてサブダイヤルにはワイルドな太い数字が配されている。クロノマットの特徴的なベゼルとリューズを備えたこのモデルは、ビッグウォッチの "旬 "だったころを象徴している。そのデザインには、クリーンさや実用性は関係ない。大きく、派手で、豪華ならばいいのだ。ステンレススティール製のノンテーパード・ブレスレットがアクセントになっている。

『ナイトクローラー』でギレンホールが着用した時計と同様のブライトリングのエボリューション

ブレスレットの様子。映画の中では文字盤よりも多く見ることができる。

 時計そのものよりも興味深いのは、ギレンホール演じる主人公がどのようにしてその時計を手に入れたかということだ。冒頭のシーンで初めてこの時計が紹介されるが、より重要なのは、ここでルイス・ブルームがどれほど暗く、心を病んでいるかを我々は知るのだ。彼はブライトリングを盗み、映画の中でずっとそれを身に着けているが、決してフィットすることはない。ほとんど常に、ブライトリングは彼の腕からぶら下がって(しばしば逆さまに)いる。ギレンホールはこの役のために驚くほど体重を落としたことで知られるが、結果として、ガリガリに痩せたキャラクターの細い手首に44mmのサイズが、はっきりと巨大に映っている。

Photo: Chuck Zlotnick/Open Road Films

 余談だが、ギレンホールは実生活ではちょっとした時計好きのようだ。映画のプロモーション・ツアー中、彼はロレックスのミルガウスRef.116400GVを着用していた。116400GVは、グリーンのクリスタルとオレンジの稲妻型秒針を備えたブラックダイヤルのモデルで、映画と同じようにルーズに腕に着けていた。しかし、ギレンホールはブルームではなく(ありがたいことに)、時計は『ナイトクローラー』で着ていたものではないことを忘れてはならない。さて、ブライトリングの話に戻ろう。

『ナイトクローラー』のプロモーションのために『Build』誌のインタビューに応じたジェイク・ギレンホールは、作品中のようにルーズなフィット感のロレックス ミルガウス 116400GVを着用していた。Image: Getty/Desiree Navarro


見るべきシーン

 映画は、ブルームがワイヤーカッターを持ち、フェンスを破って銅線を盗もうとしているシーンから始まる。彼はすぐに警備員に捕まる。尋問を受けるブルームが警備員の手首に目をやると、そこには腕時計がある(HODINKEE読者に違いない)。この瞬間、時計がクローズアップされるが [00:03:20] 、その後、ブルームは警備員を殴り倒し、事態は一気に悪化する。そしてフィルムは、彼が錆びたトヨタの古いハッチバックを運転しているシーンに切り替わる。ロサンゼルスの夜明け前の光の下、彼は時計を手に持ち、巨大な戦利品を確かめる。

スクリーンショット: Open Road Films

 次は、近くで自動車事故が発生したという警察無線が聞こえてくるところだ。「事故で負傷者か、いい環境だ」 ブルームはそう言うと、チャージャーを事件現場に向けて走らせる。彼はホットシュー式のビデオライトが付いた新型の派手なカメラを手に、目撃者にインタビューをする [00:39:56]。その際、彼の細い手首から特大のブライトリングがぶら下がる。 時計のケースと腕の間には、ほぼ1インチの隙間がある。そして彼は、イブニング・ニュースという名のもとに、倫理的行動の限界に挑んでいく。これは時計がはっきりと映る多くの危険なシーンの一つだ。ここでは時計は様々な意味での象徴であり、その姿は非常に印象的に残る。

Photo: Chuck Zlotnick/Open Road Films

 『ナイトクローラー』(出演:ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド、 レネ・ルッソ 、ビル・パクストン)監督はダン・ギルロイ、撮影はロバート・エルスウィット、小道具はキング・オーバ。Netflixでストリーミング配信されているほか、iTunesやAmazonでもレンタルできる。ブライトリング クロノマット エボリューションの類似モデルはこちらで。現行版のブライトリング クロノマットの詳細については、Breitling.comを。

Lead image courtesy: Chuck Zlotnick/Open Road Films