ADVERTISEMENT
クイック解説
NAOYA HIDA & Co.をご存知でしょうか? 昨年の3月に立ち上げられたばかりの日本生まれの時計ブランドで、ブランド名は創業者である飛田直哉氏の名を冠しています。飛田氏は、1990年から複数の外資系専門商社でエテルナ、ジャガー・ルクルト、ヴァシュロン・コンスタンタンやブレゲといった名だたるブランドのセールス・マーケティングを担当し、さらにF.P.ジュルヌやラルフ ローレン ウォッチ アンド ジュエリーの日本代表も務めており、日本の時計業界で誰もが知る人物です。そんな飛田氏が、理想の腕時計を日本で作るべく、2018年に自身の時計ブランドを創業し、昨年初めて市販モデルとなるNH TYPE 1Bが発売されました。今回ご紹介するNH TYPE 2Aは、2020年の2本の新作のうちの1本です。
NH TYPE 2Aは、1950年代のヴィンテージウォッチ・デザインを取り入れた手巻きの腕時計です。ですが、ケースサイズまでもヴィンテージというわけではなく、直径37mm×厚さ10.7mmと比較的小ぶりながら現代的なサイズ感を採用。ケースには、904Lスティールが採用されています。904Lスティールは、耐食性が高くとても堅牢である反面、加工が困難なため、ロレックスなど一部のメーカーでのみ使われている素材でもあります。シャープでエッジの効いたラグと、大きくつかみやすいリューズもヴィンテージ・テイストを強めている特徴の一つといえるでしょう。
シルバーの文字盤は、ベゼル側から中央に向かって3段階にすり鉢状になっており、立体感があります。3、6、9、12時部分のみアラビアインデックスで、これは熟練した職人によって手彫りされた後、カシューと呼ばれる合成漆を流し込むことで光沢感のある独特の雰囲気に仕上げられています。針は時・分針がバトン針で、秒針は加熱処理によるブルースティールです。
内部に搭載するのは、ETA社の自動巻きクロノグラフムーブメント・7750をベースに開発された手巻きムーブメントCal.3020CSです。これは、昨年発表されたスモールセコンド方式のCal.3019SSを改修し、インダイレクト・センターセコンド方式にしたものです。パワーリザーブは、約45時間ですが、新設計のコハゼとコハゼバネを搭載し、巻き心地が追求されているため、毎日でも巻きたいと思ってしまうかもしれません。
ファースト・インプレッション
この時計で最も注目すべき点は、やはり文字盤だと思います。文字盤は、外周のチャプターリングが別部品になっており、2つの部品で構成されています。3層にデザインされ、立体的な構造であるため、一般的な時計の文字盤に比べて3倍近い厚みがあります。ですが、下の写真を見ても分かる通り、文字盤の上ギリギリをまさに這うように設置された時・分・秒針のおかげで、ケースの厚さはわずか10.7mmしかありません。ベースムーブメントのバルジュー7750は、元々トルクのあるムーブメントではありますが、太く力強いバトン針には針の裏に溝が掘られ軽量化が図られています。針をしっかりと回し、精度を出すための細かな設計といえます(もちろん表からは全く分かりません)。
ヴィンテージデザインにもマッチした37mmのケースはモダンサイズで、多くの人が楽しめる時計でしょう。実際に着けてみると、程よく小ぶりでとてもに着け心地が良いことが分かります。太いバトン針と立体的な文字盤も相まって、視認性も高いです。風防のサファイアクリスタルに、内側のみに無反射加工コーティングが施されていることも要因のひとつかもしれません。
ヴィンテージデザインが好きな私は、初めてこの時計見たときにすぐに虜になりました。時計のどの部分を取っても、作り手のこだわりが強く伝わってくるのを感じたからです。ご紹介したNH TYPE 2Aは、税抜価格210万円で、限定ではありませんが、もう一つの新作であるNH TYPE 1Cとあわせて20本が生産される予定です。
基本情報
ブランド: Naoya Hida & Co.
モデル名: NH TYPE 2A
直径: 37mm
厚さ: 10.7mm
ケース素材: ステンレススティール(SUS904L)
文字盤色: シルバー(洋銀製)
インデックス: 手彫りのアラビア数字、外周の秒目盛りのリングは別部品の組み込み
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ピンバックル付きカーフレザーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: Cal. 3020CS
機構: 時、分、秒
直径: 30mm
厚さ: 5mm
パワーリザーブ: 45時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 4Hz(2万8800振動/時)
石数: 21石
価格・発売時期
価格: 210万円(税抜)
販売時期: 発売中、公式サイトからオーダー可能。
限定: 限定ではありませんが、年産10〜15本程度の予定
詳細は、NH WATCH公式サイトか飛田直哉氏のInstagramアカウントをご確認ください。