Introducing オリエントスター M45 F8 メカニカル ムーンフェイズ ハンドワインディング

　ダイヤルは2種類展開される。ひとつはシルバーダイヤルにブルースティール調の針を合わせたモデル、もうひとつはグレーグラデーションのテクスチャーダイヤルを備えたモデルだ（こちらは限定モデル）。いずれもクラシックなローマ数字を肉盛り感のあるタコ印刷で仕上げ、立体的でバランスの取れたデザインに仕上げている。6時位置のムーンフェイズは従来の一体構造から進化し、金属板、マザー・オブ・パール（MOP）、ムーンフェイズディスクを重ねた3層構造を採用。MOPの自然な光沢が月に柔らかな奥行きを与え、従来以上になめらかで光沢感のある仕上がりとなった。

　ケースサイズは39.5mm、ラグ・トゥ・ラグは46.7mmで、厚さは従来モデル（13.8mm）から約2mmスリム化され、11.9mmに抑えられている。風防と文字盤のあいだのクリアランスを従来の約2mmから1.2mmへと縮小したことで実現したもので、余白を大幅に減らした結果、装着時には針やインデックスがより近くに感じられるデザインとなった。

　搭載するのは新規に開発された手巻きムーブメント、Cal.F8A62。ブランド独自のシリコン製がんぎ車を用いることで70時間のロングパワーリザーブを実現し、精度は日差+15秒～-5秒を確保する。時計を裏返すと、シースルーバックから同キャリバーが姿を現す。三番車をのぞかせる位置に三日月を象った独自の切り欠きを設け、地板全体に広がる波目模様は幅を断続的に変化させることで星の軌跡をイメージしている。

　もちろん、オリエントスターのアイコンとも言えるパワーリザーブインジケーターも備わっており、価格はレギュラーモデルが38万円、換えストラップが付いた限定モデルが43万円（ともに税込）だ。クラシカルなデザインと最新技術を両立させたこの新作は、M45コレクションの核となる存在として位置付けられている。

　全体として、これまでのオリエントスターの流れからするとシンプルな構成で、いい意味で意外だった。ブランドはスケルトンデザインを得意としてきたが今回のダイヤルにはそうした意匠は一切なく、ムーンフェイズを主役に据えた落ち着いたデザインになっている。同じM45シリーズの手巻きモデル（RK-AZ000）が内部を大胆に見せていたのとは対照的だ。

　一方で、6時位置のムーンフェイズデザインには疑問も残る。スモールセコンドやポインターデイトを載せていないのに円だけが残っていて、むしろ省いたほうがよりすっきりした印象を強調できたのではないかと感じる。

　それでも、新ムーブメントのCal.F8A62を初めて搭載した1本という意味は大きい。今後このキャリバーを生かしたさまざまなデザインが登場するだろうし、このモデルはその出発点として位置付けられるだろう。

ブランド: オリエントスター（Orient Star）
モデル名: M45 F8 メカニカル ムーンフェイズ ハンドワインディング（M45 F8 Mechanical Moon Phase Hand Winding）
型番: RK-BW0001S（ホワイト）／RK-BW0002N（グレーグラデーション）

直径: 39.5mm
厚さ: 11.9mm
ラグ・トゥ・ラグ: 46.7mm
ケース素材: 316Lステンレススティール
文字盤: ホワイト、グレーグラデーション
インデックス: タコ印刷のローマ数字インデックス
夜光: なし
防水性能: 3気圧防水
ストラップ/ブレスレット: レザーストラップ、ワンプッシュ三つ折れ式クラスプ（RK-BW0002Nのみ換えストラップ付属）

キャリバー: F8A62
機能: 時・分表示、ムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーター
パワーリザーブ: 70時間
巻き上げ方式: 手巻き
追加情報: 日差＋15秒～-5秒

価格: ホワイトは38万円／グレーグラデーションは43万円、ともに税込
発売時期: 発売中
限定: グレーグラデーションは世界限定100本

詳しくはこちらをご覧ください。