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Introducing パネライ ルミノール 42mm 1993年の象徴的な意匠を受け継ぐ、新たなエントリーモデル(編集部撮り下ろし)

1993年にパネライが初めて民間市場へ向けて発表した象徴的なルミノールデザインが、初めて42mmケースへと再構築されて登場した。プレヴァンドーム期の無骨でストイックな意匠を忠実に継承しながらも、プロ仕様の500m防水という妥協のないタフネスを秘めた本作。エントリーモデルという枠組みを超え、時計愛好家の日常に寄り添うデイリーユースなルミノールの詳細を見ていこう。

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クイック解説

パネライの歴史において、1993年は極めて重要な転換点である。それまでイタリア海軍の軍事機密とされてきた同社のタイムピースが、初めて民間市場に向けて発表された年だからだ。今回新たに登場したルミノール PAM01710、PAM01711、PAM01714の3モデルは、当時の記念碑的モデルであるルミノール Ref. 5218-201/Aからインスピレーションを得ており、90年代の象徴的なケースデザインを初めて42mm径へと再構築した意欲作となっている。

 側面まで柔らかな曲線を描く昨今のクッションケースとは異なり、90年代のルミノールは、シャープで角張ったケースライン、頑丈なソリッドラグ、そしてケースとシームレスに統合された特徴的なリューズプロテクターを備えていた。新作ではこの直線的で無骨なプロポーションを忠実に継承しつつ、現代の多様な手首にフィットするよう42mmへとダウンサイジングされている。文字盤も当時の意匠にオマージュを捧げており、一層のプレートにスーパールミノバ®を多段階でプリントして立体感を持たせたモノレイヤー構造を採用している。デイト表示を持たず、9時位置にスモールセコンドのみを配置した機能的でミニマルな顔立ちだ。

 外観はノスタルジックだが、スペックは極めて現代的である。内部には3日間のパワーリザーブを備えた自動巻きムーブメントことCal.P.980を搭載。リューズを引くと秒針が停止するストップセコンド機能を備えており、正確な時刻合わせが可能だ。さらに特筆すべきは、42mmのコンパクトなサイズ感でありながら、プロダイバーの要求にも応える50気圧(約500m)という驚異的な防水性能を確保している点だろう。

 ラインナップは3種類。ポリッシュ&サテン仕上げのステンレススティールケースにマットブラックダイヤルを合わせたPAM01710、同ケースにマットグリーンダイヤルを合わせたPAM01711、そして高い硬度と耐摩耗性を誇るDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施したブラックケースにマットブルーダイヤルを合わせたPAM01714である。いずれも穴周りにレザー補強を施した新作のキャンバスストラップが装着されており、PAMクリックリリースシステムによって多様なストラップへの容易な付け替えが可能となっている。

 価格はPAM01710、01711が100万1000円、PAM01714が115万5000円(以上すべて税込)。発売は10月1日(木)を予定している。


ファースト・インプレッション

個人的に待望の逸品である。9時位置にスモールセコンドを備え、ノンデイトでまとめた極めてイノセントなルミノールデザインというだけでも価値があるし、装飾性を控えてエッジが立った無骨なケースサイドのフォルムも、パネライが本来的にツールウォッチであったことを思い出させてくれる。サンドイッチダイヤルでないのを惜しむ声があるかもしれないが、1993年のプレヴァンドーム期の意匠へのオマージュである本作のコンセプトを考えると、時代考証的に間違っていない。ここ半年ほどPAM00111(44mm径のSSケース、ユニタス搭載)とPAM00061(44mm径のチタンケース、プリントインデックス)のどちらを手にするかで揺れていた僕には、第3の選択肢となる目の毒とも言えるモデルだ。

 唯一、ケースサイズについて、44mmではなく42mmという選択がなされたことに対しては、さまざまな意見が出ると思う。旧来のパネライのサイズに慣れてきた身としては、確かに少々物足りないところもある(厳密には47mmこそがオリジンである、という声もあるだろう)。しかし思い出してほしいのは、現在のルミノールのプライスレンジを大きく下回る約100万円という価格だ。昨今、高価格化が進むスイス時計業界においては、顧客層の若返りを狙ったエントリーモデルの提案が続いている。本作においても、まずその狙いがあるだろう。そうなると、42mmというサイズは絶妙である。既存のパネライファンがおおむね許容できるサイズでありながら、新規層も手に取りやすい。ちょうどその境界といえるラインなのだ。

 また、僕自身がかなり真剣に購入を検討していたため、他企画でも何かにかこつけて本作を借り、撮影に用いていた。そのなかで何度も手首に着けてみた所感としては、毎日使う時計として、当たり前だが非常に重宝するサイズ感であるということだ。ここまでの着用写真を見てもらってもわかるように、ケース幅も厚さも、カジュアルウェアの袖口とのバランスがすこぶるいい。すでに愛用の1本があるパネリスティにも、デイリーユースのパネライとしてぜひ選択肢に挙げてもらいたい。それほどまでに実用的な着用感であった。さらに特筆すべきは、42mmにダウンサイジングしながらも、プロ仕様の50気圧(約500m)防水というオーバースペックを維持している点だ。扱いやすさの裏に、堅牢なツールウォッチとしてのパネライの魂がしっかりと宿っているのである。

 僕が選ぶなら、ストラップとの汎用性も考慮してブラックダイヤルのPAM01710だ。しかし、ほんのりクリームがかった夜光インデックスとPAM01711のマットグリーンダイヤルとの相性も素晴らしいし、PAM01714のやや褪せたような風合いのブルーダイヤルは、オレンジがかったインデックスとともにノスタルジックな雰囲気を醸し出している。マットブラックDLCのケースも、ツール感をさらに煽る(1993年、プレヴァンドーム期のルミノール Ref.5218-202/Aも、当時として先進的なブラックDLCケースを採用していた)。

 上でも述べたように、本作はパネライが新たに提案するエントリーモデルだと考えられる。しかしパネライにおいては、シンプルであればあるほど“パネライらしい”デザインに帰着する。そう考えると、500m防水という妥協のないタフネスを含め、ルミノール 42mmは現時点のパネライにおいて最も“ピュア”なモデルのひとつであると言えるし、それゆえに初パネライ選びに悩む僕の心をかき乱すのである。

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基本情報

ブランド: パネライ(Panerai)
モデル名: ルミノール 42mm
型番:PAM01710(ブラック)/PAM01711(カーキ)/PAM01714(ブルー)

直径: 42mm
厚さ: 13.8mm
ケース素材: ステンレススティール(PAM01714のみマットブラックDLC)
文字盤色: ブラック/カーキ/ブルー
インデックス: プリント
夜光: インデックス、針にスーパールミノバ®︎
防水性能: 500m
ストラップ/ブレスレット: ファブリックストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: P.980
機構: 時・分表示、スモールセコンド、ストップセコンド
パワーリザーブ: 3日間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23
追加情報:インカブロック®耐震機構、シングルバレル、ストップバランスホイール


価格 & 発売時期

価格: PAM01710、PAM01711各100万1000円/PAM01714 115万5000円(以上すべて税込)
発売時期: 2026年10月1日(木)
限定: なし

詳細は、こちらをクリック。

Photographs by Yusuke Mutagami, Yuki Matsumoto