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我々が知っていること
Geneva Watch Daysの開幕を明日に控え、パルミジャーニ・フルリエは、創業25周年を記念してトンダコレクションを一新することを発表した。
1996年、世界的に有名な修復師であり、フルリエの時計製造を熱心に支援していたミシェル・パルミジャーニ氏は、彼が修復の仕事をしていた裕福なサンド家の資金援助を受け、彼の名前を冠した会社を設立した。25年の間、パルミジャーニ・フルリエはスイスの時計業界のなかで、最も複雑で精密な時計を自社ブランドで製造してきた。一方で、ヒゲゼンマイ(アトカルパ)やネジ(エルウィン)からケース(ル・アルティザン・ボワティエ)やダイヤル(カドランス・エ・アビヤージュ)まで、あらゆるものを製造する小規模な自社工場を設立し、事業の範囲と規模を拡大してきた。
これらの設備を利用して、同社は25年間で30以上の自社製ムーブメントを製作してきた。これは、一見、時計業界の小規模な企業とは思えないほどのペースだ。しかし、それこそが時計界の隠れた宝石と言われる理由である。アトカルパは、パルミジャーニ・フルリエのためにヒゲゼンマイを作っているだけでなく、ETAやセリタに代わる高級ムーブメントを求めるスイスブランドのための部品も手掛けている。
パルミジャーニ・フルリエは、創業者の独自の視点と世界観を大切にしてきた結果、多くの時計が控えめで、メインストリームでの成功を避け、真のインディーズとしての魅力を発揮してきた。しかし25年の時を経て、より大きく、より大胆になろうとしている。同ブランドは、ブルガリの時計部門責任者で、オクト フィニッシモの生みの親の一人でもあったグイド・テレーニ氏を新CEOに迎えた(今年初めに行った同氏へのインタビュー記事はこちら)。
今週のGeneva Watch Daysでパルミジャーニ・フルリエは、彼による初のコレクションであり、あらゆる要素を盛り込んだ新しいトンダ PFラインを発表する。これは長年にわたって愛されてきたトンダコレクションを一新したもので、4つのスタイル、7つの時計から成る。それぞれにブレスレットが付属しており、2針、ハイビートクロノグラフ、レトログラードデイトつきアニュアルカレンダー、そして今回の主役であるプラチナケースのハイビートスプリットセコンドクロノグラフなどがある。
我々が思うこと
私は以前から自身を、HODINKEEのスタッフのなかでパルミジャーニの擁護者だと思ってきた。ミシェル・パルミジャーニ氏は、私が時計業界でキャリアをスタートさせた2015年ごろに初めて出会った本物の独立時計師で、2019年には修復工房を訪れることができたが、そこですぐに彼のアプローチに深く惚れ込んでしまったのだ。その奇抜なデザイン言語と時計製造に対する包括的な考え方は、私が他の独立系時計メーカーを見る目にまで影響を与えている。それくらい、私はこのブランドに夢中となったのだ。
これを言うのは、このブランドの取り組みを全面的に支持している私でさえ、次に何をすべきか、どうすればより広く認知された時計ブランドの次の層に食い込めるかを見極める、批判的な目を持った人が必要だと認識していたからだ。インディーズの人気者になるのは素晴らしいことだが、最近はそれだけではビジネスは回らない。
そのため、テレーニ氏の戦略がどのようなものか楽しみにしていたが、ついにそれが実現した。私には、昨年のトンダグラフ GTで始めたことを引き継いでいるように見えるが、一体型ブレスレットをよりスムースでよりシンプルに表現したものになった。このモデルでは、新しいダイヤルエンブレムが導入されている。“PF”のロゴは、各ダイヤルの12時位置にある縦長の楕円形の中に配置されている。新シリーズの7本すべてにギョーシェ模様が施され、ソリッドゴールドのスケルトン針、オリジナルのトンダシリーズから採用されたマルチフィニッシュのベゼル、ダイヤルに2段で配置されたアプライドのアワーマーカーなども共通だ。ケースは、人間工学に基づいて手首にフィットするよう、ボウルのように流れるような独特のシルエットをしている。
そこから4つのバリエーションがある。トンダ PF マイクロローターは、40mm×7.88mmのシンプルで均整のとれたモデルだ。ステンレススティール製と18Kローズゴールド製の2種類があり、ブレスレットは一体型で、温かみのあるグレーダイヤルを備えている。この2つは、このシリーズの伝統的な計時のみの逸品に最も近いものだ。同ブランドは、フラッグシップムーブメントのひとつであるPt製マイクロローター搭載のCal.PF703をアップデートし、分振動子を従来のように上に置くのではなく、ムーブメント内に組み込んだ。
まず最初に気がつくのは、ダイヤルに文字がないことだ。12時位置に配されたPFのロゴを除いて、文字やブランド名、数字などが一切ない。プレス用の画像では物足りないようにも見えたが、実際に目にすれば、これは歓迎すべきことだと思う。
3万6000振動/時のハイビートクロノグラフを搭載したトンダ PF クロノグラフが、このコレクションの次のモデルだ。42mm×12.4mm、SSとRGの2種類があり、ダークブルーのダイヤル上の3時、6時、9時位置にインダイヤルを配したクロノグラフだ。搭載されているCal.PF070はコラムホイールで作動するが、クッション型のプッシャーがケースデザインの流れるような曲線を引き立てている。ブランドによると、この選択は“トンダ PFクロノグラフのラグの形状との融合”を目的としたためだという。このモデルのために、22KRGのPFメダルを中央に配したスケルトンのローターも新たに開発された。
トンダ PF クロノグラフの兄弟モデルとなる新しいトンダ PF アニュアルカレンダーは、これまでトンダの特徴であるカレンダー機能に付随していた視覚的な表現を一新している。レトログラードデイト、曜日、月、約122年に1日の誤差というムーンフェイズ(両半球で見ることができる)、そして中央には時・分・秒の各針が配置されている。SSとRGの2種類があり、ダイヤルは温かみのあるグレーだ。私はこのモデルがブランドのなかで最もクラシックであり、複雑機構のエキスパートが独自の方向性で表現したものだと思う。
最後に、同社の25周年記念の主役は当然のことながら、25本限定のトンダ PF スプリットセコンドクロノグラフだろう。このモデルは、20周年を記念して2016年に発表されGPHGを受賞したトンダ クロノール アニヴェルセルから始まったビジュアルアイデンティティを、さまざまな意味で引き継いでいる。今回、パルミジャーニは12時位置の大きな日付ウィンドウをやめ、グラン・フー・エナメルダイヤルをほかの新しいトンダ PFコレクションの特徴に置き換え、美しいPtケースとそれにマッチしたブレスレットに収めている。驚くべきことに、白いギヨシェ模様のダイヤルもPtで作られている。
そして、このムーブメントは夢のようなものだ。Cal.PF361はスプリットセコンドクロノグラフを内蔵し、ブランドのなかでも最も複雑なムーブメントのひとつとなっている。地板とブリッジはともにRG製で、広範囲にオープンワークが施され、手作業でサテン仕上げと面取りがなされている。65時間の自動巻きムーブメントで、3万6000振動/時で(!)駆動するのだ。
私が新しいトンダ PFラインを構成する各時計のファンであることは、誰も驚かないだろう。テレーニ氏がブランドの過去とは無関係にまったく新しいラインを作って出して欲しかったと言う気持ちもあるが、結果的に出来上がったものに文句はない。私がスプリットセコンドクロノグラフが大好きなのは、このサイトでもよく知られているが、ハイビートのトンダ PF スプリットセコンドクロノグラフは、私にとって明らかにハイライトとなるモデルだ。限定モデルなので、25本がすぐに完売しても不思議はないが、近いうちにHODINKEE本社で見られることを期待している。そうでなくても、新しいコレクションのうち少なくとも1つは、Hands-On記事の機会を持つべきだと思うのだ。ではまた。
基本情報
ブランド: パルミジャーニ・フルリエ(Parmigiani Fleurier)
モデル名: トンダ PF
型番 : トンダ PF マイクロローター; RGはPFC914-2020001-200182、SSはPFC914-1020001-100182、トンダ PF クロノグラフ; RGはPFC915-2020001-200182、SSはPFC915-1020001-100182、トンダ PF アニュアルカレンダー; RGはPFC907-2020001-200182、SSはPFC907-1020001-100182、トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ; PFH916-2010001-200182
直径: トンダ PF マイクロローター;40mm、トンダ PF クロノグラフ;42mm、トンダ PF アニュアルカレンダー;42mm、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ; 42mm
厚さ: トンダ PF マイクロローター;7.8mm、トンダ PF クロノグラフ; 12.4mm、トンダ PF アニュアルカレンダー; 11.1mm、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ;15mm
ケース素材: トンダ PF マイクロローター;18KRG製、SS製、トンダ PF クロノグラフ;18KRG製、SS製、トンダ PF アニュアルカレンダー;18KRG製、SS製、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ;Pt製
文字盤色 : トンダ PF マイクロローター;ウォームグレー、 トンダ PF クロノグラフ;ブルー、 トンダ PF アニュアルカレンダー;ウォームグレー、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ;プラチナ
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 一体型ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: トンダ PF マイクロローター; PF703、トンダ PF クロノグラフ;PF070、トンダ PF アニュアルカレンダー; PF339、トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ; PF361
機能 : トンダ PF マイクロローター;時・分表示、日付表示、トンダ PF クロノグラフ;時・分・秒表示、クロノグラフ、 トンダ PF アニュアルカレンダー; 時・分・秒表示、レトログラードデイト、ムーンフェイズ、週表示、 トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ;時・分・秒表示、クロノグラフ、スプリットセコンド
直径: トンダ PF マイクロローター;30mm、トンダ PF クロノグラフ;30.6mm、トンダ PF アニュアルカレンダー;27.1mm、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ;30.6mm
厚さ: トンダ PF マイクロローター; 3mm、トンダ PF クロノグラフ; 6.95mm、トンダ PF アニュアルカレンダー; 5.5mm、トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ; 8.45mm
パワーリザーブ: マイクロローター;48時間、 クロノグラフ;65時間、 アニュアルカレンダー; 50時間、スプリットセコンド クロノグラフ; 65時間
巻き上げ方式: マイクロローター、クロノグラフ、アニュアルカレンダーは自動巻き、スプリットセコンド クロノグラフは手巻き
振動数: マイクロローター;2万1600振動/時、 クロノグラフ;3万6000振動/時、アニュアルカレンダー;2万8800振動/時、 スプリットセコンド クロノグラフ;3万6000振動/時
石数: マイクロローター;29、 クロノグラフ; 42、 アニュアルカレンダー;32、スプリットセコンド クロノグフ; 35
クロノメーター認定: クロノグラフのみあり; COSC
価格&発売時期
価格: トンダ PF マイクロローター, RG (612万7000円), SS (258万5000円); トンダ PF クロノグラフ, RG(796万4000円), SS (354万2000円); トンダ PF アニュアルカレンダー, RG (885万5000円) , SS (442万2000円); トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ (1960万2000円)。すべて税込。
限定: スプリットセコンドクロノグフのみ、世界限定25本
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