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ポール・ニューマンのRef. 6263 "ビッグレッド "ロレックス デイトナが、約1ヵ月半の熱い期待の末に547万5000ドル(約5億6780万円)で落札された。この有名な俳優が所有するデイトナがフィリップスで売られたのは2本目で、歴史に名を残す2017年のRef.6239とその1775万ドルのプライスに比べれば、話題や価格の面では及ばなかったが、その基準で判断するのは不公平であるだけでなく、率直に言って少しばかげていると感じる。結局のところ、その所有者のおかげで、エキゾチックダイヤルのRef.6239は、時計収集というものを永遠に変え、全ての類似したデイトナに新しいニックネームを与えることとなった。その一方で、今回のモデルは、非常にクールな男が所有したこの上なくクールな時計だ。
それでも、3年前から売却の兆しは見えていた。入札の早い段階で、ニューヨークのポール・ブトロス氏は、同じくニューヨークで行われたポール・ニューマンのポール・ニューマン デイトナのオークションでティファニー・トー氏が「1000万ドルです!」と叫んだのを彷彿とさせるように、200万ドルの入札を叫んだ。全部で24件の入札があったが、リヴィア・ルッソ氏を代理人とした入札者がジュネーブから電話で落札した。最終的な入札は、80万ドルで開札されてから2分も経たないうちに行われ、その直後に落札された。
この時計は、厳密に言えば「ポール・ニューマン デイトナ」ではないにしても、あらゆる面でポール・ニューマンのデイトナだと言える。1983年に妻のジョアンからこの時計を受け取ったことで、ニューマンは84年にジェームズ・コックス氏にプレゼントした前の時計との別れを気にしなくなったと言われている。この時計は、1980年代後半を通して、亡くなった俳優の手首に着けられていたもので、クロノグラフを簡単に操作できるように防水のねじ込み式のプッシャーが開いていることがよくあった。この時計は、ニューマンの娘クレア氏がフィリップスに委託したもので、ニューマンが亡くなる少し前の2008年に父親からの贈り物として受け取ったそうだ。
その予想落札価格は「100万ドル以上」に設定されており、この時計に大きな期待と希望があることは明らかなようだったが、それはまた、発表当初から、2017年の記録的なPNPN(ポール・ニューマンのポール・ニューマン)の影に隠れていると考えられていた時計でもあった。
このデイトナがその有名な兄弟機のおかげで最も高価なロレックスや今までに販売された最も高価なデイトナの名を冠せない場合、どうすれば対等になれるのだろうか? 他の数少ないRef.6263 デイトナの中では、フィリップス ジュネーブが2017年5月に370万ドルで販売したイエローゴールドのレジェンドRef.6263があるが、この1本はそれを超えてナンバーワンだ。それでもまだ他の非常に注目度の高いデイトナ、590万ドルで売られたホワイトゴールドのRef.6265 ユニコーンには及ばないが。
映画『デイライト』でシルベスター・スタローン氏が着用したプレ・ヴァンドーム パネライなど、フィリップス レーシング パルスのセールにはまだまだたくさんの出品がある。詳細はこちらを。