trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Editors' Picks 掛け時計、置き時計で空間を彩る。いま選びたいおすすめクロック4選

時計を腕に載せるのではなく、部屋に置く、あるいは壁に掛ける。そんな視点で見渡してみると、クロックにはウォッチとは違う時間との付き合い方がある。今回は編集部員がそれぞれの視点から、インテリアとしても迎えたくなる掛け時計と置き時計を選んだ。

普段HODINKEE Japanで取り上げるのは、手首の上で時を告げる“ウォッチ”が中心だ。だが、時間を知るための道具に目を向ければ、その選択肢は腕時計だけにとどまらない。壁に掛ける、机や棚に置く。そんなかたちで日常に取り入れられる“クロック”には、ウォッチとはまた異なるプロダクトとしての魅力がある。機能や造形、素材の扱い、そして空間との関係性まで含めて、その存在の楽しみ方はじつに多様だ。今回は編集部員がそれぞれの視点から、いま気になる掛け時計と置き時計をセレクトした。時計好きにとってはもちろん、インテリアとして取り入れることも選択肢のひとつとして考えたくなるモデルを紹介したい。


クロック1:アズレスト ギクシークロック
By Kyosuke Sato

どうにも自分はチューブ状LEDディスプレイに心を惹かれるらしい。ジラール・ぺルゴのキャスケット2.0が登場したときは本当に心が躍ったし、中学生の頃、初めて時計に興味を持ったのも、思えば赤いチューブ状LEDディスプレイを持つ腕時計だった。そんな自分がインテリアとして置くなら、これは外せないと決めているものがある。それがニキシー管ディスプレイクロックだ。

 ニキシー管とは、かつて数字や文字・記号情報を表示し、計測機器や電子機器の表示部に用いられたもので、その特異な意匠と発光表現を取り入れたのがニキシー管ディスプレイクロックだ。ガラス管内に数字が浮かび上がる様は、数字が“表示される”というよりも、“灯る”と表現したくなる発光スタイル。単なるデジタル表示とは異なる視覚的な奥行きを持ち、デジタルでありながら、どこかアナログな温度を感じさせるレトロフューチャーな雰囲気を持つ。

 魅力的な一方、ニキシー管は高電圧を必要とするため家庭用コンセントから供給される電力では扱いづらく、絶縁不良や部品の劣化は火災や感電のリスクに直結する。また、ガラス管内にガスが封入されているため衝撃に弱く、破損時には管内に含まれる微量の水銀などの物質が漏出する可能性が指摘されるなど、安全性への懸念が最大の欠点だった。だが、近年は日常使いに配慮したプロダクトも登場している。それがアズレスト(AZUREST)のギクシークロック(Gixie Clock)だ。

 ギクシークロックの大きな特徴は、フルカラーLEDによってニキシー管の雰囲気を再現している点にある。そう、厳密に言うと、これは“ニキシー管風”LEDディスプレイクロックなのだ。ニキシー管を模す一方、実用性や安全性、消費電力の問題を解決し、ニキシー管にはない実用性を備えている。また、フルカラーLEDの採用により、数字の色を1600万色から選べるのもギクシークロックの大きな特徴。ヴィンテージ感のある色味でクラシックな雰囲気に、あるいは部屋のイメージに合わせて現代的に演出することもできる。ニキシー管の持つ情緒を残しながら、LEDを採用することで表現の自由度を大きく広げているところがポイントだ。

 加えて魅力的なのは、スマートフォンを介して操作できるという点だろう。Wi-Fiモデルではアプリ経由で表示色やモード変更といった調整をスマートフォンから直感的に行えるため、より日常的かつ快適に扱える設計となっている。腕時計にも同じことが言えるが、毎日何度も見るものだからこそ、ただ時刻を確認する道具としてだけでなく、見るたびに少し気分が上がる存在であって欲しい。自分にとって、それを期待できるものがギクシークロックなのだ。

価格: 2万7840円(税込)

その他、詳細はアズレスト公式サイトへ。


クロック2:セイコーデコール 息吹
By Yusuke Mutagami

いつになるかは分からないが、仕事も育児もひと段落し、ゆったりと自分だけの時間を慈しめるようになったなら。その傍らに置きたいもののひとつに、ゼンマイ式の振り子時計がある。以前、ふと思い立って調べてみたことがあるのだが、手でゼンマイを巻き上げる伝統的な機構を守る造り手はいまや世界でも指で数えるほどしか現存していない。海外に目を向ければ、ドイツのヘルムレやエルウィン・サトラー、英国のコミッティなどが辛うじて思い出される程度だ。かつて隆盛を極めた米国ハワード・ミラーまでもが、この2026年3月をもって廃業するという。オフィスや家庭では、実用性に勝るクォーツや電波式が主流となるのは時代の潮流かもしれないが、こうした手仕事の文化に惹かれるひとりとしてはやはりどこか寂しい思いを禁じ得ない。

しかしここ日本には、誇りを持ってこの伝統を紡ぎ続けているメーカーが存在する。それがセイコーであり、現在その代表となるモデルこそが最高級ラインであるセイコーデコールから発表された息吹(いぶき)である。初めてその姿を目にしたとき、非常に現代的な佇まいに心惹かれた。欧州の伝統的なブランドや国産のヴィンテージ品は、装飾性に富んだ華美なものが多いが、息吹はあえて飾り気を削ぎ落としたような、潔いルックスを湛えている。乳白色のマットな文字盤に、操作性を追求したという繊細な針。そこからスラリと伸びる振り子もスティック型を採用しており、洗練されたミニマルな趣がある。2022年の登場時、実に半世紀ぶりの復活として話題を呼んだ機械式ムーブメントも、文字盤の裏にひっそりと隠されて過度な主張をしない。この“用の美”を極めたような意匠に、日本的な繊細さを吹き込んでいるのがウッドの外装だ。背面で柔らかな曲線を描く筐体には、天童木工が誇る成形合板技術が投入されている。そのしなやかな光沢は柳宗理のバタフライスツールを彷彿とさせ、家具としての完成度も極めて高い。

 クロックというものは、ともすれば腕時計以上に長い年月を共にする暮らしの道具である。それゆえに、細部で静かに価値を語るこの息吹のような逸品こそが、日本の邸宅における最良の選択肢に思えてならない。

 休日の朝、静かにゼンマイを巻き上げる。そんな心のゆとりを持てる生活はまだ少し先のことかもしれない。けれど、その日が来るまでセイコーがこの灯を守り続けてくれるという信頼があるからこそ、この時計は僕のウィッシュリストに残り続けるのである。

価格: 121万円(税込)

その他、詳細はセイコーデコール公式サイトへ。


クロック3:ユンハンス マックス・ビル バイ ユンハンス クロック
By Yuki Matsumoto

私がマックス・ビル バイ ユンハンス デスククロックに引かれるのは、時計として必要な要素がきれいに整理されているからである。木製ケースなので、アルミやスチールの文具と並べても机の印象が硬くなりすぎない。白い文字盤に細い数字とインデックスを合わせたデザインもすっきりしていて、ノートPCや本の横に置いても時計だけが悪目立ちしない。それでいて時刻はすぐ読める。部屋で毎日使う時計として、この実用性がいい。

 この時計のルーツは、バウハウス出身のデザイナーであるマックス・ビルが1950年代半ばにユンハンスのために手がけたクロックにある。内側に時刻用の短いインデックス、外側に分刻みの長いインデックスを置き、針の長さもそれぞれに合わせて設計しているので時と分を読み分けやすい。この構成はニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションにも選ばれており、見た目だけでなく、時計としての読みやすさまで評価されてきたことがわかる。

写真に写るクロックの数字もマックス・ビルによるデザインである。インデックスの構成は大きく変わっておらず、このデザインが現在のモデルへとつながっている。

 このデスククロックは幅164mm、高さ174mm、奥行き75mm。デスクの端や棚の一角に置きやすいサイズで、ミネラルガラス風防が採用されている。装飾を足しすぎていないぶん、飽きにくいところも魅力だ。

 16万9400円(税込)という価格は気軽に手を伸ばせるものではないかもしれないが、腕時計でマックス・ビルのデザインに引かれてきた人なら、このデスククロックも自然と気になるはずだ。目立つための置き時計ではなく、毎日何度も時刻を確認するための道具としてよくできている。部屋に置く時計まで同じ基準で選びたい人にとって素敵なデスククロックだと思う。

価格: 16万9400円(税込)

その他、詳細はユンハンス公式サイトへ。


クロック4:セイコー TC208 アラームクロック Exclusive(ビームス限定)
By Masaharu Wada

つい最近、思わず衝動買いしてしまったクロックがあります。ビームス限定のセイコー TC208 アラームクロック Exclusiveです。セイコーのアイコニックなダイバーズウォッチを卓上サイズへとスケールアップしたようなデザインが楽しくて、ひと目で心を掴まれました。

 もともとは過酷な環境下での使用を前提としたプロフェッショナルツールであるダイバーズウォッチですが、そのタフでストイックな造形が大きなサイズでデスク上に置かれることで、一転してどこかチャーミングに映ります。このスケールの変換による印象のギャップが本作の大きな魅力だと思います。

 細部の作り込みも抜かりありません。特に目を引くのはベゼルで、逆回転防止ベゼル仕様をしっかりと再現しています。卓上クロックとして考えれば実用的な意味はほとんどありませんが、あえてこの機構を取り入れている点に、セイコーらしい遊び心が感じられます。なお、防水性能は備えていないため、このまま海に連れ出すのはご法度です。単なる“それらしいデザイン”にとどまらず、触れて楽しめるリアリティを備えている点も、このプロダクトの完成度を高めています。

 機能面ではアラームとスヌーズを備え、日常使いにも十分対応します。さらにスイープセコンドを採用しているため静音性にも優れ、ベッドサイドでも快適に使用できます。一方で夜光がしっかりと塗布されているため、個人的にはベッドサイドではやや眩しく感じることもあり、現在は洗面所に置いて使っています。朝の慌ただしい時間帯や、家族が寝静まった後にシャワーを浴びる際などにも視認性が高く、意外にもこの使い方がしっくりきています。

 時計としてのルーツへのリスペクトと、日用品としての親しみやすさ。その両立を実現した本作は、セイコーファンはもちろん、時計好きにとって見逃せないクロックです。今度は別の場所用にもうひとつ、とつい手を伸ばしたくなる価格設定もまた魅力のひとつです。

価格: 6600円(税込)

その他、詳細はビームス公式サイトへ。