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Photo Report 春のジュネーブ・オークション 2023で見た景色、場面、そして時計たち(100枚以上の写真とともにお届け)

この週末に開催されたオークションの売上は1億ドルを超え、そして来場者の手首には素敵な時計があり、それを身につける人々はさらに素晴らしかった。

春のオークションシーズンが本格的に始まり、素晴らしいスタートが切れた。この週末、ジュネーブでは1億ドル(日本円で約138億1400万円)以上の時計が落札され、そのなかでもヴィンテージウォッチ(もちろんごく少数の現代モデルも忍び込んでいるが)の販売が好調なのは明らかだ。いくつかのサプライズを含め、多くの記録を更新している。

 正直に言うと、パンデミック初期のヴィンテージウォッチ、あるいは腕時計全般の強さはもろ刃の剣だった。というのもほぼすべての商品の価格が天井知らずなまでに高騰し、売り手にとってはうれしいことだったが、一部の時計は今以上にさらに手の届かないものとなっていた。しかしそのあと市場は軟化し、多くのコレクターが心配するようになる。何より価格がどこで(下げ止まりして)落ち着くのかという恐怖があった。そんななか今週末のオークションが開催され、多くの人たちが安堵の息をついたことだろう。

Rolex Lapis Datejust

ロレックス ラピスラズリ デイトジャストは、ジュネーブにあるフォーシーズンズ ホテル デス ベルゲスで開催されたクリスティーズ・オークション以外の初日を始めるのにふさわしい1本だ。

 会場に滞在してアクションを見るのはいつもおもしろい。壇上からも入札者からも、たくさんのドラマとエンターテイメントが生まれていくのだ。また友人同士で集まってオークションで時計を見たり、もしかしたら買ったりすることもできる絶好の機会でもある。しかしウィークエンド・オークションは、オークション会場ではなくホールの外でおしゃべりをしたり、時計を交換したり、あるいはちょっとしたものを売ったりして過ごすことが多い。ある人によると、ウィークエンド・オークションでディーラーやコレクターとして真剣に相手にされたいのなら、会場のねかで買うか、あるいは酒の席で飲みながら買うほうがいいと言っていた。

A Cartier Tank Cintree

1971年に発売されたこのホワイトゴールドのカルティエ ロンドン タンク サントレを身につけている手首に見覚えはないだろうか? あとで彼からもっと話を聞こう。

 ジュネーブでのウォッチスポッティングは、最近行ったモナコのフォトレポート(パート1パート2)で見られた華やかさや、絶対にパンチが効いているというわけではなかったが、現地のコレクターたちも負けてはいなかった。実際、よく見るリピーターの手首にスポットを当てようと思えばたくさんある。

 それでは早速、春のジュネーブ・オークションに出品された魅惑的な時計やそのシーンを深堀りしていこう。

Patek Philippe Amagnetic

パテック フィリップの“Amagnetic”。 これまでにつくられた文字盤のなかでも私が特に好きなフォントのひとつで、私の目を引いた。

Universal prototype dial chronograph

しかしこのユニバーサルは、現存する数少ない“プロトタイプ”ダイヤルを持っているうちのひとつであり、この時計が本当にワイルドなものになると確信したのはそのときだった。

Outside the Four Seasons

ジュネーブのフォーシーズンズ ホテル デス ベルゲスの外観。

Christie's Auction room

土曜日の朝、テーマに関係のない公式オークションを開始したクリスティーズのオークションルームにまずは足を運んでみた。

Lots on the wall at Christies

壁にはロレックス Ref.6269をはじめとした大物が並んでいた。右の6269はなかなかお目にかかれないモデルだ。

Auctioneering

アクションに近づいた。

People waiting to bid

すべての興奮は何も会場の前列で生まれるわけではない。フォトグラファーのためのヒントは、みんなが“アクション”を求めている場所だけに焦点を当てないこと。別に視点を向けてみるといい。

Rainbow daytona and Patek Celestial

この落札者はレインボーデイトナとパテックのセレスティアル 6102Pをダブルリスティングしていた。これこそ“賢明な策”と呼ぶのだろう。

Patek 5002 Sky Moon Tourbillon

パテック スカイムーン トゥールビヨン Ref.5002P。

Jeff Harris
Bidding at Christie's

会場前方からのウォッチスポッティングは大変だ。立ち見席のみのエリアでは、このドゥ・ベトゥーン DB 25 スターリーバリアスが釣れた。

Italian collector with Longines and Universal Chronograph

イタリアのコレクターは、素晴らしいゴールドレターを持つロンジン クロノグラフと、ブランドとしては比較的珍しいケース形状のユニバーサルをダブルリスティングしている。

Rolex Padellone

そしてもうひとつはロレックスのトリプルカレンダーだ。

Patek World Timer

さらにパテック 1415HUでもう1枚。

Breguet watch

ポール・デイヴィッド・モーズリー(Paul David Maudsley)氏が着用していた美しいブレゲ 3330。

Adam Golden and Sacha Davidoff

後ろの立見席ではアダム・ゴールデン(Adam Golden)氏とサシャ・ダビドフ(Sacha Davidoff)氏が、入札の可能性について語り合っていた。

Serpico Calatrava

この美しいパテック カラトラバをよく見ると、ちょっとした違いがあるのに気付くはず。

Swatch on the wrist

アレッサンドロ(Alessandro)氏が友人たちと作った新しい時計雑誌、“Heist Out”にて、違うシグネチャーが入ったこのカスタマイズスウォッチが登場しているためご覧あれ。

Rootbeer Rolex GMT

ロレックス GMTマスター “ルートビア”。

Jeff Harris Rolex Day-Date

アラビア文字(インド数字)のインデックスとカレンダーディスクが付いたロレックス デイデイト ジェフ・ハリス。

AP Royal Oak Perpetual Calendar Skeleton
Atelier Wen Perception

アトリエ・ウェン パーセプション。

MB&F

クリスティーズで見つけたMB&F。

Ferrari

今度はクルマに飛び乗って(残念ながらこのクルマではない)、フィリップスへ向かおう。

Cars at La Resérve

ブラックベイ 58のシルバー925モデル。

Blancpain

ブランパンをつけた同僚のローガン・ベイカー。

Armin Strom

アーミン・シュトロームは少し驚いたが、オークションには多くの独立系ブランドやスモールブランドであふれていた。

Rolex Daytona

ロイ・ダビドフ(Roy Davidoff)氏がつけていたのはデイトナ。確かに何もかもカッコよかったが。

Rolex Daytona Khanjar Caseback

裏はもっとクールだった。

Auction at Phillips

ではラ レゼルヴで開催された、フィリップスの超満員のテントのなかでのアクションに移ろう。

Rolex Datejust

小さいゴールドのロレックスが手首にちょこんと乗ってあるだけで、なにも時計を大げさに表しているのではなく、本当にクールなものであると示している。

Yoni Ben-Yahuda

ニューヨークにあるMaterial Goodの時計担当、ヨニ・ベン・イェフダ(Yoni Ben-Yehuda)氏。

AP Starwheel

彼は、私が好きなヴィンテージオーデマ ピゲのひとつの、オリジナルスターホイールをつけていた。

William Massena

ウィリアム・マッセナ(William Massena)氏は、金色に輝くマッセナLAB クロノグラフを着用。

Alessio Zegna

アレッシオ・ゼニア(Alessio Zegna)氏。

Rolex 6269

同じ週末に2本のロレックス Ref.6269を見るのは何度目だろう? この個体はクリスティーズのものとは異なり、オークションにかけられたものではない。

Rainbow Daytona

このモダンなレインボーデイトナの前身ともいえるのが6269だ。このコレクターはポップなカラーと合わせて、エレガントに着こなしている。

Gold Daytona

一方でアーサー・トゥーショー(Arthur Touchot)氏は、よりシンプルでありながらエレガントなロレックス デイトナを腕に巻いていた。

Two rolex chronographs

ロレックス デイトナと、ジャン=クロード・キリー。

DeBethune

ドゥ・ベトゥーン DB25 パーペチュアルカレンダー。

Andrea Casalegno

ルイ・エラール×コンスタンチン・チャイキンの限定レギュレーターモデル。

Aurel Bacs

フィリップスで常にオークションハンマーを振っていたオーレル・バックス(Aurel Bacs)氏。

A brief pause to enjoy the view from La Réserve

ラ レゼルヴからの眺めを楽しむために少しだけ休憩。

Camille

Instagramの“Perpetual Girl”こと、カミーユ・ギール(Camille Guille)氏。

Rolex Datejust

素晴らしいデイトジャストだ。

Tony Kavak

トニー・カヴァック(Tony Kavak)氏の顔はHODINKEEで初めて出たかもしれないが、名前は違う。今年の初めにJay-Z(ジェイ・Z)にパテック Ref.2499というユニークな時計を提供した記事を書いたが、それは彼のものだった。

Patek 5004

この奇想天外なパテック Ref.5004Jを堪能あれ。

Breguet perpetual calendar chronograph

ジョバンニ・ボナンノ(Giovanni Bonanno)氏が着用していたこのブレゲと、上の時計との共通点を教えてくれる人はいないか?

Chatitng with friends

終日、会話は外へと移っていった。

Rolex stella day-date

ファイターを選んで。スルダン・ステビッチ(Srđan Stević)氏のデイデイト?

Rolex stella day-date

あるいはタリク・マリク(Tariq Malik)氏?

Tigers Eye Datejust

デイトジャスト タイガーアイ。

Maxi Oval

スルダン・ステビッチ氏のカルティエ パリ マキシ オーバル。

Ini Archibong

少し前にFour + Oneで紹介したイニ・アーキボン(Ini Archibong)氏。再会できてよかった。

Chronometré Bleu

赤いストラップが映えるクロノメーター ブルーを今も愛用している。

Marcello De Marco

会場に戻るとマルセロ・デ・マルコ(Marcello de Marco)氏が台に上がっていた。

Marcello's watch

これは台に立つマルセロ氏の幸運のお守りだ。

Looking at a catalogue
Patek 3970
Genus watch

ジーナスの時計。

John Goldberger

ジョン・ゴールドバーガー氏。

Cartier Tank Cintree London 1971

もちろん腕にはカルティエが。こちらは1971年製のWG製ロンドン サントレ。

AP Royal Oak Ceramic Grande Complication

ロイヤル オーク セラミック グランド コンプリケーションを身につけたクラウディオ・サルヴァティ(Claudio Salvati)氏。1日を締めくくるのにふさわしい。

Mandarin Oriental

そしてサザビーズの興奮は、日曜日にマンダリン オリエンタルで始まる。

Rolex pocket watch

ヴェルガで販売されたロレックス プリンス インペリアル。

Cartier Maxi Oval

たとえそのウィークエンドで見た2番目のマキシ オーバルだったとしても、それが素晴らしいものであることには変わらない。

Bidding
Benoît Colson

ハンマーを持つブノワ・コルソン(Benoît Colson)氏。

John Goldberger
Tank Cintree

その日のゴールドバーガーはラチナのサントレにブルーのインデックスをセットした、2005年にパリから取り寄せた特注品をつけていた。

Felice Rusconi

フェリーチェ・ルスコーニ(Felice Rusconi)氏。

Cartier Tank Normale

同氏は1975年製のロンドン カルティエ タンクノルマルを着用していた。

Wei Koh

ウェイ・コー(Wei Koh)氏。

Tank Cintrée

この日ウェイ氏は特注のタンク サントレを着用しており、カルティエ一色の1日となった。

Rolex Pepsi
Movado Chronograph

モバード クロノグラフ。

Patek Calatrava

パテック フィリップ カラトラバ。

Speedmaster

ウィークエンドに見かけた数少ないスピードマスターの1本。おそらく最もキレイな個体だ。

Urban Jurgensen

ウルバン ヤーゲンセンを発見。

Day Date

ウッドダイヤルを持つデイデイト。

Royal Oak perpetual

SS製ダイヤルのAP ロイヤル オーク パーペチュアル カレンダー。

Royal Oak skeleton perpetual

コッラード・マッタレッリ(Corrado Mattarelli)氏も、スケルトンのロイヤルオークQP(パーペチュアルカレンダー)で力強さを放つ。

Daytona watch
Cartier Patek ref. 130

パテック フィリップ クロノグラフのRef.130。ブレゲ数字が入っているがカルティエのために特別につくられたもので、文字盤にはカルティエだけが描かれている。まったくなんてことだ。

Serpico 1675

アンドレア・パルメジャーニ(Andrea Parmegiani)氏が着用しているのは、まったく欠点のないトロピカルなセルピコ・イ・ライノのサイン入りロレックス Ref.1675だ。

Aurel Bacs

オーレル・バックス氏は、ビバー・ウォッチが100万スイスフラン(日本円で約1億5350万円)に達した場合、ジャン=クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)氏と同じ誕生年のお酒を提供するとした。

Jean-Claude Biver

なんということだ。この時計はまさに100万スイスフラン(日本円で約1億5350万円)で取引が成立した。

Pierre Biver

ピエール・ビバー(Pierre Biver)氏。

Furlan Marri

彼の手首にはファーラン・マリが巻かれていた。

Rolex Deepsea Challenge

素晴らしいロレックス ディープシー チャレンジに遭遇。

Rolex Deepsea challenge chamfers

面取りを復活してくれと言いたい。

Ben Dunn, Founder of Watch Brothers London

ウォッチ・ブラザーズ・ロンドンの創設者であるベン・ダン(Ben Dunn)氏。

Genta Perpetual Calendar

ジェラルド・ジェンタ パーペチュアル カレンダーを着用。

Rich Fordon watch

ジュネーブにいたリッチ・フォードンは、ストラップをケースから横にスライドさせるタイプの、非常にクールで珍しいブランド名のない時計を身につけていた。

Rolex 6238 from 1966

1966年製のロレックス Ref.6238。

Lange 1 Sincere

ランゲ1 “シンシア”。

Lange Zeitwerk Lumen

ツァイトヴェルク ルーメン。

Cigar break
Purple MB&F

オーレル・バックス氏の腕には、納品さればかりだというパープルダイヤルを備えたMB&F LM 101の姿が。

Rexhep Rexhepi Chronomètre Contemporain II

この週末で見かけたなぁでも特にお気に入りだった時計と衣装の組み合わせは、こちらのレジェップ・レジェピ クロノメーター コンテンポラン IIとジェフ・ゴードンのヴィンテージデニムジャケットだ。

Rexhep Rexhepi

レジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)氏その人だ。

Double wristing journe and patek

F.P.ジュルヌ クロノメーター・レゾナンスとパテック フィリップ 5160J-001。

Rolls Royce