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パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)は、曜日、日付、月、年、閏年(さらにムーンフェイズ)を表示することができる、日付複雑機構の最高峰であることは言うまでもない。フランス語のQuantieme Perpétuelの略で「QP」と呼ばれている。多くの情報を機械的に追跡し表示する能力は、時計製造の上流階級に属するブランドの名刺代わりとなっており、QPの領域に踏み込んだすべてのブランドは、それぞれ独自の趣向を持ってそれを実現しているのだ。
パテック フィリップやオーデマ ピゲのように、この伝統的な複雑機構を自社のアイデンティティの中核に据えているところもあれば(ただし、生産量やモデルのレベルはさまざま)、進化する時計製造能力を強調するフラッグシップモデルとしてこの複雑機構を提供しているところもある。
パテック フィリップは、1925年にトーマス・エメリーというコレクターの依頼を受けてパーペチュアルカレンダーウォッチを初めて製作し、1889年にレディスのペンダントウォッチのデザイン向けに製作されたムーブメントを使用した。ブレゲは1929年にNo.2516「ドルフス」を発表し、ジャガー・ルクルトは1937年に初のパーペチュアルカレンダーをリリースしている。
永久カレンダーは最も特別で魅力的なコンプリケーションのひとつであると多くのコレクターたちが考えている。パトリック・ゲトライデ(Patrick Getreide)氏と彼のOAKコレクションを紹介する「Talking Watches」をご覧いただければ、最も人気のあるパテックの多くがQPであることがおわかりになるだろう(2499と1518に興味があるならぜひ先の記事をチェックして欲しい)。
永久カレンダーの魅力は、複雑機構に限ったことではなく、機能、デザイン、そしてミッドセンチュリーのロマンがミックスされていることが最大の特徴だろう。QPの核となるのは常にムーブメントであり、あとはセンスと仕上げにかかっている。ヴァシュロン・コンスタンタンがQPやそのほかの歴史的なキャリバーをどのようにサポートしているのか、その裏話を詳しく知りたい方は、ジャック・フォースターの記事「ヴァシュロン・コンスタンタンが2大クラシックムーブメントを地上から消滅させないために取り組んでいること」をお見逃しなく。
QPの仕上げとデザイン面のストーリーを探りたいなら、さまざまなモデルを深掘りして欲しい。例えば、MB&Fのレガシー マシン パーペチュアルカレンダー、ミニマルなオックス・ウント・ユニオール パーペチュアルカレンダー、モーザーのエンデバー・パーペチュアルカレンダー、ロイヤル オークのスケルトン素材とセラミックなどのモダン素材が融合したモデルなど。
ハイエンドで伝統的な時計製造と密接に結びついた複雑機構である永久カレンダーは、文字通りあらゆる形や大きさで存在している。個人的には、いつか永久カレンダー付きの時計を所有する日が来るのが待ち遠しいのだが(G-SHOCKとシチズンのエコ・ドライブは別として)、それまでは以下の特集記事をチェックして、パテックの永久カレンダーの系譜について深く掘り下げてみよう。パテックのパーペチュアルカレンダーの歴史、ロイヤル オークの初期の(そして最もクールな)QP、パテック3448 “センツァ・ルナ”の魅力的なバックストーリー、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ パーペチュアルカレンダーについてのジャックの1週間レビュー、ブルガリのOnly Watchのための1回限りの特別なQPの制作についてなど。
うるう年にはかなわない。
特集記事
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In-Depth :オーデマ ピゲ 初期のロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー
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In-Depth :パテック フィリップ Ref.3448 “センツァ・ルナ”と呼ばれる好奇心をそそる存在
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現代のQP市場において、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ エクストラフラットは、僕の絶対的なお気に入りのひとつだ。繊細で美しく、いくつかのバリエーション(それぞれストラップやブレスレットを素早く交換できる)があるオーヴァーシーズ・パーペチュアルカレンダーは見事だし、ジャックはその系譜、時計製造の洞察、市場での地位を見事に説明してくれている。
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ブルガリのオクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダーは、永久カレンダーを新しい世界で表現した特別なQPだ。QPのほかにないバージョンを紹介する、ジャックのストーリーに飛び込んでくれ。厚さわずか5.8mmのこのオクトは、何世代にもわたる時計製造のノウハウを、比較的小さな、そして明らかにモダンなパッケージに詰め込んでいる。
そして、昔ながらのやり方には紛れもない満足感がある。結局のところ、人生には便利さよりも大切なことがあるのだ。
– ジャック・フォースター
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