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Auctions オメガ スピードマスター 1957年初期のRef. 2915-1がフィリップスで約3.8億円で落札され、オメガの世界歴代最高額を更新

どれだけの人がこの事態を予想していただろうか。

ジュネーブ・オークション・ウィークではすばらしい記録が次々と生まれた。フィリップ・デュフォーのグラン・プチ・ソヌリ・ミニッツリピーター No.1が474万9000スイスフラン(約5億8900万円)で落札され、午後の早い段階の幕開けを飾ったが、本当の花火はヨーロッパ標準時の午後4時過ぎ、ロット53のブロードアロー針を備えたオメガ スピードマスター Ref.2915-1で打ち上げられた。

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 60万スイスフラン前後だった入札額が100万に跳ね上がると、観客たちは息を呑んだ。しかし、それはほんの始まりに過ぎなかった。サン・アントニオ、オマーン、香港からも入札があり、200万スイスフランを大きく超えていった。最終的な落札価格は? なんと311万5500スイスフランだ(340万ドル以上、約3億8600万円)。

スピードマスターにハンマーが振り下ろされ記録が更新される瞬間(筆者がiPhoneで撮影)。

 これは、言うなればサプライズだ。というのも、今週初めに掲載したオークションプレビューには、この時計は含まれていなかったからだ。しかし、フィリップスのアメリカ担当上級副社長のポール・ブトロス氏は、彼らのチームがこのロットに大きな期待を寄せていたことを認めた。

 「この時計が持ち込まれたとき、ジュネーブのチームはその品質の高さから、Ref. 2915の記録を塗り替えるだろうとすぐに確信しました」とブトロス氏は落札後に語った。「卓越した品質、美しい外観、そして歴史的な関連性から、トップクライアントに推薦されたものです」

 しかし、8万~12万スイスフラン(約1000万〜1500万円)という予想をはるかに超えてしまった。そして、オークションで最も高価なオメガの記録を樹立したのだ。これは誰が予想できただろうか。ブトロス氏とフィリップスのチームは、最終結果に驚いているが、彼はこの時計の品質に自信を持っていた。

 「市場に出回っている2915-1のなかで最高のもの(文字盤、針、ベゼル、ケースの品質)であり、さらに初期のシリアルナンバーを持っているのです」

 会場の雰囲気は、これまでの時計業界では経験したことのないものだ。会場はざわついていて、私の頭もぼーっとしていた。そして、テキサスやオマーンの入札者を抑えて中国のバイヤーが落札したときには、会場全体が拍手喝采に包まれたのであった。まだ初日の半分も終わっていなかったのにだ。

画像はすべてフィリップス提供(クレジットのないもの)。

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フィリップスオークションの様子は、こちらでご覧いただけます。