trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Culture Of Time ロレックス デイデイトがNBAのデファクトスターターウォッチになった理由

キングでさえ、この金無垢のロレックスを身に着けている。

ADVERTISEMENT

2017年12月、ワシントン・ウィザーズが遠征試合前にホテルのボールルーム(大宴会場)で朝食を食べていたときのこと。当時、チームのスターポイントガードだったジョン・ウォールは、15個の緑の箱を手に部屋に入ってきたが、その箱全てにロレックスのデイデイトが入っていた。彼は、クリスマスプレゼントとしてそれをチームのメンバー全員に1つずつプレゼントしたのだ。それは、プロスポーツリーグの選手として究極のリーダーシップの表し方といえる。

 彼のチームメイトの多くはスター選手ではなかったため、彼らにとって初めて手にする本当に上質な時計となった。デイデイトは多くのNBA選手にとって非公式なスターターウォッチとなっているため、確かになるほどと思う。デイデイトを“スターター”と呼ぶのはおかしいような気もするが、我々はオーデマ ピゲ、ウブロ、リシャール・ミルなどが溢れるNBAの話をしているのだ。選手が何でも好きなものを身に着けられる世界で、この時計がベンチウォーマーからオールスターまで、リーグ全体で選手の腕に装着されていることは注目に値する。NBAのシーズンも始まるので、あまり語られることのないこのロレックスの魅力をもっと深く掘り下げてみよう。

 1956年に発売されたロレックス デイデイトは、多くのアメリカ大統領の手首を飾っていたことから“プレジデント”の愛称で呼ばれるようになった。全て貴金属で作られており、事実上、成功の証を表す時計となっている。あなたがアメリカの大統領であろうと、頑固なマイスターであろうと、デイデイトには同じ意味が込められている。あなたは成功したのだ。

 NBAでプレーすることは“成功する”ことだ。大学のバスケットボール選手のうち、プロでプレーする選手はわずか1%に過ぎず、ドラフト自体はわずか60人に限られている。昔から多くの選手がこの時計と共に“NBA”への昇進を目指していた。

ラッセル・ウェストブルック、手首に金無垢のデイデイトを着けてオシャレな一面を披露。

 次にNBAのアリーナへ入っていく様子を見るときは、細心の注意を払って欲しい。ここでは、ラッセル・ウェストブルックや“デイムタイム(Dame Time)”の代名詞で知られるダミアン・リラードなどの選手が、ロッカールームに向かう途中のスタイルを披露している。選手の手首に、アイコニックなブレスレットのプレジデントが着けられていることがよくある。

 では、なぜ64年前の時計のデザインがNBA選手を魅了するのか? バスケットボールと言えばご存じのように、マイケル・ジョーダンだ。彼はプラチナのデイデイトを愛用することで知られているが、決勝で負け知らずの6連覇を果たしたチャンピオンに相応しいケース素材である。彼はナイキをクールにしたのだから、NBAのおいてロレックスの存在を同じようにしたのは当然だろう。(彼は他にもランゲのダトグラフからウルヴェルクまで、長年にわたって本当に素晴らしい時計を身に着けているのが目撃されている)

 現代のNBA選手たちはジョーダンを見習って、デイデイトをより広い時計の世界への足がかりのように扱っている。クリーブランド・キャバリアーズのパワーフォワード、ケビン・ラブはインタビューで、ロレックスのデイデイトを見ることで「ポール・ニューマンのデイトナを持っていないことを思い出させてくれる」と語ったことがある。NBAの選手にとっては、デイデイトがゲートウェイウォッチ(入門時計)なのだ。

試合中にベンチに座るレブロン・ジェームズ(左)の手首にはプレジデントブレスレットのデイデイト。同じく金無垢のデイデイトを身に着けているケビン・ラブ(右)の隣に座っている。

デイデイトを手にしたクリス・ポール(右)は、デイデイトを愛用しているカーメロ・アンソニー(左。有名な時計コレクターでもある)の隣に座っている。

ADVERTISEMENT

 例えばレブロン・ジェームズは、元アンバサダーとしてオーデマ ピゲの複雑時計を数多く着用していることで知られている。しかし2016年、彼はキャバリアーズのチャンピオンシップパレードの際に、イエローゴールドのデイデイトIIを着用。この日は、クリーブランドの長い低迷期に終止符を打った、彼のキャリアの中で最も特別な日であったことは間違いない。この日を記念して、キングはプレジデントを選んだのだ。

NBA 2K13ビデオゲームのイベントでデイデイトを着用したケビン・デュラント。

 カーメロ・アンソニー、ドウィアン・ウェイド、クリス・ポールなどを含むジェームズの内輪であるNBAの友人たちは“バナナボートクルー”と呼ばれ、彼らは全員プレジデントブレスレットのデイデイトを身に着ける。ブルックリン・ネッツのスター、ケビン・デュラントは、セラミックベゼルでホワイトダイヤルのロレックス デイトナを最も頻繁に着用しているかもしれないが、当初はデイデイトを着用していた。元デュラントのチームメイト(そしてMVP仲間)であるジェームズ・ハーデンとステフ・カリーも、デイデイト愛好家のリストに加えることができる。以上のことから、デイデイトは良い仲間をもっていると言そうだ。

ドラフトナイト2019でイエローゴールドのロレックス  デイデイトを身に着けたザイオン・ウィリアムソン(右)とNBAコミッショナーのアダム・シルバー(左)。

 しかし、レブロンとその同年代の選手たちは今や保守派ともいえる。デイデイトの魅力は、新しい世代の選手たちの心をくすぐり続けるのか? 論より証拠。ちょうど2019年、NBAは、ジェームズ以来、最も注目を集めている若手有望株を歓迎した:リングを壊すほどのダンクシュートで有名なデューク大学のスター、ザイオン・ウィリアムソン。NBAコミッショナーのアダム・シルバーが2019年のドラフト1位指名をした後、ウィリアムソンはオフホワイトのスーツにニューオーリンズ・ペリカンズの帽子、そして手首には金無垢のロレックス  デイデイトを着けてステージに上がった。

Photographs:Getty Images