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我々は、先ほどロレックス、チューダー、そしてパテック フィリップが2020年の新作発表を延期することを確認しました。3ブランドいずれも、それぞれの新作発表のために取り組んできたものの、2021年1月に開催される次のバーゼルワールドまで延期する可能性があります。パテックの発表延期のニュースは、先週はじめに報告されていました(我々も独自の情報源を以て確認しました)。そして、さらにロレックス、チューダーの両ブランドが追随することも確認しました。
時計業界のこれら3つの巨大ブランドがコレクションを大幅にアップデートすることなく、1年間の製品サイクルを超えるのは、最近の記憶の中では初めてのことです。バーゼルワールド2019は、3月26日に終了し、バーゼルワールド2021のプレスプレビューデイは、1月27日までのため、製品リリースの間隔は22ヵ月となる可能性があるわけです。3ブランドとも、2021年までの延期とは明言していない点は注目に値するでしょう。そのため、状況が変化した場合、年越しを前に新しいコレクションが発表される可能性も残っています。
正直なところ、最初このニュースは衝撃的なものに感じられましたが、非常に理にかなっている決定です。これらの優良ブランドは、ビジネスを強固なものにするために、一貫した販売パイプラインをもつ安定した正規ディーラーネットワークに依存しています。また、彼らは真のグローバルブランドでもあり、ひとつふたつの市場で利益のほとんどを占めるような企業ではありません。つまり、特定の地域だけの状況改善に頼ることができず、それ以外の地域での危険なビジネス環境や痛みを伴う状況を生み出さないことを意味します。
そして、忘れてはならないのが、数週間前にスイス国内のCOVID-19感染拡大食い止めのため、パテック フィリップとロレックス/チューダーの各社が製造拠点を閉鎖せざるをえなかったことです。多くの国際流通センターや、ローカル市場のオフィスも同様に現在も閉鎖されたままであり、再開の目処について公式のリリースはまだ出されていません。
ここでもう一つの重要なポイントは、これらの決定がバーゼルワールド自体に与える影響です。ロレックス、チューダー、パテック フィリップが、展示会の助けなしに製品をオフサイクルでリリースすることとなり、それが成功した場合、彼らは2021年の同フェアから撤退する意味を見出し、フェアの開催が早すぎると考えたり、または不要な支出であると見なす可能性もあるということです。時計業界で最も古い、年に一度の集まりの中心にあるナイフのようなもので、昨日「ル・タン」によって報じられた記事によれば、フェア側は現在極めて弱い立場にあります。一方、バーゼルワールド2021まで新作発表を待つということが決定された場合、それはショーの継続を大きく助けることとなり、非常に重要な存在に返り咲くことを意味します。
私が最後にお伝えしたいのは(コメント欄にブーイングが投稿されるかもしれませんが)、これがそんなに悪いことかどうかは分からないということです。ロレックス、チューダー、パテック フィリップの全ての需要の中で、人気の低いモデルは依然として長期に渡って供給量が上回っています。一部のモデルは、その時計の最初のリリースから数年が経っても「もはや名前が書かれていない」ウェイティングリストが存在します。追加された数ヵ月間は、既に需要のあるモデルの製造に集中して費やされることで、ブランドと小売業者のリスト上のギャップを少し埋めるのに役立つかもしれません。多くの従来の小売業者は、現在、数週間から数ヵ月の間ドアを閉めなければならず苦労しており、新作コレクションの入荷・在庫という小売業者にかかる圧力も軽減されます。
これらの決定は、最もクールな新作を期待している我々にとってエキサイティングなことではありませんが、最終的には、時計製造業者、時計販売業者、さらには時計を購入する僕たちにとっても最高のものになるかもしれません。
それも時がくれば分かるでしょう。
さて、あなたがもし本当に新しい時計に夢中であるのなら心配ご無用です。大小を問わず、他の時計メーカーから発表されている新しい時計はまだまだ多くあるのです。ここで新作時計の紹介記事をご紹介しています。