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Staff Picks 編集部が選ぶベスト・バジェットウォッチ 2023

2023年になっても、1500ドル以下で買えるものはたくさんある。

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ホリデーシーズンも間近に迫り、今年も終わりに近づいてきた。時計愛好家にとっては、2023年を振り返ってその年のお気に入りの時計を思い返すときが来たということだ。

 最高のStaff Picks記事の週の始まりとして、僕はHODINKEEエディターのブレーンに、2023年のお気に入りの低予算時計(バジェットウォッチ)を考えてもらった。1500ドルという高額な上限が設定されているため、予算と(それ以上の)アイデアを完全にカバーするには十分だろう。75ドル以上から、ロックスターとのコラボレーション、安価でカラーリングが楽しめるもの、そして高い価値と豊富な魅力を約束するスポーティなオプションなど、今年のベスト・バジェットウォッチを紹介しよう。


ブローバ オーシャノグラファー GMT – 1295ドル(ダニー・ミルトン)

 ここで3本の時計を選んだことを許して欲しい。だがブローバ オーシャノグラファー GMTコレクションは、今年最も楽しいサプライズを与えてくれたのだ。プレビューの際、製品を手にして機能性を知り、そして価格を聞いて驚いたことを今でも覚えている。

 これは70年代をほうふつとさせるブローバのデザインをベースに、ブラックベイ GMTに勝るとも劣らない方法でダイバーズとGMTの美学を融合させた。しかし1500ドルを切る価格で、ブローバがローカルジャンピング機能を備えた完全な“フライヤー”GMTを提供してくれるとは思わなかった。デザインの細部へのこだわりとムーブメントの機能性から、私にとっては迷いのない選択であった。ゴールドと全面夜光ダイヤルのどちらにするかはまだ決めかねている。

ダニー・ミルトン、編集長


スウォッチ シェイズ オブ ネオン – 75ドル(マライカ・クロフォード)

 この時計を最初に見つけたのは、友人でありジュエリーデザイナーのナディーン・ゴーン(Nadine Ghosn)の投稿がきっかけだった。スウォッチ40周年を記念して発売されたスカイチャート GN705にインスパイアされたこのモデルは、90年代のシリアルボックスのような美しさがあり、ストロベリー味のロールオンリップグロスやバタフライバレッタクリップと同じくらい、ノスタルジックな気分にさせてくれる。

swatch watch

 私が本当に欲しいのは、1992年のグランプリ Ref.SCJ101だ。eBayの出品価格は500ドルから2000ドル(日本円で約7万2000~29万1000円)で推移している。私は衝動買いするタイプかもしれないが、プラスチックのスウォッチに大枚をはたく気にはまったくなれない。その代わりに、次善の策と考えていたシェイズ オブ ネオンを購入し、価格は1万1550円(税込)と控え目だ。SCJ101の後継モデルであるネオン トゥ ザ マックス Ref.SB06J100もあるのだが、47mm径と非常に大振りで、私見ではあるがこの時計の存在意義が失われているような気がする。

 シェイズ オブ ネオンは夏にぴったりの時計である。ビーチで身につけて、バケーションジュエリーと重ね付けして、家に帰ったら本物のジュエリーのローテーションに戻るのだ。

マライカ・クロフォード、スタイルエディター


ブリュー メトリック クロノグラフ PVD ブラック – 475ドル(マーク・カウズラリッチ)

 ブリューウォッチはしばらく前からニューヨーク時計シーンの定番となっており、また創業者のジョナサン・フェラー(Jonathan Ferrer)は時計業界で最も親切で親しみやすい人物のひとりとして知られている。そしてここ数年、同ブランドは未来に向けて、私をワクワクさせるような方法でその本領を発揮し始めた。時計に関しては、予算を考慮した今回のStaff Picksで制限の範囲内でほぼ稼働しているため、ひとつだけを選ぶのは難しい。

brew chronograph

 今年の初めに2本のブリュー メトリック クロノグラフを直接対決させたが、ヴィンテージにインスパイアされたものと、独特の“ブリュー”ケースのものとで、選ぶのに苦労した。しかし初期のコレクションに加えたり、友人にすすめたりするために、楽しく、手頃な価格で、既成概念にとらわれない時計を探しているのであれば、ブラックPVDのブリュー メトリックに勝るものはない。

 セイコーやシチズン、ハミルトンを友人にすすめたことがある人は多いだろう。しかしダイバーズウォッチやフィールドウォッチなど、同じスタイルの時計を何度も購入するのではなく、コレクションを構築するときにまったく違うものを選択するというのは新鮮だ。475ドルという価格ながらブレスレット一体型の時計というのはそれほど多くなく、またポルシェ・デザイン クロノグラフ1のように歴史を感じさせるものもない。欲しい時計の廉価版のようなものを買うのではなく、臆することなく自分だけの時計を買おう。まだ乗り気でない人は、今後数年間のブリューに注目して欲しい。きっと感動するはずだ。

マーク・カウズラリッチ、エディター


スタジオ・アンダードッグ フィールド “ピンクレモネード” – 900ドル(トニー・トライナ)

 イギリス発の新興ブランドであるスタジオ・アンダードッグは、今年第2弾となるフィールドコレクションを発表した。第2次世界大戦時代の“ダーティダース”をヒントにしながらも、この新しい4本の時計は、ブランドならではの遊び心で、その要求に応えている。

 スタジオ・アンダードッグのフィールドウォッチは楽しくカラフルなだけでなく、実際の製造も印象的だ。まずは文字盤から。スタジオ・アンダードッグはベースの文字盤の上に薄いサファイアディスクを取り付け、そこにブランド名、インデックスをプリントしている。暗闇の中に持ち込むと、全面夜光処理された文字盤が光り輝く。

studio underdog watch

 フィールドコレクションの37mm径ケースは伝統的なフィールドウォッチのように感じるが、フォルムは完全に現代的なものだ。多くのブランドがヴィンテージやヘリテージにインスパイアされたものをデザインしている今、スタジオ・アンダードッグはすべてが新鮮なものだ。ブランドはオリジナルのWWW(ダーティダース)ウォッチをオマージュしたのではなく、英国国防省が現代に沿って同じ時計を作るよう命じた世界を想像した。その結果、このダーティダースは明らかに現代的なものとなった。確かにスタジオ・アンダードッグはオリジナルからインスピレーションを得ているが、これらはオマージュウォッチとはほど遠い。そのため、真に新しいことに挑戦する勇気のあるブランドは少なく、成功するブランドはさらに少ない。スタジオ・アンダードッグはフィールドコレクションで、その両方を実現したのだ。

 ブランドはほかの時計では見られないテクニックを使った、完璧なサイズのフィールドウォッチ(セリタ製ムーブメント搭載)を900ドルで提供している。なおフィールドコレクションの最初の予約受付期間は終了しているが、スタジオ・アンダードッグのリチャード・ベンク(Richard Benc)によると、2024年春には予約受付が再開されると言う。

トニー・トライナ、エディター


G-SHOCK Ref.6900 サブトラクト バイ エド・シーラン for Hodinkee – 185ドル(ベン・クライマー)

 いい? 私はこの時計を世に送り出す手助けをしたため、ここではこれ以上偏ったことはできないが、この色鮮やかなイエローG-SHOCK以上に、つくり手(彼は今日、世界で最も創造的で素晴らしく、親切な人物のひとりである)のことを物語り、時計愛好家のコミュニティを結びつける時計はない。またみなさんも我々も、エド・シーランのイカれたコレクションのなかに堂々と収められている時計を、少なくとも1本は持っているというのも楽しい事実である。

 それもまたおもしろい。だからみんなここにいるんだろう? 言うまでもなく、この時計は史上最高の時計コンテンツと言われているもの(誓って私が言ったのではない)で初公開され、さらに強力なストーリーを持っている。この時計はエドのように素晴らしい。そして、それはほかのものとはまったく違う。

ベン・クライマー、創業者


G-SHOCK Ref.GMW-B5000PC-1JF “フルメタル ポリクロマティック” – 580ドル(エリン・ウィルボーン)

 今年40周年を迎えたG-SHOCKにとって、2023年は元祖タフウォッチにとって重要な年となり、彼らは最も人気のあるモデルの記念限定版を、時計仕掛けのように(失礼)生産してきた。架空の予算である1500ドルを大幅に下回るが、1983年にブランドをスタートさせた伝統的なモデル、DW-5000のフルメタルアニバーサリーエディションが最近リリースされたので、それを選びたいと思う。

 フルメタルなので樹脂製より高級感がある。G-SHOCKならではの機能性と堅牢性を備えているのもポイントだ。そして、DW-5000シリーズの重要な要素である、あの風変わりでマニアックな80年代の雰囲気を併せ持つ。僅差で2位にランクインするのは、より派手でBluetooth接続機能が追加された、再結晶ゴールドフルメタルのGMW-B5000PG-9JRだ。

エリン・ウィルボーン、コピーライター


ティソ PRX 35mm マザー・オブ・パール – 750ドル(リッチ・フォードン)

 ティソの40mm径PRXは2021年の発売以来、HODINKEE、Instagram、TikTokで人気を博しており、誰が聞いてもバジェットウォッチの寵児となった。しかし1970年代にインスパイアされたこの一体型ブレスレットスポーツウォッチを、“ノーチラスとロイヤル オークにけんかを売ったティソ”、あるいはもっと悪いことにこれらふたつのアイコニックなモデルのパクリだと決めつけるのは簡単だ(“怠慢”とも読む)。ただその誘惑に負けないで欲しい。フォーマットにはこの2種類の時計がたくさんあるが、ティソはシースターに独自の1970年代ヴィンテージのインスピレーションを与えていると最初にお伝えしておこう。

 トニーがこの記事で言っていたように、私も35mmサイズである小さいPRXのほうが好みだ。彼のように華奢な手首をしているからというわけではなく、単純に小振りな時計のほうが好きだからである(ほとんど毎日ロレックスのエクスプローラー Ref.1016をつけている)。私はマザー・オブ・パールに弱いので、この文字盤に感動を受けたし、11万3300円(税込)なのに本当によくできている。

リッチ・フォードン、VIPアドバイザー


マラソン ナビゲーター スティール Ref.SSNAV – 770ドル(ジェームズ・ステイシー)

 リーズナブルな時計は僕の興味の中心であり続けているので、しっかりした作りで価値のある日常的な腕時計には常に注目している。今年初め、カナダにあるマラソンは、ミリタリーデザインされた“ナビゲーター”でクラシックなラインナップを更新し、従来のコンポジットファイバー製ケースからスティール製ケースへと変更をした。

marathon navigator steel

 ビーズブラスト加工を施した41mm径SSケースに加えて、新しいナビゲーターは日付表示の有無が選択可能となった。どちらのバージョンも年差±10秒の精度を誇る高精度のETAクォーツムーブメントを使用。さらに100mの防水性、トリチウムチューブによる常時点灯、第2タイムゾーンを把握するための12時間ベゼルを加え、70年代のスタイル、優れたスペック、そしてカナダ製の魅力を備えるなど、あらゆるコレクションを引き立てることができる41mm径SSウォッチが770ドルから手に入るのだ。

 4月にSSモデルが発売されて以来、僕はこの時計をつけたり外したりしているが、今年一番のお気に入りである。便利でさりげなく、手首にきれいにフィットするのだ。

ジェームズ・ステイシー、リードエディター

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