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我々が知っていること
今年、ブライトリングは創業140周年を迎える。それを祝うパーティは、特殊で多才なエアロスペースファミリーのちょっと意外な発表で幕を開ける。エアロスペース B70 オービターと名付けられたこの新作は、1999年3月21日にエジプトに着陸した、世界初の無着陸気球飛行の成功から25周年を記念してつくられたもので、ダブルアニバーサリーとして発表された。オービター3のカプセルの塗装をほうふつとさせるオレンジの文字盤を持つこのエアロスペースは、オリジナルの気球の一部を時計の裏蓋に組み込んだ、さらに1歩進んだものとなっている。
エアロスペース エヴォの現行世代に続くエアロスペース B70 オービターエディションは、43mmのチタンケースを備え、チタンブレスレットまたはラバーストラップから選ぶことができる。本物の気球の一部を使用したサファイア製シースルーバックのためか、エアロスペース B70 オービターの厚さは12.95mmと、スタンダードなエアロスペース エヴォ E79363世代の厚さ10.8mmと比較しても厚めである。
エアロスペースをベースにしたB70 オービターは、アナデジレイアウトを採用し、日付やセカンドタイムゾーンからフライバッククロノグラフ、タイマー、アラームまで、さまざまな機能を備えている。これらの機能はすべて文字盤に組み込まれたふたつのネガ型液晶ディスプレイによって調整され、鮮やかなオレンジのグラデーション部分には、ブライトリングがメインスポンサーを務めたオービター3ミッションのロゴがあしらわれている。
このエアロスペースの多機能性は、エアロスペースシリーズに新たに加わった、温度補正機能付きの高精度スーパークォーツ™ムーブメント、ブライトリングB70から派生している(現行世代はB79のスーパークォーツ™を搭載)。COSC認定を取得したB70は、バックライトが省略された可能性と(記載されているスペック以外については未確認)、クロノグラフを最大100時間まで動作できる点を除けば(B79は48時間)、B79とほぼ同じのように見える。機能以外にB70におけるその他の変更点は、ケースサイドにふたつのプッシャーが搭載されたことである。私はこの新モデルを実際に触ってはないが、これはデジタル機能の操作や時計の設定をひとつのリューズで行っていたエアロスペースの過去のモデルとは大きく異なる点である。
エアロスペース B70 オービターは、裏蓋に使用されるオービター3の実際の気球部品が入手可能であるだけで、特にナンバリングや生産の制限はされない。気になる小売価格は、ラバーストラップが61万6000円、チタンブレスレットが64万3500円(ともに税込)となっている。
我々の考え
僕はアナデジウォッチが大好きで、特に初期のエアロスペースには本当に心を打たれる。これはまさに現代的なツールウォッチで、機能よりもフォルムを重視する考え方と、ディスプレイ(最低限のバックライト付き)が暗視ゴーグルに対応しているというような細かい要素がミックスされているところが気に入っている。以前グレーのエアロスペース E56062モデルを愛用していたのだが、売却したことを完全に後悔している。ほぼ確実に、将来また別のエアロスペースを手に入れるだろう。
この特別なニューエディションに焦点を当てよう。オレンジの文字盤と特別なバルーンケースバックは確かにクールだが、アナデジブライトリングのファンも、昔ながらのHODINKEEの読者も、これが最初のオービター3をテーマにしたブライトリングではないことを覚えているはずだ。2000年にブライトリングは、当時最新モデルだったエマージェンシーにて、オービター3のロゴをあしらったブルーのダイヤルの1999本限定モデル、エマージェンシー オービター3を発表した。僕の親友であるジェイソン・ヒートンはHODINKEEで、2016年11月に素敵なIn-Depthを寄稿している。ぜひこちらをご覧いただきたい。
2000年当時、エマージェンシーが選ばれたのは、オービター3の乗組員であるベルトラン・ピカール氏とブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)氏が気球に乗って世界1周をした際に着用していたからである。ミッションの困難さと救助の必要性を考えると、当時はエマージェンシーが賢明な選択肢だったのだ。残念ながら、エマージェンシーは10年以上前に製造中止になったため、現在は製造されていない。現行のブライトリングのカタログのなかでは、このように25周年記念モデルはエマージェンシーの兄弟機であるエアロスペースに譲られたのだ。
そのような現代的な文脈のなかで、エアロスペースはオレンジ色の美しい文字盤を手に入れ、スペシャルエディションが生まれた(オリジナルの気球の1部とともに)。43mmというサイズは、現代の好みからすると少し大きいが、実際にはオリジナルのオービター3 エマージェンシーよりも大きくない(標準的なケース寸法では)。チタンがかなりの助けになることを期待しているが、この新しいエアロスペース B70 オービターを所有したいと思っているブライトリングの顧客にとっては、サイズが最初の懸念事項ではないとも予想している。これはニッチな市場のなかでもニッチなものなのだ。
エアロスペースの現行モデルが近いうちに、リファレンスが最新のものに置き換わるという噂が高まっているなか、このB70を搭載したこのモデルは、過去四半世紀の特別な出来事に言及していると同時に、将来を見据えているのかもしれない。
僕にとって大切な点がふたつある。まず、オービター3のミッションは素晴らしい物語であり、そのミッションとオリジナルの記念エマージェンシーに関するジェイソンのIn-Depth記事を読むことを強くおすすめする(便宜上、ここで再リンクさせよう)。第2に、ブライトリングが僕のお気に入りモデルであるエアロスペースにまだ終わりを告げていないことに感激している。常に革新的なエアロスペースは、ブライトリングの過去の成功と、進化し続けるブランドの未来の両方において居場所を見つけ続けているのだ。
基本情報
ブランド: ブライトリング(Breitling)
モデル名: エアロスペース B70 オービター(Aerospace B70 Orbiter)
型番: EB70101A1O1E1(ブレスレット)、EB70101A1O1S1(ラバーストラップ)
直径: 43mm
厚さ: 12.95mm
ケース素材: チタン
文字盤: オレンジグラデーション
インデックス: アプライドアラビア数字
夜光: あり、インデックスと針にスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: チタンブレスレットまたはブラックラバー、フォールディングクラスプ付き
ムーブメント情報
キャリバー: ブライトリングB70
機能: アナログ時・分針、デジタル秒針、日付表示、フライバッククロノグラフ、タイマー、第2時間帯表示、アラーム
直径: 34.8mm
厚さ: 5.85mm
パワーリザーブ: バッテリー寿命2年
巻き上げ方式: スーパークォーツ™
クロノメーター: あり
追加情報: 温度補正スーパークォーツ™
価格 & 発売時期
価格: ラバーストラップが61万6000円、チタンブレスレットが64万3500円(ともに税込)
限定: なし
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