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Introducing フォーメックス ストラトス UTCで実用的な新しいGMTのアプローチ(編集部撮り下ろし)

魅力的な機能だが、もう少し洗練されたデザインが必要だろう。

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Photos by Anthony Traina


我々が知っていること

フォーメックスは技術革新において確固たる評判を築いている。同社の姉妹会社であるデクセルは、数多くのスイスブランドにパーツを製造・供給するサプライヤーだ。厄介な秘密保持契約(NDA)があるため、どのブランドが何を作っているのか明らかにされないことが多いが、デクセルのウェブサイトには、ジラール・ペルゴやモンブランのブレスレット、ウブロのケースなどが掲載されている。これらの技術の多くは、デクセルのインハウスブランドとも言えるフォーメックスにも生かされている。主にブレスレットやクラスプ、ケースの技術で知られるフォーメックスだが、最近GMT機能に挑戦すると決意したようだ。その結果がフォーメックス ストラトス UTCであり、フライヤーGMTとして機能的なパイロットウォッチに仕上がっている。デザインは少し粗いものの、ストラトス UTCはリーズナブルな価格ながら斬新なGMT機能を提供した。

formex stratos utc gmt

 ストラトス UTCは“フライヤー”GMT機能を備えているが、通常のリューズ操作ではなく、2時位置と4時位置にあるプッシャーで現地時間の時針を操作できる仕様になっている。リューズを引き出すことなく(またテンプの動作を止めることすらせず)、ローカルアワーを1時間進めたり戻したりすることができるのだ。

 フォーメックスは、ETA 2892にデュボア・デプラ社製のカスタムモジュールを組み合わせることでこの機能を実現している。日付はローカルタイムの時針と連動しているが、ミドルケースの左側には、独立した日付修正機構が隠されている。日付は6時位置のインダイヤルに表示され、9時位置には小さな昼夜表示が配置されている。また見返しリングに24時間表示があり、さらに双方向回転ベゼルにも24時間スケールが付いている。このため、同時に3つのタイムゾーンを追跡できるが、そのぶんデザインはかなり賑やかである。フォーメックスはムーブメントを日差±7秒の精度に調整しており、サファイア製シースルーバックをとおしてムーブメントを見ることができる。

formex stratos utc gmt
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 フォーメックスはこれらすべての機能を41mmのコンパクトなステンレススティールケースに収めている。ラグからラグまでは47mm、厚さは快適な11.8mmで、100mの防水性能を備えている。ストラトス UTCはストラップまたはブレスレット(ラグ幅20mm)で提供されるが、私はブレスレットを強くおすすめする。ブレスレットには工具不要のマイクロアジャスト機能とクイックリリースが完備。フォーメックスはケースとブレスレットの製造や仕上げにおいて優れており、ストラトス UTCも例外ではない。ブレスレットは頑丈でありながら薄く、手首にしっかりとフィットした。

formex stratos utc gmt grey dial

 さらにダイヤルにはサンレイ仕上げ、インダイヤルとアウターリングには異なる質感のグレイン加工を施している。ダイヤルのカラーオプションはブルー、グレー、グリーンの3種類で、すべてに鮮やかなオレンジのアクセントが加えられている。ブレスレット仕様のフォーメックス ストラトス UTCは3990ドル(日本円で約60万円)で、ストラップ仕様は3850ドル(日本円で約58万円)。現在予約注文受け付け中だ。

formex stratos utc gmt
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我々の考え

フォーメックスの実用的なGMTアプローチは気に入っているが、この時計は技術仕様や複雑機構を優先して、デザインが後回しにされた印象を受ける。ダイヤルは情報量が多く、さらにベゼルがごちゃついた感じだ。それにストラトス UTCにはフォントが多すぎる。それでもケースの装着感はとてもよく、厚さわずか11.8mmのGMTというのは軽視できないポイントだ。またポリッシュ仕上げ、サテン仕上げ、マット仕上げが混在しており、仕上げもきちんとしている。

formex stratos utc gmt case

 プッシャーでGMTを操作するのは目新しいわけではない。たとえばパテックの5164やブルガリのオクト フィニッシモ クロノグラフ GMTがその例だ。しかしフォーメックスがETAのムーブメントにモジュールを追加し、この機能を比較的手ごろな価格に抑えたことは評価に値する。

 フォーメックスがこの機能を別のモデルに採用するか、ストラトス UTCのデザインを洗練させてくれることを期待している。というのも、このアイデアには大きな可能性があるからだ。ストラトス UTCのデザインは自分には合わないかもしれないが、フォーメックスの技術力、エンジニアリング、製造に関しては誰もが評価できるものだ。

フォーメックス ストラトス UTC。316Lステンレススティールケース、41mm × 11.8mm(ラグからラグまで47mm)、100m防水。48クリックの双方向回転SS製ベゼル。ストラトス UTCは、カスタムされたデュボア・デプラモジュールを搭載した自動巻きETA 2892ムーブメント(日差±7秒)を使用した“フライヤー”GMT機能、サファイア製シースルーバックからムーブメントを鑑賞できる。6時位置に日付表示。サンレイ仕上げのダイヤルはグリーン、ブルー、グレーの3色展開。ブレスレットは工具不要のマイクロアジャストとクイックリリースの付いたスクリューリンク。メーカー希望小売価格はブレスレット仕様が3990ドル(日本円で約60万円)、ストラップ仕様が3850ドル(日本円で約58万円)。