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Introducing H.モーザー パイオニア・トゥールビヨン バーガンディが登場

ただの赤でなく、バーガンディだからこそこのフュメダイヤルは美しい。

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我々が知っていること

日常使いに適したトゥールビヨンを展開するブランドは決して多くないが、そのなかでもH.モーザーはそうしたモデルを継続的に発表し続けている。今回、モーザーは最も実用的なトゥールビヨンモデルである40mm径のパイオニア・トゥールビヨン バーガンディをアップデートした。

Burgundy Tourbillon three quarter shot

 このモデルの見どころは、何といってもバーガンディのフュメダイヤルだ。サンバースト仕上げが施されたダイヤルは、ベゼルに向かってブラックへとグラデーションを描く。ダイヤル外周にはレッドゴールド製のアプライドインデックスが配され、視認性を確保するために見返しにはスーパールミノヴァ®を用いた時刻表示が施されている。そしてもちろん、モーザーのクラシックなデザインを象徴するリーフ針も健在で、こちらにもスーパールミノヴァ®が塗布されている。トゥールビヨンの開口部は非常に目を引くもので、このモデルの主役として位置づけられている。その存在感を際立たせるため、ブランドロゴは極めて控えめな表現として光が当たったときにのみ見える透明ラッカー仕上げが施された。

 パイオニアのケースはそもそも比較的コンパクトだが、短めのラグもあって手首の上での収まりは良好だ。このモデルは5N レッドゴールド製ケースにバーガンディダイヤルを合わせた仕様であり、蛇のモチーフは見当たらないが旧正月を意識したカラーリングであることは間違いないだろう。ドーム型のサファイアクリスタルを備えたケースの厚さは12mmだが、ブランドによるとケース自体の厚さは10.4mmに抑えられているという。以前ステンレススティール製でブルーのパイオニア・トゥールビヨンを試したことがあるが、細めの手首にもよくフィットするつけ心地だった。サイン入りのねじ込み式リューズを採用し、12気圧の防水性能を実現しているため、トゥールビヨンを装着したまま泳ぐことだって可能だ。週末の楽しみ方によって、この時計を選ぶのも悪くないだろう。

moser burgundy tourbillon wrist shot
Case Side of Burgundy Tourbillon
Caseback of Burgundy Tourbillon

 ダイヤルの開口部からは、改良されたCal.HMC 805の大型トゥールビヨンケージが見える。旧モデルのスティール製トゥールビヨンに搭載されていたCal.HMC 804と大きく異なるわけではないが、近年行われた3針ムーブメントのアップデートと視覚的に統一されたデザインとなった。ムーブメントの構造もより興味深いものになっており、ブリッジの多くがスケルトナイズされ、よりコントラストの効いたアンスラサイト仕上げが施されている。そしてもちろん、モーザーの象徴ともいえるダブルヘアスプリングがトゥールビヨンとともに存分に鑑賞できる仕様となっている。

 興味深いことに、この時計にはカーキグリーンのラバーストラップが組み合わされている。防水性能を備えたトゥールビヨンにラバーは理にかなっているが、カーキグリーンという選択には少し驚かされた。ただ誤解しないでほしい。意外にもよくマッチしており、赤を強調しすぎるよりもバランスが取れていると思う。しかし、この配色がオーナーのカスタマイズではなく、ブランドの意図として取り付けられている点には少なからず意外性を感じた。

 H.モーザー パイオニア・トゥールビヨン バーガンディの価格は1071万4000円(税込)で、すでに販売中だ。


我々の考え

この時計は非常に魅力的であり、トゥールビヨンを検討しているなら同カテゴリのなかでも優れた価値を持つ1本と言えるだろう。モーザーに対する個人的な印象だが、同ブランドの時計はコレクター向けという側面が強い。実際にモーザーのオーナーたちは、すでに多数の時計を所有しているという人が多い。このモデルも、まさにそうした層にとって興味深い選択肢となるはずだ。

 同時に、高級時計の複雑機構を備えながら、あらゆるシーンで着用できる1本を求める人にとっても有力な選択肢となるだろう。モーザーの時計は目立つことを避けたい人にとっても適したものとなっているが、それでも腕元にソリッドゴールドの塊を乗せている以上、その点では限界があるかもしれない。

Tourbillon sitting on table

 また、キャリバーを新世代のデザイン言語へと少しずつアップデートしている点も好感が持てる。過去のモデルも同様の仕上げに刷新されるのか、それとも新たなカラーバリエーションが登場して順次入れ替わっていくのかは気になるところだ。生産の観点から見れば、キャリバーの仕上げを統一する方が合理的だろう。いずれにせよこの時計を実際に手に取るのは楽しみであると共に、これを身につけてそのまま海へ飛び込むという豪快なオーナーに会うのも待ち遠しい。


基本情報

ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: パイオニア・トゥールビヨン バーガンディ(Pioneer Tourbillon Burgundy)
型番: 3805-0400

直径: 40mm
厚さ: 12.0mm
ケース素材: 5N レッドゴールド
文字盤色: バーガンディ
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 12気圧
ストラップ/ブレスレット: カーキのラバーストラップと5Nレッドゴールド製クラスプ

Tourbillon on camera

ムーブメント情報

キャリバー: HMC 805
機能: 時・分表示、ワンミニッツトゥールビヨン
直径: 32mm
厚さ: 5.5mm
パワーリザーブ: 3日間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時


価格 & 発売時期

価格: 1071万4000円(税込)
発売時期: 発売中
限定: なし

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